ゴルフ保険、やっぱり入っておくべきか? セルフプレー主流の今こそ再考が必要
ゴルフ保険とは、自分のケガ、他人への賠償、ゴルフ用品の損害、ホールインワン・アルバトロス費用に備える保険のことです。令和のゴルフブームで初心者ゴルファーが急増、セルフプレーが主流となった現在、以前よりトラブルの危険は確実に増えていると思われます。もしもの時のためのゴルフ保険。入っておくべきなのか、いま一度考えてみましょう。
配信日時:2023年6月12日 01時40分
ゴルフ保険は、ゴルファーの加入率が90%を越えると言われています。
ゴルフ保険は、自分のケガ、他人への賠償、ゴルフ用品の損害、ホールインワン・アルバトロス費用に備える保険のことです。色々な会社の保険があり、賠償額に差があったり、ホールインワン費用を外したり、カスタマイズすることが可能です。年間契約もあれば、月間契約もありますし、ゴルフに行く日のみの契約もあります。
練習中にクラブが壊れた、というときにも、保険があれば、無料で修理ができます。(契約の種類などで、自己負担がある場合もあり)怪我をしたときの治療費なども補償してくれるものもあります。ゴルフコースで、ミスショットしたボールが他の人に当たって怪我をさせてしまったときにも補償してくれます。
ホールインワンの保険は外してしまう人もいます。どうせ出ない、ということと、仮に達成してもお祝いをしたりはしない、というのが理由のようです。「ゴルフ保険には、加入すべきですか?」と質問されますが、即答しています。「入るべし!」です。
カスタマイズするのが面倒なら、手軽に加入できる基本パックみたいなゴルフ保険があります。
ゴルフで事故や事件に遭ったりしないし、ホールインワンなんてあり得ないから無駄じゃない? という疑問もわかります。問題なく、保険料が無駄になるのが最も良いことですが、体感的な感覚として、保険に未加入の人の方が、保険が使える範囲のトラブルに遭うことが多いように感じるのです。(あくまでも主観ですが…)
ドライバーで打ったボールがとんでもない方向に飛び、隣のホールのグリーンの近くにいたプレーヤーに当たってしまった事故がありました。更に不幸だったのは、ボールが目に当たったことです。被害者は、激痛でのたうち回り、救急車が呼ばれすぐに搬送されたそうですが、片目は明るい暗いがわかる程度までにしか回復せず、仕事ができなくなり、日常生活でも不自由していることから億単位の補償を求めて、コースと加害者を相手に訴訟を準備しているそうです。こういう恐ろしい話は、日本中のあちらこちらであるのです。
ボールが大きく曲がったのに、「フォー!」の掛け声をかけなかったという理由で、裁判で賠償責任があると判断された判例があるのに、「フォー」を忘れている人がたくさんいます。プレーしているのに、隣のコースから目の前に無言で飛び出してくる人もいます。ボールが当たれば、当てたほうが悪くなってしまうのです。
ゴルフは、自覚と知識で自分を守れないと本当に怖いゲーム。
保険とは無縁の楽しいゴルフをするためには、いわゆる安全のための常識が必要なのですが、けっこうなオールドゴルファーも、キャディがいないと初心者並みの危険人物になりがちなのです。
何年か前に、クラブがラウンド中に折れて保険を利用しました。10年以上払っている保険料を合計すれば、補償してもらった修理代を差し引いても完全に赤字です。でも、ゴルフ保険の加入について、一片の後悔はしていません。
不運や不幸の多くはお金で解決できますから、保険の力が活かされるのです。幸せなことも、お裾分けしようとすると出費がかさむので、保険が助けてくれます。
平成の中頃までは、ゴルファー保険ではなく、同じ保険のことを通称で“ホールインワン保険”と呼んでいました。コースで起きる事故や、用具の破損などの不幸に関しては、ゴルフコースがかけている保険でカバーできたので、個人の保険を使うということにピンと来ない人が多かったのです。そして、現在よりも何倍も、ホールインワンをしたら盛大にお祝いをするという慣習が残っていて、保険を使うというとホールインワンというイメージでした。
今でもホールインワンをすると、同調圧力によってお祝いをしなければならなくなって(本人はお祝いなんてしたくないと思っていても)、想像以上の出費があってビックリしたという話もよく耳にします。
ホールインワン保険に入れば安心だと思ったのに、ホールインワンが出ても保険が適用にならなかったから、ゴルファー保険は壮大な詐欺だと憤っている人が最近増えているそうです。
その話は、近々、ゴルフ保険の続きとして書きます。
遊びだからこそ、ゴルフ保険を上手く使うべきです。保険で安心できた方がゴルフは何倍も楽しめるはずだからです。事故や事件に遭わないためのお守りを購入する感覚で、保険に加入するのが正解です。
(取材/文・篠原嗣典)