切り株や木の根の近くにボールがあるとき救済を受けられる? 対処法と同伴者への声のかけ方を紹介
林の中にボールが入ると切り株や木の根にボールが止まっていることが多い。そんなとき「危ないから出してもいいよ」と声をかけられたことがある人もいるだろう。しかし、厳密に言えばこれはルール違反だ。 この記事では、切り株や木の根にボールが止まっていた時の対処法に加え、声がけ時の注意点について解説する。
配信日時:2023年3月30日 07時57分
1.【Q】切り株の近くのボールを打ったらクラブが傷ついてしまいました。救済は受けられたのでしょうか?
ボールが木の切り株のすぐ近くで止まっており、そのままショットしたところクラブが傷ついてしまいました。切り株や木の根などの近くにあるボールは救済して動かせるのでしょうか?
【A】切り株や木の根の付近にボールがある場合、アンプレヤブルを宣言すれば1打の罰で救済を受けられる。
切り株や木の根は、コースにある通常の木と同じ自然物として扱うため、救済を受けることはできず、あるがままでのプレーをしなくてはならない。
このケースではそのまま打つとクラブが傷つくことも想定され、ルールに則って適切な処置をするならアンプレヤブルが選択肢に入る。コースによっては一時的なメンテナンス中であり、修理地に指定されていることもあるので、スタート前に確認しておこう。
また、スタンスがカート道にかかっていても、ボールが木の根にあるならば、「あるがままにプレーすることが明らかに不合理」として救済を受けることはできない。簡単にいえば、カート道の有無にかかわらず打てない状況であり、そこでは「あるがまま」が優先されるのだ。
2.切り株や木の根の付近にボールがあり「アンプレヤブル」を宣言したときの3つの救済方法
切り株や木の根の近くにボールがあるときにアンプレヤブルを宣言した場合、以下の3つのいずれかの救済を受けられる。ここでは、それぞれの救済方法について解説する。
- ・【1】ラテラル救済
- ・【2】後方線上の救済
- ・【3】ストロークと距離の救済
【1】ラテラル救済
ラテラル救済とは、ボールのある地点から2クラブレングス以内のピンに近づかない場所にドロップしてプレーを再開する方法。切り株や木の根の付近にボールが落ちた時は、この救済方法を使うことが一般的だ。
救済エリアに止まらない場合、再度やり直しが必要になる。それでも止まらない場合、二度目のドロップしたときに最初に地面に触れた場所にプレースしてプレーを再開しよう。
【2】後方線上の救済
後方線上の救済とは、ピンとボールを結んだ後方線上にドロップしてプレーを再開する方法。後方線上であればどこまででも下がることができる。ボールを膝の高さからドロップして最初に着地した場所が基点となり、どの方向にも1クラブレングス以内に止まれば救済が完了となる。
2023年のルール改正によって変更となった点については、「【2023年ゴルフルール改正】後方線上の救済エリアが「どの方向にも1クラブレングス」に広がった」で紹介している。
【3】ストロークと距離の救済
ストロークと距離の救済とは、最後にショットした位置に戻って、打ち直せる方法。ティショットのボールが切り株の近くに行ったのなら、再びティグランドから打ち直すことができる。しかし、現実的に考えるとこの救済方法を選択することは稀なケースだろう。競技でなければかなりのスロープレーにもつながってしまう。
3.同伴者に対して「無罰で動かしてもいいよ」と安易に言わないほうがいいことも
同伴者のボールが切り株や木の根にあるとき、「危ないから無罰で動かしてもいいよ」とは言わないほうがいいだろう。
確かにクラブが傷ついたり、怪我をしたりする可能性があるが、無罰で動かすことは厳密に言えばルール違反。「きちんとルールに沿って楽しみたい」と考えているゴルファーも少なくない。また、「ベストスコアを一打更新した」「初めて100を切って99だった」といったときに「おまけの一打があったけど」とすっきりしないこともあるだろう。
切り株や木の根の付近にボールが止まってどうするか悩んでいる同伴者に対しては、「アンプレヤブルで一打加算して動かすか、そのまま打つかの2つの選択肢がある」ことをきちんと説明した上で、「ただ、競技ではないし、怪我したりクラブが傷ついたりすることもあるから、無罰で動かしてもOK。どうするかは自分で判断して」と声をかけたほうが、本当の親切だろう。
4.まとめ
ボールが切り株や木の根の付近に止まってしまうことは少なくない。そのまま打てば大切なクラブに傷がついたり、手を負傷したりするリスクがある。無理をせずアンプレヤブルを宣言し、1打の罰を加算して救済を受けたほうが安全にプレーできるだろう。もちろん、アンプレヤブルを宣言するか、あるがままに打つかは自分次第。状況に応じて判断しよう。