ゴルフ場で客同士のトラブル急増! 無用ないざこざを避ける賢い振る舞い方
お互い様、譲り合いの精神、相手の立場になって考える…、世の中の変化にともない、昭和の時代までの社会常識が通用しなくなった現代。ゴルフ場においても、警察沙汰になるようなトラブルが増えていると聞きます。
配信日時:2023年7月4日 03時57分
「ふざけるんじゃないよ。オレはメンバーだぞ。支配人を呼べ!」
と怒鳴っている若い男がいて、離れたところで震え上がっている様子の女性が警官に守られるようにしゃがんでいました。10人を超える場違いな警官がクラブハウスにいました。約10年前の話です。
あとから聞いたら、その女性はグリーンが見えない所から誤って、前の組がパットをしているグリーンに打ち込んでしまったらしいのです。怒鳴り声がしたので、慌てて、グリーンに行き、謝罪したのですが、前の組の若い男は大声を出して掴みかかる勢いで言い放ったそうです。
「殺すぞ! ババァ!」
女性は、殺されると思って、直後に110番。たくさんの警官がコースに来るという大事件になりました。冗談みたいな話ですが、この後、女性は脅迫罪で被害届を出して、若い男性は逮捕されたのです。(最終的には示談が成立して、罪は問われなかったらしいですが、この男性はメンバー資格を剥奪されたとか)
あれから10年。あちらこちらで似たような話を耳にしましたし、隣のコースから飛び出してきた人にボールが当たり、被害者と加害者がつかみ合いの大喧嘩になる現場を目撃したりもしました。
口は災いの元。被害者が興奮して相手を威圧すれば、たちまち立場が逆転して加害者になってしまうこともあるのです。
被害者になり、怪我をしている場合は、とにかくコースに一報を入れましょう。救急車の手配にしても、応急処置にしても、コースのスタッフのほうが慣れているので、早く、確実だからです。加害者が謝罪に来たら、冷静に、色々言いたいことがあっても、余計なことは言わずに、必要を感じたらスマホを録画状態にして横に置いておくことも、のちのちに、事実確認として有効です。
怪我がないのであれば、普通に進行を優先しましょう。謝罪があれば受け入れれば良いし、ない場合は、あとから考えれば良いだけのこと。
加害者になった場合、まずは、謝罪は早さが誠意となります。自分のプレーはやめて、被害者のところに行き謝罪です。怪我などをしていたら、手伝えることなどを探して、誠意を見せます。やはり、言った言わないになったときのために、ポケットに入れたままでも良いのでスマホを録画状態にします。
音声が録れていることと、経過時間などが、後からわかるので、必要になることがあります。手にスマホ持って録画していると、相手の感情を逆撫ですることがあるのでやめましょう。
いわゆる、ゴルフのエチケットは、トラブルを防ぐために存在します。
スロープレーにならないようにする。打ち込まない。安全を確認してプレーする。
プレーしている以外のエリアに行くときは、よく周囲を観察をして安全を確認した後に「失礼します」と大きな声で存在を伝えてから行くようにする。それだけで、事故はかなり遠退きます。
若いゴルファーを責める人が多いのですが、実は何でもキャディ任せでゴルフを覚えた後遺症で、厚顔無恥な酷い立ち振る舞いをしている中高年者や老人もいるのが現実です。
その日、その場所に集まったゴルファーは、同じコースを一緒に共有しているご同輩です。老若男女の差は関係なしです。みんなで安全に、その偶然の幸せを分け合うのがゴルフコースという場所であり、ゴルフなのです。それを忘れなければ、事故も事件も起きません。
(取材/文・篠原嗣典)