何ならしばらくラウンドはお休みにして、「GEN-TEN」のコースレッスンに通うのが賢いのかも
キャディバッグを抱えてゴルフ場に出かけて、いつものゴルフウエアに着替えたら、ラウンドするのではなく、コーチからきめ細かなレッスンを受ける。実はこの時間こそ、ゴルファーにとって価値ある贅沢なもの。上級者からビギナーまでコースレッスンには定評のある「GEN-TEN」のレッスンに参加してみた。
配信日時:2023年6月29日 07時00分
この歳になると、自分で課題を見極め、方法論を模索して、みずから解決していくといったご立派なプロセスに挑むのはもう仕事だけでたくさん。わからないこと、できないことはその場で丁寧に教えてもらいたい。いうまでもなくゴルフだってそう考えている身にとっては、コースレッスンというのはウエルカムな機会だ。
とはいえ、かつて1回だけラウンドレッスンに参加したことがある。ラウンド中はコーチがついてくれてはいるものの、せっかくのアドバイスを反芻しようというよりも、スコアのことばかりを考えていた気がする。つまりフツーにラウンドするのと変わらず、あまり学びを得ようという雰囲気ではなかったことを思い出す。
今回、知人に薦められて参加したのは「GEN-TEN」のコースレッスン。100切りを目指す初中級者向けの “ゲンテン” というプログラムだ。結論から言ってしまうと、参加してよかった! かつて経験したラウンドレッスンとは違って、学びを反芻する時間がきっちりととられていたおかげで、周期的に訪れては消える “掴んだ” 感よりもはるかにリアルな感覚を体が覚えてくれた。そんな「GEN-TEN」のコースレッスンを振り返って紹介しよう。
●AM 9:00
数日続いた梅雨空、さらに前日夜の激しい雨がウソのようにあがって夏空が広がる。会場となったのは埼玉県東松山市の高坂カントリークラブ。都心からのアクセスもよく、コースもしっかりとメンテナンスされていた。「GEN-TEN」のコースレッスンは東京、名古屋、大阪近郊のコースで開催されている。いずれも都心からのアクセスがよく、質の高いコースばかりだ。だがいちばんの基準は練習施設が充実していることだそうだ。コースレッスンとはいうものの、確かにレンジやアプローチ練習場でのレッスンは貴重な時間だった。
●AM 9:30
フロントで受付をすませ、着替えたあと、コーチと1対1でのカウンセリングタイム。自分を含めて3人の面倒をみてくれた日下部直太コーチと挨拶を交わす。一緒にレッスンを受けたOさんによると、なかなか予約がとれない人気コーチらしい。フィジカルトレーニングにも励んでいるようでがっちりとした体格と明るく柔和な語り口。さらにブリーフィングのゴルフウエアを颯爽と着こなしている。あまりに好感度の高いアスリートなので、こちらが一瞬身構えてしまったが、こちらの目線に合わせてしっかりと話しを聞いてくれるので、いつのまにかかかりつけのドクターと話しているような気分になっていた。
カウンセリングでは、よく力のないボールが右に行ってしまうなど普段から気になっていること、悩んでいることを日下部コーチに伝えるのだが、もっといつものストレスの元凶をぶちまけていたら、さらにいろいろなアドバイスが聞けたかもしれないとあとから後悔…。
●AM 10:00
アプローチ練習場に移動。40ヤードほどのアプローチショットが打て、さらに片側は傾斜地になっていて、さまざまなシチュエーションからグリーンを狙える。まずは準備運動のストレッチをすませてからレッスンがスタート。同じ距離からのアプローチを繰り返し6球ずつ打てるので、一生懸命打っているうちに気がつくと、日下部コーチがまわってきてチェックしてくれる。マントゥーマンとまではいかないが、放置されている感じはまったくない。ここでアドバイスされたのが、アドレスのとき、お尻の位置を上げて、後ろ重心にならないようにということ。これが今日1日の最大のテーマとなった。
●AM 10:30
ここからはレンジにてレッスン。200ヤードを超える広々としたレンジは、この日のコース来場者がスタートしたあととあって貸し切り状態。各自が思い思いにクラブを振る。ここでも日下部コーチはほどよいタイミングでまわってきてくれる。同行した参加者に恵まれたこともあるが、押しの強い参加者がコーチをひとり占めするといったこともなく、練習に打ち込むことができる。
水分補給をという声も耳に届かず(すみませんでした…)、いつもなら欠かせないタバコ休憩もとらず、悲鳴を上げそうな気配の腰のことも忘れて打つ、打つ、打つ…。こんなに没頭した時間を過ごしたのはいつ以来だろう。もちろんお尻を上げるという、これまでとはまったく違ったアドレスをモノにすることができず焦っていたせいもあるのだが。
