ホールインワンでなぜか犯罪者のような扱い? ゴルフ保険、令和の新常識を探る!
ゴルフ保険は不慮の事故など、もしもの時の備えですが、ホールインワンを出した場合にも適用されます。しかし、近年では世の中を取り巻く状況の変化によって、そう簡単に保険が下りない場合も多いようです。
配信日時:2023年7月6日 03時02分
先日、同伴者がパー3でホールインワンを出しました。その瞬間、「ゴルフ保険に入っている?」と思わず聞いてしまいました。「入っていないよ」という返事にホッとしたのです。昨年も、同伴者がホールインワンをしたのですが、その時の嫌な記憶が蘇ったからです。
ゴルフ保険契約をよく見ると、会社や契約内容によって、ホールインワンが認められるケースはかなり違います。キャディ付きのラウンドのみ。セルフの場合は、一部始終を目撃していたコース関係者か、前の組の面識のない2名以上の証明が必要。3人以上の組み合わせのみ。18ホールでパー70以上のコース。1カットで撮影できている動画がある…、などなど。
わかっている条件だけでも、『保険が使えないホールインワン』が多いことにビックリです。
昨年のホールインワンのとき、当事者は保険の申請をしました。条件をクリアしていたからです。
ところが、証明書にサインをした同伴者まで、まるで詐欺をした犯罪者のような扱いでしたし、証明書を出してくれたゴルフコースでも、調査員が営業時間内にコースの現地踏査をしたそうです。
有名な大手保険会社のパッケージのゴルフ保険でしたが、ホールインワンを出した当事者は、詐欺扱いされたことに怒っていて、次の更新で保険会社を変えたそうです。
ホールインワンをしたら、まずその場で大騒ぎをしても許されますので、大騒ぎをして証明してくれる人を増やすのが正解なのかもしれません。画像などをたくさん撮っておきましょう。保険がダメでも記念になります。
次に、その場でコースへ報告の電話を入れます。記念品をプレゼントしてくれたする粋なゴルフコースは、結構あるからです。そして、そのボールは記念に普段とは違う場所に入れてしまうのがおすすめです。
保険を使う場合は、保険会社のマニュアル通りに代理店などに連絡します。聞き取りなどがあって、保険の対象になるかがその場でわかるはずです。対象になる場合は、必要なものを揃えて申請します。
昔は、お祝いの対象は記念品代、パーティー代などに限られていましたが、最近では、記念に自分へのご褒美にゴルフクラブを購入する費用などが認められるケースもあります。
ひと昔前まで、ゴルフ保険はホールインワンをしたときに補償してくれることがセールスポイントだったので、ホールインワン保険と呼ばれていました。ホールインワンをした保険未加入だった友人は、なんだかんだで記念品を配る必要に迫られ、結局数十万円の出費になっていると嘆いていました。
しかし、今後もゴルフ保険に加入はしないそうです。もし、入っていたとしても、今回のホールインワンは条件をクリアできずに補償対象にならなかったからだそうです。
保険に加入していますが、ホールインワンをしても申請しないかもしれません。犯罪者みたいな扱いを受けるのに懲りたからです。でも、達成すれば、前言撤回して申請するのが人間というもの。
ホールインワンの虚偽申請をした保険金詐欺が、全国で次々に起きた結果、それを防ぐために証明のチェックが厳しくなり、少しでも怪しい要素があれば、条件を満たさないと却下しているそう。世知辛い世の中です。何ともやりきれない、と考えている内は、ホールインワンは出ないのかもしれません。
(取材/文・篠原嗣典)