100ヤード以内の攻略が超カンタン! PWの下に『3本ウェッジ』でショートゲーム名人になろう!
ショートゲームの精度が高ければ、ミスショットが出てもパーがセーブできるし、パー5でバーディを獲れる可能性も高まる。そこでおすすめしたいのが、PWの下に工夫を凝らした3本のウェッジを入れること。距離感を高めながら、アプローチのさまざまな打ち分けができて、ショートゲームが劇的に楽になるぞ。
配信日時:2024年5月23日 01時00分
グリーンを狙うショットの精度が飛躍的に上がる
近年、発売されるアイアンはツアーモデルを含め、以前よりもストロングロフト化が進んでいる。セットのPWのロフトが42〜44度ということも多く、その下に入れるウェッジが従来の52度、58度の2本だと飛距離のギャップが開き過ぎてしまう。ゴルフクラブアドバイザーの能勢謙一郎さんは、PWの下に『3本ウェッジ』を入れることで、飛距離のギャップを埋めつつ、ショートゲームがやさしくなると話す。
「スコアアップするために、100ヤード以内の精度アップは欠かせません。『3本ウェッジ』を使えば細かな距離の打ち分けが可能になり、やさしくピンを狙えるようになります。グリーン周りのアプローチで、コロがしたり、フワッと上げたりとバリエーションも増えますので、ショートゲームのレベルが飛躍的に上がるはずです。おすすめなのは3本全て同じメーカーでそろえること。振り心地や打感などが統一されると、より一層使いやすくなりますよ」(能勢さん)
では、『3本ウェッジ』はどのように選べば良いのだろう。能勢さんは、使用しているPWのロフト角を最初に調べてほしいと話す。
「『3本ウェッジ』を入れる理由の一つは、セットのPWとその下のウェッジの距離のギャップを埋めることです。そのため、最初に使用しているPWのロフトを調べて、そこから4度ピッチでウェッジを選ぶのがおすすめです。例えばPWのロフトが44度なら「48度・52度・56度」と選ぶと良いでしょう。ロフト2度で5ヤード飛距離が変わると言われますので、4度ピッチにすることで、フルショット時の飛距離差が10ヤードになり、飛距離の階段が整います」(能勢さん)
4度ピッチで1本目と2本目を選びつつも、SWに相当する3本目は目的に合わせてソールグラインドを選ぶことも大切と能勢さん。
「3本目に当たる54〜60度のウェッジは、ソールグラインドが豊富にそろっています。バンス角の小さいものを選んで、フェースを開いてロブを打つといった技を使うのも良いですし、ダフリなど、ミスへの強さが欲しい場合はバンス角の大きいものを選ぶと良いでしょう。バンカーに特化したソールを選ぶことで、苦手な状況を克服することもできます」(能勢さん)
ウェッジは、最も摩耗しやすいクラブでもある。本格的なゴルフシーズンに入る前に、スコアアップにつながるウェッジを検討してみてはいかがだろうか。以下に、能勢さんがおすすめする『3本ウェッジ』に最適なモデルを紹介していく。ぜひ、モデル選びの参考にしてほしい。
キャスコ『ドルフィンウェッジ DW-123』
抜けの良さと寛容性の高さにこだわった独自の「クアッドソールX」が最大の特徴。フェースを開かなくても、バンカーから高い球で脱出でき、ザックリやトップ、ホームランと言ったミスを防いでくれる。
「バンカーやミスヒットへの強さに特化したウェッジです。ソールを四面に分けることで、さまざまなミスに対応しながら、抜けの良さも備えています。独特な形状に見えますが、それゆえにあらゆるスイングにマッチしてくれますので、打ち方を選ばず結果が出るモデルだと言えますね。キャビティ構造になっていますので、フルショットでも安定した飛距離が出てくれますので、ショートゲームがすごく楽になりますよ」(能勢さん)
ダンロップ『クリーブランドRTX6 ZIPCORE』
「フェースブラスト」と「レーザーミーリング」を施すことで、あらゆるライから安定したスピン性能を発揮。さらに、ネック部分に軽量なセラミックを内蔵することで、ヘッド全体の慣性モーメントを高める「ZIPCORE」テクノロジーが採用され、安定した飛距離が出る構造となっている。
「ヒール部分を軽くすることで、重心をフェースセンターに寄せて、ヘッドの直進性を高めたウェッジです。ミスヒットで芯を外してもボール初速が落ちにくく、狙った距離を飛ばしやすいことが特徴です。メッキ加工されているのでサビが出にくく、耐久性が高いのも嬉しいポイントです。しかも、独自のフェースミーリングによって、安定してスピンも入ってくれます」(能勢さん)
テーラーメイド『ミルド グラインド4』
あらゆるコンディションから狙い通りのスピン性能を発揮する「ハイドロスピンフェース」を搭載。従来よりも深い溝を入れ、その間にはレーザーエッチング処理により細かな加工を施すことで、フェースとボールの間の水分や芝を逃すことができ、悪条件でもスピンが入りやすくなっている。
「ざらざらした処理のノーメッキフェースが特徴で、どんなライでもボールとの接地面が増えて、安定したスピンがかかってくれます。トゥ上が厚めで重心が高いこともスピン性能の高さにつながっています。あとはツアーモデルらしいシンプルなデザインがカッコいいことも特徴です。低く出てスピンが効く、プロのようなアプローチが打てるウェッジです」(能勢さん)
キャロウェイ『JAWS フォージド』
軟鉄鍛造かつノーメッキのフェースで、フィーリングの良さはピカイチ。溝と溝の間に「マイクロフィーチャー」という小さな凸を付けていて、スピンがかかりやすくなっている。また、バックフェースの4つのウェイトポートを搭載し、番手ごとに最適な位置にタングステンウェイトを配置することで、ミスヒットへの強さも出している。
「コンパクトかつヘッドが軽量な設計で、手の感覚を生かしてボールをコントロールできます。フェースはノーメッキでスピンがかかりやすくなっています。エッジとネック部分のつながりが良く、構えたときに手からクラブが一体化したように感じられて、自在に球筋を打ち分けられます。軟鉄鍛造のアイアンを使う中・上級者に最適なモデルです」(能勢さん)
取材協力/ヴィクトリアゴルフ五反田店 撮影/近澤幸司 構成/田辺直喜