●PM 0:00
コースのレストランにてランチ。コーチは同席せず、参加者だけでテーブルを囲む。各々が午前中のプレーを振り返る、いつものコースでのランチタイムと変わらない雰囲気だ。一緒にレッスンを受けたOさんはゴルフ歴5年で、今回が4回目の「GEN-TEN」のレッスンとのこと。シャンクを直す方法をネットで検索をしているとき、「GEN-TEN」のコーチのブログにたどり着いたのがきっかけとなって、レッスンを受けるようになったそうだ。
「凝り性なところがあって、ゴルフもスポーツとしてうまくなりたいと思って。打ちっぱなしでやっているレッスンは受けたことがあるのですが、GEN-TENでは骨盤の動かし方や軸の作り方など、感覚ではなく、理論的に教えてもらえたのが新鮮でした。しかもその教えが自分にストンと落ちていったのがレッスンを受け続けている理由です。ラウンドは月1回、行けるかどうかですが、2か月に1回くらいはレッスンを受けるようにしています」とOさんは話してくれた。
「GEN-TEN」がコースレッスンをはじめて18年になる。やってみようと踏み出す “ちゃれんじ!” がモットー。そんな「GEN-TEN」のスタンスがOさんのゴルフライフに欠かせない存在になっているのが伝わってきた。1日が終わったら、自分もこんな気持ちになるのだろうか。午後のレッスンへの期待が膨らむ。
●PM 1:30
最終組がスタートしたあと、コースでのレッスンがスタート。今回はレッスンを挟みながら、4ホールまわることになった。せっかくコースにきたのだから、レッスンを受けるのが目的とはいえ、コースをまわる時間がとられているのはやはりうれしい。ラウンドしながら、フェアウェイ、ラフ、傾斜地、バンカーなどシチュエーションを変えてレッスンが行われる。
特にコース内で、同じシチュエーションから6球続けて打つという経験ができたことは大きな収穫だった。通常のラウンドならティショットが曲がってしまい、暫定球を打つくらいしか繰り返し打つ機会はない。しかもそのときは試すというより、とにかくセーフティにまっすぐという意識だけだ。6球打てれば、コーチのアドバイスを自分なりに試すことができる。しかもリアルなコースで。自分的には、打ちっぱなしでがんばってイメージを膨らませて100球打つよりも、はるかに実があるように感じた。
おかげさまで最後のホールでは会心なショットが続いて、日下部コーチからもお褒めの言葉をいただいた(この歳になっても褒められて伸びるタイプ。このときのコーチの褒め方がこれまでとは違ったと感じたのは気のせいだろうか…)。このショットがこの先も続けられればいいのだが…。そうはうまく行かないのがゴルフの難しさだということくらいはわかっている。それでも貴重なヒントが得られて、それを生かせたことはこの日の大きな成果。気持ちよく帰路についたことは言うまでもない。
●PM 3:00
1日のレッスンは終了。最後に再びコーチと1対1で、今日の課題の復習、これからの個人での練習の指針を聞く。さらに参加者には「GEN-TEN」のオリジナル手帳が用意されている。そこには日下部コーチが今日のレッスンのポイントやこれから気をつけるべきことを書いてくれていた(ずっとレッスンをしてくれていたコーチが、いつこれを書いたのだろう…?)。ゴルフに出かければ、こんなヘタクソでもそれなりに学びはある。けれど次の日になるとすっかり忘れてしまったり、どんどんイメージが薄れていくのがいつものパターン。目の前でレッスンしてくれたコーチのメモが書き込まれた手帳はなんとも心強い!
●翌日
「GEN-TEN」のホームページには、レッスンに参加した人のみがアクセスできるクラブハウスというページがある。そこには昨日のレッスンの様子と参加者それぞれへのメッセージが書かれているではないか。そこでお礼かたがた感想や質問を記入すると、翌日には返信が書き込まれていた。結びには “またたくさん練習しましょう” という一文が。このところ上達しないし、忙しいし、腰は不安だし、お金もないしで、練習のモチベーションはダダ下がりだったおっさんのマインドに、新たな刺激と変化が生まれそうな気配だ。
“ゲンテン” コースは1レッスン18,700円。普段のラウンドより若干高いくらいだ。気を使うばかりで、気乗りのしないラウンドをするくらいなら、このレッスンを受けたほうが得るものが断然多いのは間違いない。それにコースレッスンはほぼ毎日開催されており、レッスン前日でも空いていれば予約ができるのもお役立ち。さらにレッスンに参加すると、先に紹介したオリジナルノートとともに、タオル、目土袋として使えるバッグのプレゼントもある。
またうかがいます!