知っていますか? コースを守るマナーの基本「“目土”は絆創膏と一緒 直後にやらないと意味がない」
ゴルファーが意外と知らない目土とピッチマークの直し方などについて、埼玉国際ゴルフ倶楽部(埼玉県)の石川誠支配人が解説。
配信日時:2023年5月11日 22時00分
フェアウェイの至るところに芝が枯れた箇所があったり、グリーンが穴だらけだったら、あなたはどう思うだろうか。多くのゴルファーは残念な気持ちになるはずだ。そんな状況をつくらないためにも、ディボット跡やピッチマークを直すことは心がけたい。だが、この目土のやり方を初心者だけではなくベテランにも誤った認識をしている人は結構多い。
ゴルフコースを守る基本的なマナーである目土とピッチマークの直し方などについて、埼玉国際ゴルフ倶楽部(埼玉県)の石川誠支配人(以下、石川支配人)が解説してくれた。
石川支配人は「人間の傷口と一緒で、芝も早い処置が重要です。ポイントは土が乾く前に目土を行うこと。これはグリーン上にできるピッチマークも同じです。発生直後に正しい方法で直せば、ピッチマークは今の時期なら2日後には綺麗になります。反対に数時間放置すると元に戻るのに1カ月ほどかかってしまうこともあります」と説明する。
ディボット跡ができた直後に目土を実施しないと芝の再生力が弱くなってしまう。大切なのは土が乾かないうちに素早く直すことなのだ。
■上手な目土の仕方
芝の上のボールを打ったときに削り飛んだ芝をターフやディボットと呼び、掘られた穴はディボット跡という。
「ショット後にできたら目土で直すのがマナーです。目土を行うときはスコップで砂を少し多めに入れてから、周囲の芝と同じ高さになるように均等にならしましょう。砂が少ないと凹みが埋まらないので注意してください」と石川支配人。
■正しいピッチマークの直し方
“ピッチマーク”とは、ゴルフボールがグリーン上に落下したときにできる凹みのこと。ボールマークともいう。湿気の多い夏場や降雨のときなど、グリーンが柔らかいとできやすい。自分のボールが落ちたところを探してピッチマークを見つけたらグリーンフォークで直すのがマナーだ。
「まず、グリーンフォークを凹みの外側に刺し(2本刃のグリーンフォークは、上下左右の4方向から行うのが一般的で1本刃は複数箇所に刺していい)、刺したフォークを内側( 凹みの方)に倒し寄せていきます。刺した部分を上に持ち上げるのは絶対にやってはいけません。根っこが切れて芝が枯れる原因になってしまいます」
最後にパターヘッドの裏などで、軽く叩いて均一になるようにならす。この作業を直ちに行えば2日後にグリーンは元通りになるとのこと。
■ラウンド時に意識しておくべきマナー
マナー一つ目は、ディボット跡やピッチマークを直すこと。ゴルファーとして必ず実践したい。ディボット跡やピッチマークを直さないと芝枯れの原因になり、プレーを思う存分楽しめなくなるからだ。
二つ目は、グリーン上で走らないこと、スパイクを引きずらないこと。グリーン上で走ったり、スパイクを引きずって歩くのは絶対にNG。できるだけ芝を傷付けないように心がけたい。
三つ目は、カップのフチを踏んではいけない。ボールを拾い上げるとき、カップのフチを足で踏まないように注意。フチから30センチ程度離れてボールを拾うのがベスト。
今回、目土やピッチマークの直し方について解説してくれた石川支配人は、1.5ラウンド割増分を無料プレゼントする〝私目土しますプラン〞を考案して、マナー向上に力を入れているという。「このプランはラウンド前に目土袋をお渡しして、ディボット跡やピッチマークを直していただく形になります。また、ご希望の方にはオリジナルのグリーンフォークもプレゼントしているんです。コースへの愛着を深めていただければうれしいですね」と話す。こういったプランを企画しゴルフ場をキレイに保つことに励んでいるのだ。
1日で多くのゴルファーがラウンドをすると、フェアウェイやグリーン上は傷だらけになってしまう。だが、みんなが傷つけたときに素早く対処していけば、ゴルフコースは綺麗な状態を保つことができるだろう。服装マナーも大事だが、ラウンド中のマナーも楽しみながら気にかけていきたい。気持ちよくプレーできるコースを自ら作り上げていく……尊敬できるゴルファーの姿がそこにある。