健康診断で血圧が正常値であっても、実は危険なほど血圧が高い「仮面高血圧」の人が数多く存在するという。冬の朝、ゴルフ場で突然バタン…なんてことにならないよう、コントロールする方法を知っておこう。

「血圧は、1年や1日を通して変動するもの。健康診断や病院で受診するときは正常値でも、夜間に上がったままだったり、早朝や仕事中にバーンと跳ね上がるのが『仮面高血圧』。医師の前では正常値の仮面をかぶっているため、気づかれないまま長年治療されていないこともあります」
 
と教えてくれたのは、高血圧治療に詳しい自治医科大学内科学講座循環器内科の苅尾七臣教授。高血圧は、咳や発熱のような自覚症状がないところがやっかい。脳梗塞、心筋梗塞、脳出血、心不全、大動脈解離など高血圧が引き金の大病を避けるためにも、仮面高血圧を疑って、血圧が急上昇する危険行為を回避しよう。
 
■急な血圧変動を招くゴルファーのNG行動
 
血圧はちょっとしたことですぐ上昇する。ラウンド中にやりがちな行動が、命に関わる急上昇を起こしてしまう危険も。どんな行為が危険なのか、知っておこう。
 
【ゴルフ前夜に暴飲暴食】
ゴルフ旅行で前泊。大いに飲んで、食べれば、翌朝は血圧が上がりやすい状態に。
 
【睡眠不足のままゴルフ】
寝ている間は血圧が下がりやすくなる。睡眠不足＝血圧が十分下がらず、血圧は上がりっぱなし。
 
【暖房の効いたクラブハウスから極寒の屋外へ】
「うわっ！　寒い」と縮み上がった瞬間、血管も収縮。血圧がドカンと上がってしまう。
 
【おはようバーディがかかる緊張のパッティング】
ストレスは高血圧の大敵。「これを絶対決めなくちゃ」のプレッシャーで、血圧は爆上がり。
 
【ランチに濃厚しょう油ラーメン】
寒いし疲れたから、昼は熱々の濃厚ラーメン、といきたいが、血圧には高塩分が悪影響。
 
【OB連発でストレス爆発】
ドラコン狙いでマン振りしてOB…。怒髪天をついたとき、血圧値も青天井状態だ。
 
【プレー後、サウナから水風呂へドボン】
急激な温度変化は高血圧の大敵。水風呂の強烈なヒートショックで、血圧が急上昇！
 
■刈尾七臣
かりお・かずおみ/自治医科大学内科学講座循環器内科学部門教授。自治医科大学附属病院循環器センター・センター長。『運動を頑張らなくても血圧がみるみる下がる食べ方大全』（文響社）など著書多数