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    練習場の距離表示は間違っている? 飛ばないボールに合わせて短め表示が主流なのか?

    レーザー測定器を持っているゴルファーが増えました。ついつい、色々な距離を測りたくなってしまうのが人情。練習場の距離表示もそのひとつです。

    配信日時:2023年5月23日 10時04分

    • ゴルフライフ
    練習場の距離表示は、飛ばないボールに合わせて短めに設定されていることが多い
    練習場の距離表示は、飛ばないボールに合わせて短めに設定されていることが多い
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    練習場の距離表示、何気なく計測してみると多くの場合ビックリするのです。100ヤードの表示板までの距離が、90ヤードだったり、80ヤードだったりすることが、当たり前のようにあるからです。距離表示は、特別な例を除いて短めだと思っておいたほうがいいでしょう。

    なぜこのようなことになるのかというと、理由は主に2つあります。
    シビアな表示にすると、ゴルファーの受けが良くない傾向があるからです。ゴルファーは夢見る習性がありますから、本当の自分の飛距離を認められないことがよくあるのです。表示が甘ければ、自分の調子が良いと感じてご機嫌になります。同エリアに複数の練習場があれば、いつも調子が良くなる、と感じるほうに足が向いてしまうのも人情です。

    もうひとつの大きな理由は、練習場のボールにもいくつか種類があり、1割飛ばない、2割飛ばないとか、選択できるようになっているのです。飛ばないボールの利点は、ネットの寿命が延びること。たった、1割程度飛距離を落とすことで、ネットの穴空き修理は半分近く減るのです。経営判断として、このメリットは捨てられません。このような場合、距離表示の看板も、飛ばないボールに合わせて短くするのが普通です。

    あるデータでは、コースボールを打った場合、7番アイアンのフルショットで144ヤード飛ぶと仮定すると、練習場ボールの種類によって、マイナス2ヤードから最大20ヤードの飛距離ダウンが想定されるそう。あくまでも例えば、という注釈つきですが、もし練習場の距離表示が160ヤードだったら、実測は145ヤード程度ということがあるようです。

    この傾向は、最も飛距離が出るドライバーショットではより顕著で、ボールが柔らかい構造のため、インパクトで大きく潰れて球が上がらず飛ばなくなります。ということはつまり、元々飛ばない練習場ボールで、「コースのように飛ばない」と勘違いして一生懸命に力んで飛ばそうするのは、スイングを崩す原因にもなるため注意が必要です。

    練習場のボールを『団子ボール』と呼ぶことがありました。昭和のゴルファーならご存知かと思いますが、これは1ピース構造で、同一素材で中から外までできているからです。団子ボールの性能も昔に比べ、どんどん向上していますし、昔のような団子ボールとは違う練習場ボールもあるので、以前ほど劇的な飛距離差はなくなりつつありますが、それでも限界はあります。

    コースボールと挙動が違うため、トッププロは団子ボールであまり練習しませんでした。インパクトで身体にかかる負荷がコースボールとは違うので、感覚が微妙にズレてしまう可能性があったのです。

    また、練習場ボールとコースボールでは、アプローチのときの打ち出しの高さがまったく違う(アイオノマーカバーなどのディスタンス系ではより高く、ウレタンカバーのスピン系は低くなるが、ワンピースの練習場ボールはさらに低くなる傾向)ので、注意が必要です。ただし、短い距離ではコースボールとの飛距離差がほぼないので、距離感を養うなど、アプローチの練習には効果的です。

    練習はしているのにスコアアップできない、停滞期から抜け出せないという人は、コースボールと練習場ボールの違いをいま一度再確認しておくだけでも効果があります。最近は、コースボールを使用する室内練習場が多くなってきたので、練習の選択肢に入れてもいいでしょう。

    練習場ボールとコースボールの違いが気になるぐらいにレベルアップしようと意識するだけで、ちょっと上手くなった気がするのも、ゴルフの内なのです。

    (取材/文・篠原嗣典)

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