今こそアイアン&パターで“カーボン”を試すとき! USTマミヤの『Recoil DART』と『ALL IN』でゴルフが変わる
ドライバーなどに比べて、アイアンやパターのシャフトは、スチールが多数派で、カーボンへの移行が進んでいないのが現状だ。そんな中で、8月2日(金)に発売されたUSTマミヤの新製品『Recoil DART(リコイルダート)』と『ALL IN(オールイン)』はスチール派も移行しやすい新感覚のカーボンシャフトに仕上がっていて、アイアン&パターのカーボンが気になるゴルファーにぜひとも試してほしいモデルとなっている。
配信日時:2024年8月30日 02時46分
スチールライクなフィーリング性能を備えたカーボンシャフト
USTマミヤは8月2日(金)、アイアン用カーボンシャフト『Recoil DART(リコイルダート)』とパター用カーボンシャフト『ALL IN(オールイン)』の発売をスタートした。
『Recoil DART』は、全米で高い支持を受け、世界で800万本以上出荷されたベストセラーシャフト『Recoil』の後継機種。切り返しのつぶれ戻りをコントロールすることで、スチールライクな振り心地を実現するテクノロジーはそのままに、新開発の「DARTテクノロジー」を搭載。先端部の余計なネジレとつぶれを抑制することで、より精度の高いショットが可能になった。
一方、パター用の『ALL IN』は『グラファイト』、『ストレート』、『レトロフィット』の3タイプを用意。いずれも高弾性カーボンを採用し、シャフトの硬度や振動数を高めることでストロークが安定し、打感などフィーリング性能も向上するように設計されている。また、低トルク設計でオフセンターヒット時の強さが増したこともポイントとなっている。
ドライバーやFWに比べて、アイアンやパターにはスチールシャフトを装着する人が多い。ここで気になるのは、アイアンやパターのシャフトをカーボンに変更することで振り心地がどう変化し、どんなメリットが得られるのか、ということだ。今回はスイングコーチとクラフトマンという2つの顔を持つ関浩太郎に両モデルのテストを依頼。新シャフトの特性やメリットを解説してもらった。
『Recoil DART』はスチールの振り心地でカーボンの結果が得られる
まずはアイアン用の『Recoil DART』を試した関。
「アイアンでカーボンシャフトと聞くと、軟らかいとか、パワーが落ちたら使うものというイメージがあるかもしれませんが、それは大きな間違いです。ゴルファーのパワーやスキルに関係なく、クラブごとのパフォーマンスを最大化してくれるのがカーボンシャフトなのです。具体的にはヘッドスピードを上げやすいこと、ミスヒットに強いこと、インパクトの衝撃が減って体への負担が小さいことなどが挙げられます。これまではスチールに慣れ親しんだゴルファーにとってカーボンの振り心地が一瞬独特に感じられてしまうため、移行が進んでいませんでしたが、『Recoil DART』の登場で、アイアンのカーボン化が一気に加速するかもしれません。なぜなら、スチールライクな振り感を備えながら、カーボンの結果が得られる新感覚のシャフトだからです」
「まず切り返しからダウンにかけては、カーボンらしい強烈なしなり戻りがあり、ヘッドスピードを上げることができます。これはそのままボール初速と打ち出しの高さにつながりますので、キャリーを伸ばすことが可能になります。一方で、インパクトではシャフトのコシというか、先端のしっかりした剛性が感じられて、スチールのようにボールを押し込んでいくことができます。フェースに乗るような球持ちの良さもあり、弾道のコントロールもしやすくなっています」
「先端が補強されているぶん、ラフや傾斜など、悪いライへの対応力も申し分ありませんし、何よりミスヒットに強いことが嬉しいポイントです。下めに当たってもボールが高く上がってくれますし、トゥやヒールに当たってもボールの曲がり幅、飛距離ロスの量がスチールよりも圧倒的に少なくなっています。これはシャフトに適度なトルクがあるので、ミスヒットしてもシャフト自体がネジれて衝撃を吸収し、フェース向きの変化が起きにくいから、ミスの幅が小さくなるのです。まさにスチールとカーボンの良いところを最高の形で合わせたシャフトだと言えますね」
「『Recoil DART』は今、スチールシャフトを使っている方にこそ、ぜひ試していただきたいですね。違和感なくコースで使えて、しかも今までにない距離や弾道でカーボンならではの結果を出すことができるはずです。ラウンドで飛び出すショットの多くはミスショットですから、ギアに必要な要素は“ミスをカバーしてくれる”こと。その意味で『Recoil DART』はアイアンショットを劇的にやさしくしてくれるシャフトであることは間違いありません」
