ドライバーと3Wでフレックスを変える理由とは? 上田桃子の賢いセッティング術
シャフトのスペック選びでシン常識を発見。ドライバーと3番ウッドのシャフトは同じ硬さにしがちだが、それだとしなり方が変わって、振り心地がバラバラになってしまう。
配信日時:2024年6月17日 00時45分
ドライバーで振りやすいシャフトがあったとして、それをそのまま3番ウッドに装着しても良い結果は得られません。なぜなら、シャフト軸と重心の長さの違いで、しなり方が変わってしまうからです。
スイング中、ヘッドに遠心力がかかると、重心はヘッドの先端に向かって動こうとします。シャフト軸から重心が遠くにあるほど、動こうとする力が強くなるわけです。最近のドライバーは慣性モーメントを高めるために重心がかなり深いモデルが増えていますので、基本的にシャフトのしなりは大きくなりやすいと考えた方が良いでしょう。一方で、3番ウッドなども慣性モーメントを高める工夫がされていますが、ヘッドサイズが小さいぶん、シャフト軸と重心の長さは、ドライバーに比べてずっと短くなります。つまり、同じモデルで、同じ硬さのシャフトを装着した場合に、しなりが小さくなるのです。
この問題を解消するため、ドライバーでSシャフトを入れて、3番ウッドでSRを入れるなど、フェアウェイウッドに軟らかいシャフトを選ぶプロが増えています。上田桃子プロは、ドライバーに『ツアーAD CQ-5 S』シャフトを入れていますが、3番ウッドにはフレックスが軟らかい『ツアーAD CQ-6 SR』シャフトを採用しています。芝から打つフェアウェイウッドで、こういったセッティングを取り入れる女子プロは増えています。3番ウッドを苦手とするゴルファーが多いですが、シャフトの工夫をするだけで、一気に振りやすくなりますので、ぜひ試してみてください。
解説・松吉宗之
1997年からフォーティーンのクラブ開発に携わり、数々の名器を世に送り出した。2018年から自身のオリジナルブランド「ジューシー」を立ち上げる。ギア開発の裏側を知り尽くすクラブデザイナー。
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