国民的クラブ『XXIO』が長く支持される理由は「勝手に芯に当たる」振りやすさ!
ゴルフ界では、熾烈なクラブの開発競争が繰り広げられ、これまでさまざまなブランドが生まれ、そして消えてきた。そんな中で、20年以上の長きに渡って、愛され続けているのが“国民的クラブ”『XXIO』だ。これまで膨大な数の最新クラブを試打してきた鹿又芳典氏と小倉勇人氏は、『XXIO』を“最も結果が出てプレーをやさしくしてくれる”と評価する。
配信日時:2023年4月13日 00時14分
「やさしく真っすぐ打てる」が20年以上支持されている
2000年に初代が誕生し、今年で23年目を迎える『XXIO』ブランド。プロアマ問わず絶大な人気を誇る、まさに“国民的クラブ”とも言えるブランドだ。なぜ『XXIO』はこれほどまでに支持されるのか、最新クラブの進化をテスターとして見てきた鹿又芳典と小倉勇人に話してもらった。
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鹿又:まず『XXIO』のすごさは何かというと、歴代どのモデルも必ず“結果が出るクラブ”だったことが挙げられますね。コースに持って行って何となく振れば、心地良いフィーリングで真っすぐ遠くに飛んでくれる。国民的クラブとして完成度の高さが段違いです。
小倉:今ってクラブの買い方が多様化していて、ゴルフショップだけでなく、ECサイトで現物を見ずに購入する人も少なくありません。そのため、いざコースで使ってみると全然打てないなんてケースもよく見られますが、『XXIO』はいきなり打っても、曲がらず飛んでくれます。純正シャフト装着のその場ですぐ買える状態で、完成されたクラブになっている数少ないブランドではないでしょうか。
鹿又:性能が評価されるということは、それだけ期待も大きくなりますが、その期待に常に応え続けてきたことも『XXIO』のすごさ。より良い結果が出なければ、新しいクラブを購入してもらうことはで不可能なので。前に開発チームの人たちに話を聞いたたことがありますが、『XXIO』ユーザーのラウンドに同行して、どんなゴルフをしているのか徹底調査すると聞いて、驚きました。
多くのメーカーが、テクノロジーやツアープロからのフィードバックを重視して開発を行うのとは対照的に、『XXIO』はアマチュアゴルファーの声を製品にしっかり反映させている、本当の意味での“国民的クラブ”です。そういった開発に対する姿勢も、『XXIO』が20年以上も日本のアマチュアゴルファーから支持されてきた理由のひとつでしょう。
小倉:米国女子ツアーで活躍する畑岡奈紗プロや国内ツアー通算4勝目を挙げた青木瀬令奈プロなど、高い技術を持つプロゴルファーの中にも『XXIO』の愛用者が多いことが面白いですよね。『XXIO』が追求してきたやさしく真っすぐ飛ばせる性能が、レベルを問わず、ゴルファーに必要なものだという証拠です。以前は、プロは難しいクラブを使うというイメージがありましたが、むしろ厳しいセッティングの中で戦うプロだからこそ、ゴルフをやさしくしてくれる『XXIO』のようなクラブを求めているのは間違いありません。
鹿又:今年の「PGAマーチャンタイズショー」に行ったときに、『XXIO』がアメリカでも人気になっていると知りました。アメリカ人というと、パワーがあって、硬いシャフトの装着されたハードなクラブを好むイメージがありましたが、純正スペックのまま『XXIO』を使うゴルファーが増えているようです。アメリカ人は合理的な考え方をする人が多く、最新クラブを購入する際は、しっかり試打をして、良い結果が出たものしか買いません。つまり、『XXIO』はパワーのある人が打っても、しっかり結果が出ているわけです。
小倉:それは驚きですね。
鹿又:最近、海外メーカーでも軽量モデルをラインナップするところが増えましたよね? これは少なからず『XXIO』の影響があると思いますよ。何にしても、日本の国民的クラブである『XXIO』が海外で評価されているのは嬉しいことですよね。海外メーカーのクラブもたしかに良いですが、世界的な人気クラブとなりつつある『XXIO』を改めて打ってみるのは絶対にありだと思いますよ。
小倉:最新モデルは特にそうですが、『XXIO』は幅広いゴルファーが性能を実感できるクラブになっていますよね。ヘッドスピードやパワーに関係なく、気持ち良く振れるし、結果も出てくれます。『XXIO X -eks-』はカチャカチャによる調整機能が搭載されているので、好みに合わせて、細かな調整をすることも可能になりました。ブランドが培ってきた良さを継承しつつ、進化を続けていることも、『XXIO』が長く愛されている理由ではないでしょうか。
“芯に当たる”と“気持ち良く振れる”を追求
ゴルファーが結果を出せることを追求し、それが高い人気につながっている『XXIO』だが、具体的にどんな性能を秘めているのだろうか。
鹿又:一目で分かる派手なテクノロジーがあるというより、さまざまな機能をバランス良く搭載していることが『XXIO』の性能的な特徴ですね。テクノロジーが主張し過ぎないからこそ、気持ち良く振り切れて、勝手に芯に当たってくれる。トータルバランスの良さは秀逸です。
小倉:ヘッドやシャフトを単品で開発するのではなく、クラブとして組んだ時のバランスがすごく考えられていますよね。最新の『XXIO12』や『XXIO X -eks-』では、 “飛びの翼”というキャッチフレーズで話題になったクラウンの「アクティブウィング」が大きなポイントになっています。空力をコントロールすることで、ヘッドを理想的な軌道に導くテクノロジーですが、それによって振りやすさが向上し、芯に当たる確率がさらに高まりました。
鹿又:歴代の『XXIO』で追求してきた当てやすさに、スピードをプラスしたことも最新モデルの特徴です。本来、当てやすさとスピードは反比例する性能ですが、『XXIO12』や『XXIO X -eks-』は、それを高い次元で両立しています。これはグリップやシャフトの特性を細かくチューニングすることで、バランスを整えながら軽量化した効果でしょう。あとは「リバウンドフレーム」という独自の構造を採用したフェースによって、よりボール初速が出るようになったことも大きな進化ですね。
小倉:あとは構えやすさやインパクトの打感、打球音といったフィーリング性能まで作り込まれていることも『XXIO』の魅力ですね。特に「ゼクシオサウンド」と呼ばれる爽快な打球音は、打っていてすごく気持ちいいです。打球音を性能として捉えて、追求したのは『XXIO』が初めてではないでしょうか。
鹿又:ゴルファーが『XXIO』らしいと感じる性能、良さをしっかり継承しながら、そこに新たに性能をプラスオンしていることは本当にすごいことですし、開発陣の苦悩がすごく想像できます。もう十分、完成されたクラブですからね、『XXIO』は。
小倉:鹿又さんは、『XXIO』の次回作はどんなものになると予想していますか?
