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    寒いときは絶対パーオンさせない【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】

    三寒四温や寒の戻りがあるこの時季は、思うようなスイングもできず本調子には程遠い。どうしてもミスしがちだが「寒い日のラウンドではミスして当たり前です」と、順天堂大学医学部の小林弘幸教授。スイングより自律神経を落ち着かせることが先決だという。

    配信日時:2023年3月22日 23時30分

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    イラスト・のり
    イラスト・のり
    • 小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
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    暦の上では春ですが、まだしばらく寒さを感じる日は続きます。寒いと手足が冷たくなって思うように動かないし、腰は回らないし、ストレスが多くゴルフに集中できません。本来寒い日はゴルフをしないのが一番ですが、天候をコントロールすることはできませんので、寒いなら寒さを前提にした対策が必要でしょう。

    ■交感神経は寒さですでに高まっている
     
    自律神経の面から見ても寒いと血管が収縮し、血流も悪くなりますので、1番ティに立たときから交感神経が高い状態にあります。さらに寒くて縮こまった筋肉や関節でクラブ振るため、体は回っていないのに力だけ入ってスイングはバラバラです。大体の人はスイングが早くなって当たり損ねを打ってしまいます。
     
    朝からこうなると一日中交感神経は高まりっ放しで落ち着きません。ゴルフも一日中不安定なまま「もっとゆっくり振らなきゃ」「もっと肩を回さなきゃ」と、ミスの原因をスイングに求め、それを直すことだけに気持ちがいってしまいます。
     
    しかし、本当の原因は寒さによる自律神経の乱れです。その結果、スイングが早くなってミスショットが起きることを自覚するのが対策の第一歩といえます。
     
    ■ハーフスイングで楽に打っていこう
     
    ですから私は、寒い日のラウンドでは絶対にパーオンを狙いません。防寒しても顔や手は冷気にさらされて交感神経が高まっていますし、着膨れによるスイングの変化もあります。ジャストミートを阻害する条件がこれだけそろっているのに無理にフルスイングをしたら、トップやダフリは必然だからです。
     
    特に出だしの3ホールはボギーで上がれば十分ですから、地面の上から直接ボールを打つ第2打でグリーンを狙う必要はないし、第1打も飛ばす意味はないのです。そう考えると気負いがなくなってスイングのリキミも軽減し、交感神経が落ち着きます。ハーフスイングを心がけ、フェアウェイキープに徹しましょう。
     
    当然ながら、体が冷え切ってからでは遅いので防寒も欠かせません。私の場合は、保温性の高いインナー、長袖シャツ、セーター、ダウンベストを重ね着して、打つ直前までベンチコートを羽織ります。三寒四温の時季だと日中気温が予想以上に上がり暑くなりすぎて失敗することもあるので、ハイネックよりネックウォーマーのほうが便利でしょう。
     
    ポケットには簡易カイロを入れて、打つ直前まで手を温めます。また、普段からイメージトレーニングを習慣にするのも大切です。ちょっとした空き時間にストレッチ感覚でシャドースイングする習慣をつけましょう。寒くて自律神経が乱れたときも、シャドースイングを行うとリズムを取り戻しやすくなりますよ。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
     
    ●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
    1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。

    小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター

    小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター

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