ゴルフの度に、違う種類のボールを使っていると上手くならないって本当ですか?
プロゴルファーやトップアマは同じボールを、ラウンド中はもちろんシーズンを通して使い続けています。このことから言えるのは、上手くなりたければ、『同じボールを使い続けること』を絶対にお薦めします。ラウンドの度に違うボールを使っていては、上手くなりません。
配信日時:2023年7月16日 01時16分
米国PGAツアーは世界最高峰の戦いの場です。各トーナメントの練習場には、プロが使用している各メーカーのボールが用意されています。タイトリスト、キャロウェイ、テーラーメイド、ダンロップ、ブリヂストンなどです。
選手は、試合に使っているのと同じボールをピックアップして、ドライビングレンジやアプローチ、バンカーで練習します。それだけ練習でも試合と同じボールを使うことの重要さを認識しているからです。
ドライバーショットやアイアンで、打感や弾道はボールによって違い、同じボールを使い続けていないと自分の本当の調子も分かりません。また、ボールの打感とスピン性能は、アプローチやパターの距離感に大きく影響するため、微妙なコントロールショットを成功させるには同じボールであることが必要です。毎回違う種類のボールを使っていては、同じ力加減で打っても、飛距離、転がりなどが違うため、自分の中で距離の尺度というものが確立されないからです。
結論から先に言うと、“上手くなりたいのであれば”『同じボールを使い続けること』を絶対にお薦めします。ゴルフの度に、違う種類のボールを使うのはやめるべきです。
タイガー・ウッズのボールのこだわりは、ブリヂストンによると「グリーン周りの性能と打感で、本人は『deep』と表現しているやわらかな打感や感触があること、ボールが食いついて低く出せる」とのことで、この性能があるボールしか使用しないとのことです。
ゴルフを上手くなるということは、スコアをまとめられることです。アプローチ、パターのコントロールショットが特に重要になってきます。同じフィーリングでプレーすることによって、距離感が養われてきます。そのためにも、いつも同じメーカーの同じブランドのボールを使うことが特に重要なのです。
ボールにはディスタンス系、コントロール(スピン)系などがありますが、まずは同じメーカーの同じ商品を使ってみてください。それぞれのボールによって、例えばアプローチでのスピン量が違います。
ディスタンス系はアプローチでのスピン量はコントロール系に比べて少なく、グリーン上での転がりが多くなります。たとえスピンで止められなかったとしても、ディスタンス系の同じボールを使い続けていれば、「これくらい打てばこれくらい転がる」という感覚がわかってくるので、ピンまでの距離感がつかめます。ディスタンス系、コントロール系の区別なく使ってしまうと、転がるときとあまり転がらず止まってしまうことがあり、距離感が出ない(つかめない)ことになります。
また、同じコントロール系でもメーカーによって打感・打音が違うので、例えばパターの距離感が微妙にズレてきます。「自分は下手だからボールなんて何を使っても同じ」という話をする人がいますが、どんなボールでもいいので、まずは使用球を固定しましょう。それによって距離に対する“自分なりの基準”ができてきます。1打でもスコアを縮めて上手くなりたい人は、同じボールを使い続けてください。
(取材/文・嶋崎平人)