鹿又:悩ましいですね。テクノロジーを変えすぎても『XXIO』じゃなくなりますから、フルチタンの良さを生かしながら、性能の引き上げを狙ってくると考えています。今でも平均飛距離を引き上げてくれる性能がありますが、そこをレベルアップさせつつ、会心の当たりの時はより驚異的な飛びを出してくれるような進化を遂げたら言うことはないですね。
小倉:フルチタンの構造を維持してほしいと考えるのは私も同じです。例えば、全く新しい独自配合のチタンを使うなど、新しい素材の提案をするのではないかと予想しています。チタンには特有のフィーリングの良さがありますし、それを生かした上で性能を高められたら理想的ですよね。
どう打ってもフェアウェイにボールが集まる超実戦的な性能
最後に、最新モデルの『XXIO12』と『XXIO X -eks-』をコースで試打してもらった。当てやすさを追求し、高い飛距離性能を獲得した最新モデルは、コースでどのような性能を発揮するのか。
鹿又:ワンロフト、ワンフレックスで誰が打っても結果が出るクラブが究極だと考えていますが、『XXIO12』はそれに限りなく近いクラブに仕上がっています。1球目から気持ちよく振れて、しっかり飛距離が出てくれます。総重量が282グラムと軽量なモデルですが、振りやすさと同時にしっかりした手応えも感じられます。軽いというよりも、軽やかとでも表現したいですね。『XXIO』でどのシリーズから打とうか迷ったら、まずは『XXIO12』を試してみてほしいです。
小倉:そうですね。もし、『XXIO12』を打って、もう少し重さが欲しいと感じたら、『XXIO X -eks-』を試すと良いでしょう。総重量が300グラムと重めに設定されている分、よりしっかりとした振り心地になっています。それでいて『XXIO』ブランドらしいバランスの良さ、フィーリングが備わっていますので、パワーに自信はあるけど、ティショットが安定しないゴルファーにぜひ使ってほしいですね。構えた時の安心感があって、ティショットのプレッシャーが軽減されるので、スイングするのがすごく楽になるはずです。
鹿又:どちらのドライバーもヘッドシェイプがすごく絶妙ですよね。シャローフェースで、投影面積がしっかりあるけど、大き過ぎないから振っていて違和感もない。何も考えずに自然にスイングするだけで、しっかりフェアウェイの幅の中にボールが収まってくれますね。
小倉:ミスヒットしても、曲がりが本当に少ないですよ。あとはやっぱり、打球音が爽快で本当に気持ちいい。コースで打つとその良さがより感じられます。
鹿又:高い打ち出しでぐんぐん伸びる飛び姿も美しいですよね。あと、『XXIO』はとにかく振りやすいから、振るごとにどんどんスイングが良くなっていく感じがします。ラウンドなら、ホールを重ねるうちに、自然に飛距離が伸びてくるはずですよ。
小倉:これだけ気持ち良く振れると、ドラコンホールなどで、“頑張って振って飛ばそうか”と前向きに考えられるようになりますね。
鹿又:実はそれが『XXIO』を使う一番のメリットかもしれませんね。勝手にいい球が出てくれますから、スイングではなく、コースをどう攻めようかと意識が外に向くようになるんです。上手く打てないクラブを使っていると、どう振ろうかとスイングのことばかり考えてしまって、コースを楽しめなくなりますからね。
小倉:たしかにドライバーを曲げて、クラブを2、3本持って林にダッシュするようじゃ楽しくありませんし、どうすれば曲がりを抑えられるかと、そんなことばかり考えてしまいますね。
鹿又:『XXIO』を使えば、そんな悩みとは無縁になりますからね。シンプルにプレーできるようになって、よりゴルフというスポーツが楽しめるようになりますよ。一度、『XXIO』を手にしたゴルファーが手放せなくなるのも、こういった理由からでしょうね。
市場では、さまざまなメーカーが、工夫を凝らしたクラブを販売している。その中でも『XXIO』が高い人気を誇っているのは、プレーそのものをシンプルでやさしいものにする性能が秘められているからではないだろうか。過去に『XXIO』を使っていたゴルファーも、まだ打ったことのないゴルファーも、一度『XXIO』のクラブを打ってみることをおすすめする。1球目から明らかな違いが体感できるはずだ。
取材協力/森永高滝カントリー倶楽部
写真/近澤幸司
構成/田辺直喜