おやじゴルフニュース「冬ゴルフの対策法をあれこれ考えてみた」
ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・とがしやすたかのイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。
配信日時:2024年1月16日 02時00分
冬のゴルフシーズン到来です。ふかふかしていた緑の芝は、自分の髪の毛のように枯れ野となり、厚着をしているので体は回らずボールは飛ばなくなりました。アプローチも決まらず、耳は寒く、手はかじかむって。じゃ、やらなきゃいいんじゃん。
いえいえアマチュアゴルファーに、オフシーズンはありません。オヤジになって、いったんゴルフを3カ月ぐらいやめてみなさい。そのままズルズルやらなくなり、春先に再デビューしなくなる可能性が高いです。そしたらゴルフ引退じゃないですか。だから、冬でも休まずゴルフをやったほうがいいのです。
それでは冬ゴルフの特徴と対策方法を考えてみましょう。
1)ボールが飛ばない
これは実感しています。自分のメンバーコースだと、毎回同じ距離を打ちます。通常2回でグリーンに乗るのに、冬は2回ナイスショットしても乗らなかった。そういうことがよく起きます。
寒いとボールの反発係数が減るのだとかも耳にします。理屈はどうでもいいんです。ボールが飛ばない現実を受け止め、どう対処するかが大事です。
実際に冬場の飛距離の減少はどれぐらいか? 一般的にドライバーで夏場200ヤード飛ぶなら、冬場は3~4ヤード飛距離減になると言われています。飛ばないから振ろうとして、さらにミスをすることが多いです。
冬場は飛ばないことを認め、クラブを1番手大きめにして打つのがよろしいと思います。
2)ボールが上がらない
枯れた芝は春まで成長することはありません。だからディボット跡やベアグランド、薄い芝が増え、ボールが上がりづらくなります。アプローチウェッジは冬用のウェッジに替えることをお勧めします。
どう替えるかは個人差があるので、あくまで自分の例を紹介します。夏場はラフ対策でバンスの大きいウェッジを使っていました。バンスの重みを利用してヘビーラフを振り抜く作戦でした。ところが冬場はラフが短いし、しかも芝が寝ているので、さほど絡んできません。
薄い芝やベアグランドでそのバンスの大きいウェッジを打つと、跳ね返ってしまい打ちづらいです。だから冬場はソール部分が滑りやすい、バンスの小さいウェッジに替えてアプローチをします。
それで打っても、なかなかボールが上がらないときがあります。そういうときは上げるのを諦め、ボールを転がします。
とはいえ薄い芝やベアグランドは、どのウェッジで打ってもなかなか難しい。その場合は9番アイアンでパターのようにスライドさせて打つと、わりと簡単にボールが転がります。
と書いてる矢先に、先日9番スライド打ちをやったら、あさっての方向にボールが飛んで大慌て。簡単なショットほど練習が大事と痛感しました。打ち放題の練習場ならともかく、1球幾らの練習場で、パター打ちの練習をしつこく出来ませんよね。こいつ何無駄なことをやってるんだ? ショットの打ち方を知ってるのか? って言われそうですから。
理想はラウンド前にコースのアプローチ練習場を使うことです。そこで、転がしを繰り返す練習することが大事です。
3)防寒対策あれこれ
冬のゴルフ場の朝はかなり寒いです。だからなるべく遅いスタート時間を取るのがいいと思います。冬場の8時と10時じゃ、だいぶ気温は違ってきます。
あとグリーンが凍っていたり、固かったりするので、グリーンが軟らかくなるのを待つ意味で遅いスタートは効果的です。
昔、カチンコチンのグリーンに乗せて、ナイスオンと思ったらツツ~とボールが転がって、グリーンをオーバーさせたことがありました。ちゃんと打てたのに報われないのはほんと辛いです。
4)冬場のドリンク問題
ラウンド中に飲むドリンクは好みがありますが、自分としては元来お腹が弱いので、冷たいものはパスです。温かいものを飲むように心がけています。けどミニペットボトルのドリンクは幾ら温かくても、2ホールもプレーすれば醒めて冷たくなってしまいます。
だから最近、携帯保温ポットにコーヒーを入れて持参してますね。周りの人々を見ても、マイポット持参者が結構多いことに気づき、驚いています。
ゴルフ場の自動販売機の飲み物は、微妙に高いですからね。皆さん、自衛しているのでしょう。そこで冬場の更なる飲み物保温法としては、持参のホットドリンクをハーフで飲み干し、午後からは保温ポットを洗って、自販機でホットドリンクを買い、それを保温ポットに詰め替えるのです。
さすればハーフぐらいは、温かいままで飲めるというわけです。せこいけど便利かな。
5)両手グローブというプラン
昨年から軽いリュウマチになり、特に右が動かしづらくなって、右手にもグローブをしてラウンドすることが多くなりました。今のところリウマチはさほど進行せず、気になる程度ですが、右手に力が入りづらいので、今でも両手グローブゴルフをやっています。
これが冬場、案外楽なのです。カイロを握りしめて、ポケットに手を突っ込んで歩いていると、枯れ芝は滑りやすいので思わぬアクシデントが起きます。ラウンド中、クラブや砂袋、距離計など持って歩くものが多いでしょ。右手のグローブ装着は、両手が自由に使えてこの上なく便利です。
最近は厚手の保温効果抜群のグローブも出回っています。先日、イラストをお願いしている、とがし君から厚手のグローブを頂き、凄く重宝しています。ありがとうございました。どうしても指が冷たくなる人には、それがいいかも知れませんね。
6)顔が寒いときはマスクと耳当て
コロナウィルスが猛威をふるっていたときに、お世話になったマスク、これを装着しながらゴルフをすると、顔面の保温効果がすこぶる高くなります。
ショットを打つときは邪魔になるのでアゴにマスクをかけますが、移動時にマスクをすれば顔が温かいというわけです。そして冬場一番困るのが耳が冷たくなることです。もちろんニット帽を被ったりして寒さをしのぎますが、耳を何かで覆うと、三半規管が誤作動をして、平衡感覚を保ちづらくなることがあります。
これがショットに微妙に影響するんですよ。まあここらへんは、叩いたときのいい訳に使いますか、そういうことかな? というわけで頑張って冬のゴルフを乗り切りましょう。
■プロフィール■
木村和久
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
とがしやすたか
1959年生まれ。東京都出身。「青春くん」などで知られる4コマ漫画家。ゴルフ好きが高じて雑誌でラウンドレポートなども展開。
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