飛ばし屋・川崎志穂が直面した辛い3年間「これまでどん底だったけど、選手としての人生をまずは頑張りたい」
平均飛距離250ヤード越えの川崎志穂に、ここ数年の想いと今季の意気込みを聞いた。
配信日時:2023年1月27日 07時00分
「もう無理だろうな」と、何度も思っていたと振り返る。だが、野球選手のイップスを治すコーチにも協力してもらい、「着々とイップスから抜け出せるようになってきた」と話す。
23年のトーナメント出場は、限られた試合数になる。その中で優勝を目指すのはもちろんだが、川崎らしいゴルフをまた見せられるようになることが望ましい。
23年のツアー出場権をかけたQTは1次で落ちてしまったが、川崎自身は「今後の自分のゴルフにいい意味でつながった」と話し、「結果としては落ちてしまい、選手としてはよくないことですが久しぶりに恐怖感なく試合に挑めていたので、自分のゴルフ人生的にはいい方に向かっているのだと思います」と心の内を明かした。
イップスから恐怖と不安につぶされそうになっていたところから、しっかり前を向けるところまで歩みを進めたのだ。
「23年シーズンは出られる試合にはすべて出場したい。頑張りたいです。昨年、11年ぶりに優勝を果たした金田久美子さんや藤田さいきさんたち先輩の活躍にも勇気をもらいました。怖がって試合に出たくないとか言ってられないなって…、背中をおされました」。
イップス期間を通して心の変化もあったという。「いつか、自分が経験してきたことを伝えられるようになりたいです。私みたいに辛い経験をしないように、教えられるようになりたいなと思うようにもなりました」と辛い道を経験したからこそ見えたものもあり、いつかはプロを目指すジュニアたちの力になりたいとも話した。
いつも笑顔で元気な川崎だが、最後は「選手としての人生をまずは頑張りたい」と強いまなざしで言い切った。ゆったりとしたスイングから放たれる驚きの飛距離で、きっとまたギャラリーを「おおっ」と言わせるに違いない。(文・高木彩音)