おやじゴルフニュース「ゴルフの様々な利用を考える」
ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・とがしやすたかのイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。
配信日時:2023年12月19日 02時00分
ゴルフはラウンドしてなんぼの世界ですが、最近はプラスアルファでゴルフがいろんな使われ方をされています。今回は、その可能性を探ってみます。
1)ゴルフ場での結婚式
ゴルフ場で行う結婚式に一度出席したことがあります。新郎がゴルフ関係者の方で、名門コースを貸し切りで行いました。都心近郊のコースに集まり、朝から18ホールラウンドして、夕方から披露宴が始まり、コンペの表彰式の代わりが披露宴って感じですか。御祝儀はいりませんとのことだったので、そのお金でラウンドしたようなものです。
式は滞りなく進み、面白かったですが、みんな丸一日仕事でちょっと疲れました。こっちはゲストだからいいけど、主催者側は大変だったと思います。例えば天気のこととかね。晴れて良かったと思ったのが正直なところ。これが雨だったらゴルフそのものも、芝の上での新郎新婦撮影もなかったと思います。そういう意味では多大なリスクを背負い、ゴルフ場で結婚式をやった勇気を讃えたいです。
あと余計なことですが、ゴルフが出来ない人の招待はどうなるんだろうと思いました。確かホスト側で親戚などの多くは、ゴルフをしてなかったような気もします。いろんな意味でご苦労さんでした。
2)ダブルデート
独身時代やりましたね。ドライブで日光に行ったりのダブルデートはしていましたが、ゴルフも試しにとやってみました。ゴルフは相手の本当の性格が分かって面白いと思います。性格が強気だとか、がさつだとか、大胆だとか、そういう部分が如実に分かります。でも一緒にゴルフをやって相手の本性が分ったから、別れるのは勘弁して欲しいかな。
友達の知り合いで、ボーリングのダブルデートをした人がいて、その男性のフォームがへんてこだったらしく、その後、男性はフラれたそうです。ゴルフのダブルデートも、まずはへんてこスイングを直してからにしますか。
あと女性に教え過ぎて喧嘩になったり、逆に放置プレーでむくれられたり、様々な事件が起こります。長くお付き合いする予定の女性なら、やってみたほうがよろしいでしょう。
3)レッスン付きラウンド
従来のレッスン付きラウンドは、どこぞのゴルフ練習場に通って、そのレッスンプロが主催するレッスンラウンド会に出席することで、ラウンド代は3万円以上と高額でした。参加者は主婦層が多く、自分には関係ないものだと思っていました。ところが今はゴルフサイトや大手のゴルフチェーン店でやっており、いきなりツアープロやレッスンプロと同伴プレーが出来るからびっくりです。しかも2万円台からあるのでコスパは高いです。
過去に仕事も兼ねて何度かプロと回ってレッスンして頂きましたが、得るものは充分ありました。何がいいかというと練習場では気づかないスタンス位置とか、現場での力の入れ方、クラブの選択とか、役に立つことを教えてくれます。
もちろん教えてくれる先生との相性もありますから、全部がうまく行くとは限りません。でも長いアマチュアゴルフ人生で、レッスンプロやプロ選手からのアドバイスで役に立ったことは沢山あります。レッスンは同じレベルの友達がいうと「何を偉そうに」と反発してしまいがちですが、プロから言われると「もっともだ」と素直に受け入れてしまうから不思議です。
急がば回れじゃないですが、急がばレッスンラウンドです。一度お試しあれ。
4)ゴルフ旅行
旅行を兼ねてゴルフをしたら一石二鳥。観光して美味いもの食べて、さらにゴルフを出来るって思いますよね。
これがアマチュアゴルファーの悲しい性とでもいいましょうか、昼間に観光する時間があるのなら、もう1ラウンドするってことになります。だから沖縄と北海道に何十回も行ってるのに全く観光しない。詳しくなるのは夜の盛り場だけという有り様です。
二兎を追うものは一兎も得ずか。ゴルフをしない観光旅行を別にやったほうがいいですね。ゴルフ旅行なら今はひとり予約サービスが充実しているので、キャディバッグを背負ってか、車に積んでか分りませんが、ひとりで日本じゅうのコースを回ることが可能です。
ひとり予約で日本中をラウンドしている人のSNSをフォローしてますが、ヒロシの「ぼっちキャンプ」や、馬場ちゃんの「車中泊の旅」みたいで楽しそうです。誰かBSの番組で「ひとり予約ゴルフの旅」をやってくんないかな~それ絶対見ます。
5)ミニコンペ
コロナで俄然注目されたのがミニコンペです。でっかいコンペをやると時間もかかるし、濃厚接触の範囲も広がるし、何かと不都合が多かったです。じゃ2~3組を集めてコンペをやり、後は個人でそれぞれ二次会をやってください。あくまで自己責任でとなれば、主催者側には落ち度はありませんよね。このシステムがいいのは、2次会は強制力がないので、気の合った連中が2~3人で飲み行けること。でかいコンペやってもどうせ挨拶だけでしょう。だったら仲の良い2~3人とじっくり飲んだほうが、濃厚なコミュケーションが取れるというもの。
もちろんその日の気分で、そのまま帰れるし、使い方自由が今の時代に合っている気がしました。
6)ゴルコン
約25年前一度、ゴルフをしながら合コンするというゴルコン企画に参加しましたが、う~ん、ちょっと微妙でしたね。
基本男性2人、女性2人でラウンドするわけで、お互い他の異性を選ぶチャンスが少ないのです。ラウンド後のパーティで別に知り合う可能性もありますが、可愛いコは絶対最初にラウンドした人がガードをしてますから、ノーチャンスです。答えからいうと丸一日潰してゴルフをして、出会う人は抽選で選んだ2人です。悲喜こもごもが起きやすいです。
じゃ今はどうなのか? 女性主体の結婚や出会いのサイトが、シミュレーションゴルフ場で、ゴルコンもどきのパーティをかなりの頻度でやっています。通称「インドアゴルコン」というやつです。
これは女性主体なので、女性参加者がまず多数いて、そこから男性を集めます。だから男性ばっかりで、女性が少ないということはないです。10年前ぐらい一度体験参加したことがあるのですが、結構な人気で盛り上がっていました。
一応チームごとに別れてシミュレーションラウンドするのですが、後半はぐずぐずになって、気に入ったコを囲い込んで、ラウンドしない人が続出。ゴルフはあくまで出会いのきっかけなので、それでよろしいと思います。
お客さんはマジ交際派がほとんどで、マイクラブ持参者もいたり、ゴルフウェアでばっちり決めてる人もいて、凄く頑張っている感がしました。進行側もメアド交換タイム~とか叫んで、なるべくくっつけようと必死でした。女子ゴルファー増加なので、インドアゴルコンは、今後も増えるんじゃないですかね。
というわけでゴルフはコミュニケーションツールとしてなかなか優れていると思います。今後もっといろんな使われ方をするのではないでしょうか。
■プロフィール■
木村和久
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
とがしやすたか
1959年生まれ。東京都出身。「青春くん」などで知られる4コマ漫画家。ゴルフ好きが高じて雑誌でラウンドレポートなども展開。
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