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    全ストロークに○か✕の評価をつけて変化を可視化する【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】

    自律神経のバランスを保つために、プライベートで「他の人のスコアはつけない」ゴルフを実践している順天堂大学医学部の小林弘幸教授。スコアカードは、さぞ真っ白かと思いきや「書き込みがいっぱいで余白はありません」という。さて、その活用術とは?

    配信日時:2023年3月21日 23時30分

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    イラスト・のり
    イラスト・のり
    • 小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
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    自分のスコアしか記入しないゴルフを実践していても、私のスコアカードの余白は「◯と×」で埋まっています。ホールアウトしたら最初に自分のスコアを書き、並びの欄に第1打からカップインしたパットまでを振り返り、全ストロークに対する自己評価を「◯か×」でつけているのです。

    ■イメージどおりに打てたかどうかをチェック
     
    「◯か×」の基準は、自分のリズムで納得できるストロークをできたかどうかの一点に尽きます。結果はそこそこだったとしても、技術的に迷いがなくイメージどおりにしっかり振れたら及第点の◯をつけます。反対にプランもなく中途半端なスイングをしてしまったら、結果がまあまあよくても×と書かざるを得ません。
     
    例えば、第1打をドライバーでイメージどおりの球筋を打ち、フェアウェイキープなら飛距離が200ヤードでも◯です。しかし、220ヤード飛んでも意図したのと反対の球筋が出てラフに行ってしまったら×。最初からラフを避けてフェアウェイウッドを手にした結果、180ヤードしか飛ばなくても、安心してフェアウェイに打てたら◯です。
     
    第2打の場合は、短いクラブでジャストミート、きっちり花道に刻めれば◯、リキんでダフってバンカーに入れたらもちろん×、パーオンでもトップ気味でピンの上についたら×です。
     
    以前は△もありましたが、今は◯か×のどちらかに決めることにしています。△があると評価の基準が微妙になって迷いが生じたり、評価が甘くなって課題が絞りきれなかったりすることが分かったからです。
     
    ■パーでも×が4つ そのココロは……
     
    ◯×評価を実行すると、自律神経の変化を可視化することができます。例えばパー4でパーを取ったにもかかわらず、評価は「××××」ということがあります。最初の3つの×からは何らかの理由で交感神経が高まり、乱れたスイングを元に戻せなかった自分が見えてきます。
     
    リズムを失ってミスを連発した揚げ句なんとか3オン。それでもパーを取ったのですから最後くらいは◯をつけたいところですが、それも×。交感神経が高ぶってリキんだまま強く打ったボールが、たまたまピンに当たってカップインしたからです。
     
    もしピンに当たらなければ2~3メートルオーバーしたでしょう。これは交感神経を抑えて落ち着きなさい、というサインと受け取るべきなのです。
     
    この習慣を続けていくと、第1打がすべて×だったり、第3打(寄せ)に×が多かったり、最後の二つが×ばかりだったりということが見えて(気づいて)きます。私はこれを自律神経の自己診断と呼んでいます。
     
    診断がつけば治療や対策を講じることもできますので、皆さんもスコアカードの余白を大いに活用してください。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
     
    ●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
    1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。

    小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター

    小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター

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