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    苦手意識がすでにミスを呼んでいる「悪いライから打つのをやめてみよう」【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】

    打つ前にネガティブになった時点でミスは確定するという。ディボット跡のボールを打つときが典型だ。そこで「競技でなければボールをいい場所に置くことです」と、順天堂大学医学部の小林弘幸教授。自信を持って打つことで、スイングにも好循環が生まれる。

    配信日時:2023年5月18日 05時00分

    • ゴルフライフ
    イラスト・のり
    イラスト・のり
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    フェアウェイに打ったボールがもしディボット跡に入ってしまったら、ゴルファーはその状態を見た瞬間ガッカリすると思います。「あと10センチ右か左にずれていたらなあ」と、恨めしく思うこともあるでしょう。

    こういうときのショットは、ほとんど失敗します。その理由は、ディボット跡からしっかり打つ技術を持ち合わせていないからではなく、ライが悪くてうまく打つ自信をなくしてしまうからです。
     
    ■試合じゃないのなら自信を持てる場所に置き直す
     
    「ああ、嫌なライだな。これは難しい」と、思った時点でミスが出るといっていいでしょう。そこで皆さんに実行していただきたいのは、嫌なライ、苦手なライから無理して打たないこと。自信を持って打てる場所にボールを置いて打ってほしいということです。
     
    アマチュアのゴルフは楽しむものですから、大会やコンペ等の試合でなければ10~15センチ程度ボールを動かしてもいい。むしろいいライに置き直したほうがためになる、と私は考えています。
     
    例えばバンカーでも、前の人がならしたレーキの線にボールがかかっているだけで気になります。練習でしたら、それが影響しない場所にボールを置き直して打つのです。仲間と「今日はオール6インチでやりましょう」と決めて楽しむのもいいんじゃないでしょうか。
     
    ■いいライが好循環を生む
     
    苦手意識が先に立つと、それだけで交感神経が優位になって筋肉や血流が収縮してしまいます。つまりボールが悪いライにあるときは、打つ前からミスをしていることが多いものです。
     
    そうならないようにボールを置き直すわけです。自信が持てるところから打てば、自律神経を乱さず落ち着いてショットに臨めるからです。
     
    自分のリズムさえ保てれば、力加減もスイングもすべてがうまくいく可能性が高くなり、納得のいくショットを打てるようになります。このときの打ち方や感覚をスイングにフィードバックすればレベルアップにもなるでしょう。
     
    もう一つ分かることがあります。それは、ボールをずらしてうまくいけば打ち方は悪くないということです。一般ゴルファーは、なかなか上達しないと「ミスをするのは打ち方が悪いからだ」と思い込み、試行錯誤したりスランプに陥ってしまったりしやすいものです。
     
    しかし、打ち方は悪くないと分かれば、アドレスもスイングも変える必要はありません。ボールをいいライに置いてもダフってばかり、スライスばかり、ミスばかりなら、そのとき初めてスイングを直せばいいのです。
     
    練習ではいいライから打つことで自律神経が整い、よい循環が生まれます。ぜひ上達につなげてください。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
     
    ●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
    1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。

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