パターでタッチが出て、方向性が安定する『ALL IN』
続いて、パター用の『ALL IN』の試打を始めた関。
「パターではいかに狙いどおりのタッチで、カップまでのラインに乗せ、距離感を出せるかが重要で、その意味でシャフトが大きな意味を持ちます。インパクトした強さの分だけ、打音が大きく、音程が高くなるように調律されたパターが理想ですが、『ALL IN』はどのタイプもしっかりタッチを出せるフィーリング性能を備えながら、カーボン特有のミスヒットへの強さ、方向安定性の高さが備わっていました。インパクトでの余分な振動が抑えられるぶん、打感もソフトに感じられますので、気持ちいいと感じるゴルファーが多いのではないでしょうか」
「今回、『ALL IN』で画期的だと感じたのは、どんなネックタイプのヘッドにも装着できることです。従来のカーボンシャフトはクランクネックなど、ネックの先端に接着できるものにしか装着できず、シャフト自体を曲げるベントネックには使えませんでした。しかし、『ALL IN』のレトロフィットは、ベントネックの曲げた部分の上でシャフトをカットし、そこにジョイントする形で、装着が可能となっています。この発想は正直なかったですよ」
「パターでは毎回芯でボールを捉えることが大切と言われます。その理由は、芯を外すと同じ速さ、強さでストロークしてもボールのコロがる距離が変わりますし、コロがる方向もブレてしまうからです。それだけにツアープロはパターの練習に長い時間を費やし、いかに芯でボールを打つか試行錯誤するわけです。しかし、『ALL IN』を装着すると打点に関する寛容性が一気に高まります。ヘッドに関係なく、芯を外した場合のコロがる距離の変化が小さくなりますし、打点ブレによるフェース向きのズレも小さくなりますので方向性も安定します。特に『レトロフィット』を使った場合が顕著に感じられますね。ベントネックのマレットパターはそもそも寛容性の高いモデルですが、そこにカーボンのメリットが加わったことで今までになかった最強レベルにやさしいパターになります。試しに思い切りトゥ側でボールを打ちましたが、ボールのコロがる距離も、方向もブレが極限まで小さく抑えられていました」
「打点ブレに強くなるとパターではメリットがたくさんあります。例えば、大きく曲がるラインのロングパットではタッチを合わせながら、狙った方向にボールを打ち出す必要があります。『ALL IN』を装着したパターはコロがる距離と方向がブレにくいので、しっかりラインに乗ってくれて、カップに寄せるイメージが強く湧きます。ショートパットでも、カップを外すかどうかという微妙な切れ方をするラインで、しっかりカップの内側にボールを打ち出すことができます。このストロークに対する安心感は他にはないですし、間違いなくスコアアップにつながる大きなメリットです」
「『ALL IN』の『グラファイト』は、全長が高弾性カーボンで作られているぶん、よりヘッドのネジレが少なく、方向性の高さがピカイチです。またインパクトの衝撃がかなり少なくなるので、もっとも打感がソフトに感じられました。オーバーしがちな人が使えば、コロがり過ぎを抑制して、距離感が合いやすくなります。『ストレート』は先端がスチールのぶん、適度にしっかりした打感とカーボンらしいミスヒットへの強さを併せ持った特性になっています。スチールから移行しやすいモデルで、同じ感覚でタッチを出していくことができます」
いずれは全てのクラブのシャフトがカーボンになる!?
『Recoil DART』と『ALL IN』のテストを終えた関は、改めて、アイアンやパターでカーボンを使うメリットの大きさが体感できたと振り返る。
「以前からカーボンシャフトが本気を出したら、スチールシャフトは敵わないと考えていました。設計自由度がまるで違いますし、将来的には全てのクラブのシャフトがカーボンに置き換わる可能性だってあると思います。これまでカーボンは個性的なシャフトが多く、自分にフィットするモデルを見つけることが難しいという側面もありました。しかし、『Recoil DART』と『ALL IN』は、スチールのようなオールマイティさ、幅広いゴルファーにフィットする癖のなさを備えた新感覚のカーボンシャフトになっていました。ぜひ、これをきっかけにカーボンの魅力を体感していただき、ラウンドでのパフォーマンスアップに活用してほしいですね」
癖のない振り心地で、しっかり結果も出る『Recoil DART』と『ALL IN』は初めてのカーボンにうってつけのモデルだ。もう一度言っておこう。アイアン&パターでカーボンシャフトを試すなら“今”だ。
取材協力/ロイヤルスターゴルフクラブ
撮影、構成/田辺直喜