ウェッジの番手選びに異変あり!?何度から何本入れる?
先週のミネベアミツミレディスで、地元優勝を飾った小祝さくら。彼女の構えてすぐ打つプレーの速さに、迷いのない強さの源を見た人も多かっただろう。特にアプローチでは、ライを確認し、何度も素振りをするのが一般的だが、彼女は素振りこそするもののスッと構えてサッと打つ。そこには長年信頼を置いているウェッジと、距離感に自信を持っているウェッジ選びに秘密がありそうだ。
配信日時:2023年7月13日 07時30分
ひと昔前は、プロでもアマチュアでもウェッジといえば52度と58度を入れるというのが定番だった。しかし最近はプロの間で48度や50度のウェッジを入れている人が増えている。もちろん、小祝さくらもその一人だ。小祝の場合、PWはスリクソンのZX7 MkⅡを使っていて、そのロフトは46度。ウェッジはというと、クリーブランドRTX3 V-MGを48、50、58度と3本入れている。実際には48と50度はロフトを1度寝かせて、49、51度にしているという。このクラブをプロ入り前から6年間も使い続けているというから、その信頼度が伺える。小祝本人によると、「リーディングエッジからストレートラインの顔が構えやすくて気に入っている」のだとか。
ウェッジを3本入れる理由を、クラフトマンでありフィッターでもある鹿又芳典氏に聞くと「アイアンがストロングロフト化していることで、PWのロフトが44~46度になってきていること。また、ロフトピッチが4~6度が基本だったものが、PWの飛距離性能が上がったことでPWとAWのロフト差が6度だと、約15ヤードの飛距離差が出てしまいます。今のクラブならPWとAWのロフト差は最大5度以内には抑えたいので、48度や50度のウェッジが必要」だという。
ウェッジの本数が3本になったのは、今や女子プロの間では当たり前のことになっている。今年19試合が経過したなかで、PWを除くウェッジ3本で優勝したプロは15回(複数優勝を含む)。5番ウッドなどのウッド系を1本抜いて、100ヤード以内のウェッジを増やしたほうが、スコアに有意に作用することの現れだ。アマチュアであればウェッジ3本はマストの本数で、場合によっては、60度を入れた4本でもいいかもしれない。