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    コロナバブルが収束! 2024年は各ゴルフ場が生き残りをかけた差別化モードに突入

    ゴルフ界の今を知るニュースを紹介。コロナ禍で増えたゴルフ人口だが、これからはどうなっていくのだろう?

    配信日時:2024年1月18日 00時00分

    • ゴルフライフ
    • ゴルフ場
    「ヒルズゴルフトミーアカデミー」でジュニアを指導する中嶋常幸。「しゃべりすぎて声が枯れてしまった」ほどの熱血指導が続いた(12月17日、静ヒルズCCで)写真提供/清流舎
    「ヒルズゴルフトミーアカデミー」でジュニアを指導する中嶋常幸。「しゃべりすぎて声が枯れてしまった」ほどの熱血指導が続いた(12月17日、静ヒルズCCで)写真提供/清流舎
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    「2022年のゴルフ人口は533万人。居住地別では東京都が最も多く59万人で、全国構成比率は11.1%と1割を超えた。北関東、東京を含む関東地方では構成比率が3割を超える35%で、186万人ほどが関東のゴルフ人口になる」(ゴルフ特信・11月27日発行号)という。

    これは同紙がレジャー白書が報告した過去3年間の数字を平均することにより、「ほぼ実態に近い」居住地別参加率・人口を導き出したもの。レジャー白書は回答数が約3300と多くないため、年度によって偏りが出るからだという。
     
    それにしても、ある意味最もゴルフをするのに適していない地域といえる東京都に最も多くのゴルファーが住んでいるという現実は何とも皮肉。23区内のゴルフ場となると江東区の若洲GLのほか、河川敷のゴルフ場などに限られる。23区外の西東京地区に目を移しても小金井CCを筆頭にいくつかの名門コースがあるが、一般のゴルファーには敷居が高い。
     
    さらに西へと目を移すにつれゴルフ場は増えていくが、都民ゴルファーすべてを受け入れるキャパシティはない。結果、ゴルファーたちは近県のゴルフ場へと足を延ばす。
     
    そこには渋滞対策という難題がつきまとう。「近年、目立つのは常磐道の渋滞。アクアラインの渋滞は年々、始まる時間が早くなっていますね。皆さん14時前の通過を目標にしています」(マグレガージャパン開発部課長・松下健氏)
     
    コロナ禍で感染リスクの低さが見直され、盛況の続いていたゴルフ場。しかしその勢いに、陰りが見え始めている。「いろんなデータを見ていると22年をピークとして、減少に転じていると見ていいのかな、と思います」と、語るのは矢野総合研究所の三石茂樹フェロー。
     
    同社の「ゴルフ産業白書」ではゴルファー数を「22年2月時点で956万人」としており、この数字を支持するゴルフ関係者もまた多い。
     
    その三石氏をして、飛ぶ鳥の勢いだったゴルフ界の「コロナ・バブル状態」が収束の方向へと向かっていると言うのだ。そうした状況をいち早く感じ取り、対策を講じてきたゴルフ場も少なくない。
     
    例えば茨城の静ヒルズCC。「10年前あたりから、閉鎖となるゴルフ場が福島県内で出始め、それがだんだんと下って茨城の県北エリアまで下りて来ています。そうした中、われわれも危機感を持って『トミーアカデミー』の場に関東屈指の練習環境を整え、競技の場にもふさわしいコース整備にも力を入れてきました」(森ビルゴルフリゾート取締役・林祐樹営業推進部部長)
     
    12月17日に静ヒルズで行われた「ヒルズゴルフトミーアカデミー」公開合宿の場で「森ビルさんからトレーニングエリアや練習場を作ってもらい、年々素晴らしい人材が集まってきて、進化している。こういうサポートを受けられることがありがたい」とアカデミーを主宰する中嶋常幸がしみじみ語ったほどの熱烈サポート。
     
    それが畑岡奈沙をはじめとする多くのプロが成長する一要素にもなり、ゴルフ場自体の魅力にもつながっているわけだ。
     
    ゴルファーの財布を直撃するガソリン代の高騰、団塊世代が75歳の後期高齢者となる2025年問題など、不安材料は山積みのゴルフ業界。こうした問題にいち早く対策を講じたゴルフ場しか、これからは生き残ることはできないのかもしれない。ゴルフ場が生き残りをかけた差別化モードはすでに始まっている。

    文・小川朗(日本ゴルフジャーナリスト協会会長)

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