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    おやじゴルフニュース「魅惑の中古クラブショップ巡りをしています」

    ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・とがしやすたかのイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。

    配信日時:2023年2月7日 03時00分

    • ゴルフライフ
    イラスト・とがしやすたか
    イラスト・とがしやすたか
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    ゴルフクラブは欲しいですが、やはり新品となると結構なお値段がします。人気ドライバーだと実勢価格で1本8万円ぐらいですか。いやいやどうして、スーパーで気軽に大根を買うようにはいきません。

    確かにニュークラブを買えば友だちに自慢が出来るし、話題の中心にいることもできる。当然、飛距離もアップしているはずで、メリットは大きいのですが……。今回新たにワンセット揃えるにあたり、予算の都合上ニュークラブをあきらめ、中古で揃えることにしました。

    新しく入会したコースにゴルフクラブを置きっぱなしにするために、普段使いのとは別に、もうワンセット必要になったのです。そのコースは会員権価格が24万円ほどです。今、フルセットを人気ブランドで揃えたら24万円ぐらいします。会員権とクラブセットが同じ価格ってのもなんか変でしょう。とりあえず従来持っていたクラブに、何本か足してフルセットにすることにしました。

    そこでものすごく役立ったのが中古ショップとオークションサイトです。今回はその中でも特に、中古ショップにスポットを当てユーズドクラブの世界を覗いてみたいと思います。

    ゴルフクラブの飛距離は新製品のほうが飛びますが、それはほんの少しだと思います。我々はそのほんのちょっとの違いに何万円も払うわけです。しかし、おやじ世代は筋力の衰えがあり、むしろ年々飛ばなくなる傾向です。その飛ばない飛距離をギアで補うわけで、相殺して現状維持の飛距離なら十分合格だと思います。

    1)中古クラブの価格
    中古ショップでは、価格を吟味することが大事です。有名ブランドで安いのを見つけるのではなく、逆にやや高めをお勧めします。中古クラブは需要と供給のバランスの上に成り立っているマーケットで、価格がすなわち評価となります。中古クラブは傷や磨耗具合を調べて、厳密に査定し価格を出しています。だから安すぎるクラブは、何か理由があるんですね。

    新しいクラブは情報が氾濫し、発売直後ばかりだと評価も定まりません。メディアもとりあえず誉めとけみたいなノリなので、いいんだか悪いんだか分からないのです。だからいったん販売が落ち着いた時期の中古クラブの価格が、本当の評価となります。

    2)コースでお試しラウンドができる
    高めの中古クラブがいいといっても、ユーザーとの相性があるので最終的にはパーソナルな問題となります。自分に合わなかったら、なんの意味もありません。そこで中古ショップで、1~2日クラブを借りてコースで打ってから買うかどうか決める。そういうサービスもあります。

    条件は価格1万円以上で現金取引などいろいろありますが、通常は買ってから数日以内なら、買った額の8割ほどで買い取りをしてくれます。打ってみてダメなら結構な金額が戻って来るので、このシステムも非常にありがたいです。

    3)掘り出し物もある
    10件ぐらい中古クラブのショップ巡りをしましたが、最初は掘り出し物はないか、目を皿のようにして探したものです。案外面白いのは、セットからあぶれたバラものコーナーです。

    なぜかアイアンセットの本数が足らず、泣く泣くバラで売っているケースがあります。やたら7番アイアンばかりある店もあります。これは7番アイアンが試打クラブとして、多めに生産されるので、販売期間が終わると中古ショップに流れるからです。


    過去にはデカサンドを数千円で買って、ものすごく重宝させてもらいました。映画「グレムリン」の冒頭で、チャイナタウンのみやげ店で買いものをするお父さんが登場します。父は雑然と積んである骨董品の中から吟味し、最終的に一番奥にあった箱の中にギズモを発見します。あの宝探しのドキドキするシーンのように、中古ショップで運命の出合いが待っているかも知れません。ロマンやねえ~どこが?

