プレジテンツカップやライダーカップで、タイガー・ウッズ(米国)と何度も共闘しているスティーブ・ストリッカー(米国)。彼が今かなえたい夢とは?
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2023年、米シニアツアーで年間6勝を挙げたスティーブ・ストリッカー。昨年9月には、『スタンフォードインターナショナル』でリチャード・グリーンとのプレーオフを制し“大会3連覇”を達成。シニア通算18勝目を飾ると「この勝利は本当に特別。今年の1月に父を亡くして、それからずっと勝てずに来た。まさか“3連覇”で勝てるとは思っていなかった」と感無量だった。
ウィスコンシン州出身、1990年に大学を卒業後にプロ転向。93年に結婚したニッキー夫人の父と弟もプロゴルファー。ニッキー夫人がストリッカーのキャディを務めることもあり、まさにゴルフ一家だ。
米国男子ツアー通算12勝、“パットの名手”と呼ばれヒールを少し上げて打つスタイルで知られている。実は、タイガー・ウッズとは公私共々親しい間柄。折りにつけタイガーからパッティングのアドバイスを求められていた。2013年の「WGC-キャデラック選手権」の開幕前日にもタイガーが「ストロークを見てほしい」と頼み込んだという。結果、タイガーは4日間でわずか100パットとグリーンで強さを見せて優勝。ストリッカーは2位だったが「僕の助言なしでも勝ったかもしれない。ただ好感触を取り戻したのは良いことだ」と自分のことのように喜んだ。
09年に世界ランキング2位に就いたが、04年にはシード落ちも経験。06年に推薦出場した試合で7度のトップ10入りを果たしシード復活すると「カムバック・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。07年にはプレーオフシリーズ初戦の「ザ・バークレイズ」で優勝を挙げ、2年連続で同賞を獲得している。
そんな不屈の精神を持つストリッカーだからこそタイガーとの信頼関係があるのだろう。昨年3月、「タイガーを誘って、ニューオーリンズのチーム戦に出たいんだ」と話し、注目を集めた。21年の交通事故から右脚の負傷を抱えるタイガーのスケジュールは限定的で、「実現は難しいかもしれないけど、これまで2人で素晴らしい時間を過ごしてきたから、一緒に戦うと考えるだけでわくわくする」と語る。いつの日か、彼の夢がかなうかもしれない。(文・武川玲子=米国在住)
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