おやじゴルフニュース「ゴルフはお金がかかるというけれど、節約術を考える」
ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・とがしやすたかのイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。
配信日時:2023年12月5日 02時00分
今回はゴルフにお金がかかるというお話です。皆さんどのようにプレー代などをやりくりしているのでしょうか? 一緒に考えましょう。まずはゴルフ業界全体のお話から。日本のゴルフ業界全体の市場規模は1兆3000円程度で、うちゴルフ場の全体の売り上げは約8000億円と言われています。
日本のゴルフ場の数は約2000ですから、それで割ると1コース当たり約4億円の売り上げになります。わりとデータは合っているんですね。一方、アマチュアゴルファーのゴルフの総支出ですが、1兆3000億円の市場規模を、ざっくり500万人のゴルファーで割ると、ひとりあたり年間26万円程の支出となります。そのうちゴルフプレー代は約16万円となります。
もちろん月イチゴルファーもいれば、毎週ラウンドする方もおりますので、個人差は大きいです。自分の話をすると、令和5年は約35回ラウンドして、1回のラウンド代を1万2000円ぐらいと計算し、年間40万円強ぐらい使ったことになりますか。道理でなんぼ仕事をしても、お金がたまらないハズです。
というわけでこれからも末永くゴルフを続けるために節約術を考え、厳しい老後に備えたいと思います。
1)ラウンド代の節約
プレー代は自分のコースだとメンバー料金なので、1ラウンド7000~8000円で済みます。一方、ビジターとして名門コースに誘われて行くと、平日でも2万5000円を越えます。つまりホームコース3回分のお金がかかるのです。
名門コースに誘ってくれる人は自分より金持ちですから、仕事に繋がる案件があるかも知れない。勝手にそう考え、付き合いだからと行ってしまいます。結果、なんら美味しい話はなく、散財するパターンが多いですけどね。ただ負け惜しみを言うようですが、うちのコースはナビ付き乗用カートで、しかもフェエウェイ乗り入れ可能で約8000円。かたや名門は歩きラウンドでナビなしの約2万5000円。いろいろ考えさせられます。
今後のビジターでのラウンドは平日に絞り、1万円以下のコースを多めに選ぶしかないですね。
2)交通費の節約
高いガソリン代や高速道路料金の支払いなどで、車での移動は年々負担が大きくなっています。ゴルフ場へ車を利用するなら相乗りを勧めます。お金も浮くし、道中世間話をして情報交換も出来ますからね。
一方、電車派は何人で行っても交通費は一緒。しかもゴルフバッグを宅配便で送ると、往復4000円以上かかりますから、これも痛い。現在ホームコースで年間約9000円を払って、ロッカーを借りており、そこにキャディバッグを入れっぱなしです。通常ラウンド用とは別に、ホームコース専用のクラブセットを揃えたのです。
ホームコースで年間15ラウンド程するので、宅配便で送ったと仮定したら6万円の浮き。年間ロッカー使用代を引いても約5万円の経費を節約できます。ホームコースのクラブセットは、在庫のクラブにネットで買ったクラブを足したので、揃えるのにトータル5万円ぐらいかかりました。ということは初年度はトントン、来年からは年間約5万円浮きになる予定ですが、どうなりますか? 様子を見たいと思います。
電車ゴルフは何がしんどいかって、電車に乗ることよりも、プレー何日か前にコンビニにキャディバッグを担いで運んで、宅配便を申し込むことかな。ロッカーにバッグを置きっぱなしは、それがないだけでも凄く助かります。
3)ギアやグッズ代
ギアやグッズの購入代で伸びているのは、女性なそうです。やはり女性はファショナブルな方が多いですから、流行りのブランド物を身につけ、ニュークラブでラウンドするのが好きなようです。
見栄の部分がかなりありますよね。プレー前日、男性は練習しまくりますが、女性は明日何を着ようとあれこれ悩むのです。ゴルフ業界においては、非常に大事な購買層です。だから男性は女性を腕前がどうだとか、上から目線で見ないようにしましょう。高齢化、少子化の現在、一番大事な購買層、利用者です。そこをお忘れなく。
そして一般的なアマチュアゴルファーのギアやグッズ、ウェア代ですが、ひとり年間約8万円の出費となってます。プレー代に比べたら月6000~7000円の支出は控え目、多くはボールやティ、グローブなどの消耗品に消える感じですか。
高級ブランドのポロシャツは1万円を越えますからね。だから年にポロシャツ1枚を買って、ドライバーは5~6年に1回買うぐらいですか。あとは中古ギアを買って満足するって、まんま自分やないか~。
4)節約し過ぎると、マウントを取ってくる人が結構いる
世の中にはいろんな人がいて、人のギアやウェア、ボールなどを見て、ひとこと言ってくる人が多いです。
例えば何年か前に消えたブランドのクラブを持っていたら「イマドキ、そんなメーカーのクラブ持ってるの?」って、初対面の面識のないジイさんが言ってくるんですよ。それは貰い物ながら、気に入っているクラブだったので気分が悪かったです。「別にいいでしょ何を使っても。あなたに迷惑かけてないんだし」と思いました。
そこそこ名のあるゴルフ業界人からも「そのボールかなり昔のじゃないすか?」とかね。こっちはボールに全く無頓着なんで、すいませんね。そこまで指摘するなら、新しいボール買ってくれよ。
あとたまにローテーションの関係で、2980円の安物カジュアル衣料店のポロシャツを着ることあるじゃないですか。そういうときに限って、SNSの写真を見て「僕も同じの持ってます」ってにこやかに反応してくる人がいます。
あのね~、1万5000円のポロシャツを着ているとき、同じのを持ってるってリアクションしてください。SNSにアップせざるを得なくなったときに限って、安物のポロシャツ。ユーミンの歌じゃないけど、昔の男に偶然会ったときに限って、安いサンダルを履いていた感じと似てますね。ホント切ないな~。
ゴルフって節約し過ぎると貧乏臭いと言われるし、ほんと困ったものです。裸足でお手製のクラブ1本のみで堂々とラウンドする「プロゴルファー猿」の境地に、まだまだ達してませんね。
■プロフィール■
木村和久
きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
とがしやすたか
1959年生まれ。東京都出身。「青春くん」などで知られる4コマ漫画家。ゴルフ好きが高じて雑誌でラウンドレポートなども展開。
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