5年ぶりに日本ツアー出場のアン・ソンジュ 15キロ減量で容姿激変「これまで何をしていたの?」
アン・ソンジュ(韓国)が5年ぶりに日本ツアーに帰ってきた。双子の子どもを出産したというが、これまで何をしてきたの?
配信日時:2024年8月2日 02時49分
日本女子ツアー通算28勝、2010年を手始めに、11、14、18年と賞金女王を4度戴冠。アン・ソンジュ(韓国)が「北海道meijiカップ」(8月2~4日)に出場している。19年の日本最終戦以来、4年9か月ぶりの日本ツアー復帰となった。
アンが全盛期の頃、そのあまりの強さを目の当たりにして日本人選手の対抗馬の登場を望んでいたゴルフファンも少なくなかったはず。だが、アンは突如として日本を去った。理由は21年4月に男児と女児の双子の出産のために帰国していたからだ。
その後、日本ツアーでは産休制度が適用されたが、一方で韓国ツアーの永久シード(申ジエ、イ・ボミなど8人)も持っていることもあり、21年11月の韓国女子プロゴルフ(KLPGA)ツアー「S-OIL チャンピオンシップ」で“ママさんゴルファー”としてツアー復帰。
このとき、「出産後に練習を始めてから1か月くらいが経ちましたが、デビューしたときよりも緊張していました。ゴルフが上手くいかないときに子どもを授かり、そのおかげでゴルフから離れて家族と幸せな時間を過ごすことができました。そうしているうちにまたゴルフがしたくなったんです。ゴルフの大切さを改めて感じました」と振り返っている。
この時点では「日本ツアーの産休制度を利用して22年から日本ツアー復帰の準備を進めていた」ともいう。近年は日本ツアー会場で託児所の設置など子育て支援も始まったが、双子を連れての日本ツアー転戦は容易ではない。異国の地での子育てや教育の問題など悩みは多かった。
アンは22年も韓国ツアー参戦を選択。徐々に実戦感覚を取り戻すと、8月の「ハイワンリゾート女子オープン」3日目に2位に3打差の単独トップに。最終日は失速して結果は8位タイに終わったが、韓国ツアー復帰後、初のトップ10入りと優勝争いにも加わったことで、大きな自信を取り戻した。
3日目終了後の会見で日本ツアー復帰について問われたアンは、こんな悩みを打ち明けていた。「実際は日本ツアーに復帰すべきかどうか、今もすごく悩んでいます。子どもたちがいますから……。今も4~5日離れているだけでも子どもたちの顔を見たくなるんです。なのでずっと悩んでいるというのが正直なところです。日本に行くのが本当に正しいことなのか。子どもたちを韓国に置いていくのが正しいことなのか……。今は夫とたくさん話し合っているところです」
慣れた環境やコースの日本でプレーしたいが、子どもを思う気持ちも強い。日本ツアーに思いを馳せながらも、最終的には家族といつも近くにいられる韓国を選択した。
ちなみに、KLPGAツアーの中では最年長で8月31日には37歳になる。子育てしながらプレーするのもただひとり。成績は年々良くなっており、22年は26試合に出場して賞金ランキング49位のシード圏内でシーズンを終えると、23年は28試合出場で2位2回含むトップ10入り5回で賞金ランキング36位。今季は15試合でトップ10入り3回と全盛期の強さを取り戻しつつある。
実は体重を15キロ減量し、ドライバーの平均飛距離は約222ヤードと落ちているが、フェアウェイキープ率は79.4340%の5位、平均パットも6位だ。その容姿はツアー仲間もぱっと見には分からないほど、激変している。本人は「ドライバーの飛距離は落ちたけど、歩くのが楽になったことがすごくいい。ゴルフ人生がもっと長くできるようになります」と明るく話す。
現在は日本ツアーの産休制度期間と複数年シード権も終了しており、「北海道meijiカップ」に続き、11年に優勝している「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」(8月9~11日)も主催者推薦で出場する予定。
韓国ツアーに復帰したばかりの頃、「これまで私を支えてくれた日本のスポンサーに感謝する意味でも日本で選手生活を終える計画だった」とも語っているだけに、今後の去就が気になるところだが、年齢的にもそろそろ引退を意識し始めているとも聞く。とはいえ、日本ツアーの永久シード獲得まであと2勝。久しぶりの日本で多くのファンやギャラリーの声援に感謝の気持ちを込めつつ、伸び伸びとプレーしているに違いない。
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