おやじゴルフニュース「世代で結構違う!? ゴルフに行く前にチェックすること」
ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・とがしやすたかのイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。
配信日時:2024年12月3日 02時15分
先日知り合いに呼ばれて某ゴルフ場に行ったのですが、事前に下調べをしたイメージと違ってかなり戸惑いました。レイアウト画像やドローンで撮影した映像を見る限り、戦略的で面白いコースと思ったのですが、行ってみるとアップダウンが激しくてびっくり仰天。いや~ドローンの空撮映像だけでは、高低差がよく分からないですね。というか、撮影スタッフだってクライアントに頼まれて、激しい傾斜を平らに見えるよう工夫して撮っているわけですよ。
これって出会い系アプリのプロフィール写真を見て気に入り、実際会ってみるや写真と全然違うじゃんってことと似てますか。ちょっとやられた感はありました。苦笑程度のことですが。というわけで我々はゴルフ場に行く前に、何をチェックしているのか、世代別に分けて考えてみましょう。
まずはオヤジ世代の気にするところです。
個人的には設計者マニア的なところがあるので、誰が設計したのかは凄く興味があります。名設計家はこのホールで何を意図して、このレイアウトを作ったのか? 攻略法はどこなのか? コースと対話していくのは結構楽しいものです。
一方、名設計家のコースでも経営が変わり、ビジターを大量に入れるべくバンカーを埋めて簡単にしたり、ハザードの名物ツリーを切ったり、距離を短くすることが多いので、改造具合も気になります。
ちなみに言うと、昔在籍していた鶴舞CCの東18番には、フェアウェイのど真ん中に巨木が4~5本立っていて、物凄く邪魔でした。井上誠一は何を考えて作ったんだ? と憤慨しながらプレーしたものです。
良くも悪くも名物ホールだったのですが、最近のドローン映像を見ると、その巨木が半減し2本ぐらいしか立ってないのです。経緯は知りません。木が腐るとか、雷が落ちるとか事情があったかも知れませんが、ちょっと淋しい気がします。やっかいな木と言いながら、減ると淋しい。オーガスタのアイゼンハワーツリーみたいなものですかね。
このように実際行ってみて、違っていたことはよくあります。土砂崩れでミドルホールがショートホールになっていたとかね。これはある種の災害なので仕方ないですが。あとバンカーの砂の量ですか。砂が飛んでしまって固い地面になっていた。グリーンも雑草がむしばみ、何かしらの病気になってて変色しているとかね。
久々に行くと、コースの周囲に住宅が増えて、打ち込み防止の観点からドライバー禁止、アイアン縛りホールになっていたとか。その場合、狙った場所にきっちり打てるかというゲームをしているんだと、頭を切り換えますけど。
コース以外で注意している点は、客層とクラブの雰囲気です。一応、ジャケット着用のコースかどうかは調べておかないと。個人的にはジャケット着用は、面倒臭いので好きではありません。けど誘ってくれた人に迷惑がかかるので、着用ルールがあるなら着ます。
加えて同伴メンバーは誰なのかをチェックします。年齢やキャリアを聞いて、ホストは誰で、今回のゴルフの目的は何か? 誰に気を使えば良いのかは知っておかないと。あと19番ホールも、2次会をやるならどこでやるかも聞いておきます。
昔は人間関係で余計な心配もしました。例えば必ずニギリを誘ってくる人がいるとか。断ると付き合いが悪いなと険悪な雰囲気になりますからね。今の時代、初対面でニギリを誘う人は皆無です。これは助かります。
さて今度は若い世代のゴルフ場チェックですが、まず驚いたのが、設計者が誰かは全く気にしていないというか、知らないんですよね。だから「ここは井上誠一が」と言ってもピンとこない。それは東京都庁が丹下健三設計で、東京駅は辰野金吾が設計って言われても、あ~そうですかとなるのと同じ程度の認識ですね。
ゴルフを覚えて日も浅いので、まだ設計者に目を向ける余裕はないと思います。コースのレイアウトに興味を示すよりは、いかにボールを失くさないようにするかが、最大の関心事のようです。だからブッシュが多いとか、池や谷が多いとか、そういうことを気にします。
じゃ若者は何にポジティブな興味を持っているか。それはファッションです。今はSNS流行りで、特に女性が混じってラウンドすることも多い、となると身なりもちゃんと整えてとなるようです。
老舗系のゴルフ雑誌は質実剛健で、スキルアップ、知識吸収みたいな部分が売りで成長して来ました。けど今では一部、ファッション主体のゴルフ雑誌も少しはあります。つまりカタチから入りたがる若者が増えているのです。ゴルフを始める方は、まず練習場に行きますが、まず最初ブティックに行く人もいる、そういうことです。
そしてオシャレな格好をしてゴルフをするならば、インスタ映えする場所があるかないかは結構大事なところ。そもそも行くゴルフ場のインスタ写真を見て、少し前の時季なら素敵な紅葉写真がアップされていれば、同じような場所で写真を撮りたいとかね。
我々もピート・ダイ設計のアイランドグリーンのホールだったら、分かりやすいので記念に写真を撮りますよね。そういう感じでコースの綺麗な風景をチェックしているんですね。
スマホの使い方としては、若者はコースの口コミ評価をよくチェックします。コースの雰囲気や混雑具合、料理、コスパ、そしてトータルの評価、ほとんど食べログと同じように見ている感じです。
あと面白いのはそのコースを訪れたゲストの平均スコアです。比較的良いスコアが出るコースが人気です。なんだ簡単じゃないかと言いながら、また行ってしまう。やはり同じお金を払ってラウンドするなら、好結果を残すコースが良いようです。だから久々に訪ねたコースは、概ね打つところが前になっていたり、ハザードが減っていたりするんですね。
若者&ビギナーに優しいセッティングをしているコースは、実のところ飛ばなくなったオヤジにも優しいのです。ゴルフ人生って簡単なコースに始まり、次第に上手くなると距離の長い難しいコースに挑みます。けどジジイになると、また短くて平らなコースを好むようになるようです。
若者とジジイは同じようなコースが好き。だから最近、若者に遭遇する確率が高いのかもしれません。
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