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    ラウンド中のランチは腹八分じゃまだまだ 腹六分目に徹する【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】

    午後のハーフは眠くなる。昼食を食べたことによって副交感神経が急激に高まるからだ。それを防ぐには「ランチを取らないか、食べる場合は腹六分目にすることです」と順天堂大学医学部の小林弘幸教授。いかにして量を抑えるかが、眠気を防ぐポイントだという。

    配信日時:2023年5月8日 02時15分

    • ゴルフライフ
    イラスト・のり
    イラスト・のり
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    午後のハーフを回っているとき、多くの人が眠気に襲われてボーッとしがちです。「今日はぽかぽか陽気だからなあ」、「前半の疲れが出てきたよ」、「今朝は早起きしたからね」。などと分析されますが、眠気の最大の原因は「昼食を取ったから」にほかなりません。

    食事を取るということは、食べ物を口に運び、咀嚼し、飲み込む行為を伴います。体が活発に動きますので、交感神経は一気に優位になります。
     
    ■副交感神経優位が食後の眠気を誘う
     
    しかし、直後に食べたものが胃腸で消化され始めると、そのための動力として血流が胃腸に集中します。脳に行く血流は減り、ボーッとした状態を招きます。さらに胃腸が活発に動きだすことによって、今度は一転して副交感神経が優位になり、交感神経と副交感神経との急転換が起こります。
     
    眠気はそれによって起こる生理現象なのです。そうならないように、私はプライベートなラウンド中は食べ物を口にしないように心がけています。朝一番にスタートしてスルーで18ホールを回れば、遅くとも11時前後には上がってきますので、プレー中は補食も取らず、ラウンドを終えてから食べるスタイルがむしろベストなのです。
     
    プロの試合もスループレーで行われます。仮に選択できるとしても、ハーフターン時に昼食を取る選手はいないでしょう。物を食べることで自律神経が乱れ、パフォーマンスに悪影響があることを経験的に知っているからです。
     
    ■水、順番、咀嚼で少量でも満足感を
     
    とはいえ、9ホールが終わったらレストランに寄らなければならないこともあります。そういう場合、私は眠くならないよう二つのことに気をつけて昼食を取るようにしています。ぜひ参考にしてください。一つは、食べる前にコップ1杯の水を飲むことです。これによって腸が反射的に働きだして副交感神経が高まります。
     
    あらかじめこうして副交感神経を優位に保っておけば、食後に消化が始まってからの急転換を抑えることができるのです。
     
    もう一つは、腹八分目どころか腹六分目に徹することです。汁物やご飯を残すことで食べる量を少なく抑えれば、食後の消化吸収にたくさんの血流を使わずに済みます。脳への血流不足を防ぐことができますから、満腹になるまで食べて頭がボーッとするようなことはなくなるでしょう。
     
    眠気を感じることなく午後も体がよく動き、ゴルフのパフォーマンスを維持するには、食べる量をいかに減らすかにかかっているのです。
     
    なかなか食べる量を減らせない方は、いわゆる「ベジファースト」、生野菜から食べるよう心がけましょう。最初にコップ1〜2杯の水を飲んだら、野菜→肉や魚のおかず→ご
    飯という順番で食べるのです。
     
    その際、食べ物をゆっくりよくかむことも大切です。順番を変えることと咀嚼によって徐々に副交感神経は優位になります。時間をかけて満足感を得ることもできるので、お勧めです。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
     
    ●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
    1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。

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