市の職員がゴルフ場で“副業”!? つくばみらい市が打ち出す、人手不足解消に向けた取り組みとは?
原則禁止となっている地方公務員の副業。しかし、ゴルフ場の人手不足を解消するため、副業として働くことを認める方針が茨城県つくばみらい市で定まったという。
配信日時:2024年12月20日 03時10分
「え? 市役所の職員がゴルフ場で働くって? そんなのあり?」とびっくりした方も多いだろう。ゴルフ場の人手不足の流れに、一石を投じるチャレンジが茨城県のつくばみらい市でスタートする。市の一部職員を対象に、副業としてゴルフ場で働くことを認める方針が固まったという。
驚くのも無理はない。地方公務員の副業は原則として禁止されているからだ。しかし、実は「あり」なのだ。これまでも繁忙期の農家の収穫作業などには、市長などが副業を許可してきている。
とはいうものの、地元のゴルフ場に特化した副業解禁の取り組みというのはあまり聞かない。その裏にあるのが、つくばみらい市ならではの特殊な事情だ。ゴルフ場のホール数や利用料金等を基準に、ゴルフ場ごとに都道府県が決定しているゴルフ場利用税。これはいったんその各都道府県でまとめられ、3割が都道府県、7割がゴルフ場のある市町村に交付される。ゴルフ場利用税だから、地元のゴルフ界に全額還元されるかといえば、そうではない。
茨城ゴルフ倶楽部、筑波カントリークラブ、取手国際ゴルフ倶楽部、常陽カントリー倶楽部の4つのゴルフ場があるつくばみらい市には、令和3年度(2021年)が1億2千6百万円、4年度が1億9百万円、昨年度は利用税の7割である1億6百万円の交付金が入っているが、これらは自治体にとっては非常に使い勝手の良い一般財源に姿を変えている。
ゴルファーたちがゴルフ場で購入したプレー券(お土産付き)、「ふるさと納税」の寄付額も令和4年度(2022年)の7千万円から昨年度は1億円にアップしている。裏を返せば、この4コースがなくなったら、こうした収入と雇用も消えることになる。つくばみらい市を訪れているゴルファーたちの貢献度は並大抵ではない。
しかしそんな、つくばみらい市のゴルフ場でも、御多分にもれず働き手の不足に悩まされているという。そこで市は10月31日、市役所に各ゴルフ場の支配人を招き、「ゴルフのまちつくばみらい」の実現を目的にした包括連携協定を結んだというわけだ。
今後は市の職員がゴルフ場の仕事に従事することになるが、事はそう簡単ではない。特にキャディは単にクラブを運べばいいという仕事ではない。接客業のスキルも必要だ。
4コースのうちの一つに勤務する支配人は「キャディ未経験者のトレーニングには少なく見積もっても3か月は要するので、比較的仕事に入りやすいポーターや調理場などの仕事からいろいろと試していきたい」と語っている。
団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題に突入するシニア大国ニッポン。健康寿命を伸ばし、介護期間を短縮することが喫緊の課題となる。生涯スポーツであるゴルフは、働き場所としても遊び場としても、一番ぴったりくるのかもしれない。(日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川朗)
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