    4)中古クラブを買うタイミング
    中古ショップの品揃えは、発売から5年以内ぐらいの商品が主力で、それ以上経つと商品の数もぐっと減ります。それはみんながまだ現役で使っているクラブに、合わせて買いたいからです。


    私もキャスコのUFO44(ロフト18度)を1本、フェアウェイウッドの代わりに買いました。新品の定価は4万円弱、実勢価格でも3万円前後で売られていた商品です。これが1万5000円程度で買えるのですから、実質半額じゃないですか。

    発売されて3年、ニューモデルも出たので買うにはグッドタイミング。これは中古車を買う頃合いと似ていますね。買ったクラブは、たいした傷もなくカバーも付いていてエクセレント。セカンドショットには欠かせない戦力となっています。今ではあまりに気に入り過ぎて、2本買って家とホームコースにそれぞれ置いています。

    5)衝動買いが結構怖い
    だんだん中古ショップに慣れてくると、1本2000円のアイアンなんてのを発見して、衝動買いをしたりしてしまいます。今使っているのはカーボンシャフトで、それと同じクラブでスチールの9番アイアンがなぜか1本ありました。しかも目茶苦茶安い。


    ラフに入ったら、固いシャフトの9番アイアンで思い切り振れば、即座にボールが出るんじゃないか。そんなことを妄想してしまいました。まあ2000円ならね、ファミレスで食事1回分じゃん。迷うことじゃない、速攻買いましたよ。

    結果、コースで試したけど、さほど効果は出なかったです。こういうことはよくあります。ここ半年で衝動買いをして、さほど使えなかったクラブは5~6本になりましたかね。何事も経験が大事、財布を痛めてなんぼということでしょうか。

    6)買い取りもやっている
    ちなみに買い取りも多くの中古ショップでやっていますが、5年以上経ったクラブは買い取り価格がガクンと落ち、10年以上でもはや査定は、限りなくゼロに近くなります。

    以前雑誌の企画で、在庫クラブを買い取ってもらったのですが、10年以上前のクラブはゼロ円が多かったです。束ねて粗大ゴミに出すとシール代を取られますから、ゼロ円でも買い取ってもらったほうがよろしいのでしょうか。

    買い取り価格は、中古ショップ価格の半額ちょっと下くらい。つまり中古ショップで1万円のクラブを買って、ほかの店に持っていけば5000円弱で引き取ってくれるのです。だから自分の売ったクラブを改めて見に行って、高値で売られていても憤慨しないことです。

    ちなみに中古クラブの価格はあくまで目安で、個体差が激しい商品です。損傷次第でいかようにも価格が変わります。そこで最終的な中古ショップでの買い物の判断はどうすべきか?

    7)妥協点を探る
    クラブで譲れないのは性能です。とにかく当たらないのはしんどいです。同じクラブの同スペックでもシックリこない場合はあります。そういうことがよくあるのです。

    クラブシャフトは紙みたいなカーボンを電熱釜で焼いて固くしたもので、製造されたときから微妙な個体差が生じます。

    昔、某中堅メーカーの工場を見に行って、おばちゃんが鋏で海苔を裁断するようにカーボンをカットし、巻いていましたから。だから個体差を確認するために、試打は大事ということです。


    さらに気になる部分、例えばヘッドに小さな傷がある。よくウッドのヘッドでコーティングが剥がれた箇所があって気になる。そういう人がいますよね。あれは油性マジックで同じ色を塗ればたいして目立ちません。あとグリップが細い、滑るとかね。それは後でグリップ交換すればいいだけ。1本2000円ぐらいからグリップ込みでやっていますからね。

    そんな些細な理由で買うのをためらっていたら、中古ショップの買い物は向いてないかもしれません。私はそれこそ掘り出しものと思ってしまいますけど。現在、買った中古クラブのグリップを近くのショップで続々取り替え中です。今年こそ、ゴルフ場に置いてあるクラブセットで、競技に出ますよ~、しばしお待ちを。

    ■プロフィール■
    木村和久
    きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。
     
    とがしやすたか
    1959年生まれ。東京都出身。「青春くん」などで知られる4コマ漫画家。ゴルフ好きが高じて雑誌でラウンドレポートなども展開。

    連載

    木村和久のおやじが気になる旬なゴルフ情報

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