長くゴルフを楽しむために、大事なのは40代からの過ごし方 これを食べればボケない!?
実は40代から認知症の原因物質は脳にたまり始めているという。いつまでも健康にゴルフを楽しみたい、それは誰もが思うこと。国立長寿医療研究センターの佐治直樹先生に話を聞いた。
配信日時:2024年2月7日 06時42分
プレーを終えたばかりのパット数を思い出せなかったり、何度も回ったことがあるコースのレイアウトを忘れていたりして、「認知症が始まったのか?」と不安になったことはないだろうか。
認知症を予防して長くゴルフを楽しみたい! そんなゴルファーの切なる願いをかなえる健康を維持する生活習慣のひとつが、「認知症になっていない人の食習慣や生活習慣をマネすること」とアドバイスしてくれたのは、国立長寿医療研究センターの佐治直樹先生だ。
「認知症になりやすい人となりにくい人の生活習慣や食生活の違いは、かなり明確になってきています。認知症予防の習慣は一朝一夕で身に付くものではなく、また、認知症の原因物質は40代からたまり始めます。大事なのは、40〜60代の過ごし方。自分のことは後回しにしがちな働き世代ですが、ここで一度自分の生活を振り返り、健康的な生活へとかじを切ることが、認知症予防につながります」
今日からでもぜひ取り組んでほしいのが、食生活の改善だ。国立長寿医療研究センターでは、認知症になった人、なっていない人の食生活を長年調査。その結果、「いろいろな食材を食べている人は、認知症になりにくい」と判明している。まずは「いつもと同じでいい」と食事をおざなりにせず、おかずを1品増やすことから始めてみよう。
さらに、「これを食べれば認知症になりにくい」という食べ物も分かってきている。国立長寿医療研究センターのもの忘れ外来を受診した人の食事内容や腸内環境を調査した結果、認知症になっていない人が摂っている11の食品(魚介類、きのこ類、大豆製品、コーヒー、穀類、みそ、緑黄色野菜、海藻類、漬け物、果物、緑茶)が判明。中でも魚介類、きのこ類、大豆製品、コーヒーをよく摂っている人には認知症の人が少なく、認知症になっている人は摂取が少なかった。
つまり、魚介類やきのこ類、大豆製品を積極的に食べ、食後に緑茶やコーヒーを飲むのが、認知症予防の第一歩! 朝はトースト、昼はそば、夜はビールとカレーライスなど、一皿物中心の食生活だと、魚介類やきのこ類を食べるのは難しい。定食風に食事を整えることで、脳寿命&ゴルフ寿命を延ばしていこう!
教えてくれたのは
佐治直樹先生(さじ・なおき)国立長寿医療研究センター・もの忘れセンター客員研究員。臨床に従事するかたわら、認知症のリスク因子と予防、腸内フローラと脳機能の関係など、認知症のメカニズムをひもとく研究も行っている。著書に『脳の寿命をのばす食べ方』(Gakken)がある。