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    風は敵にも味方にもせず無視をするのが得策【ゴルフが整う自律神経のトリセツ】

    春一番の季節。風を征服して好スコアを出したいところだが、「アマチュアは風を意識したら終わりです」と、順天堂大学医学部の小林弘幸教授はいう。風と戦ってはいけない。敵にするのでも味方にするのでもなく、無視するのが一番だ。

    配信日時:2023年3月16日 23時30分

    • ゴルフライフ
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    イラスト・のり
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    春先のラウンドは風の強い日に当たることがよくあります。この時季はプロの試合でも、会場がシーサイドだったりすると、スコアを崩す選手も少なくありません。

    ■風と戦ってしまうとミスの連鎖に陥る
     
    強風下でのゴルフは普通ならしなくてもいいことをするぶん、ストレスがかかって自律神経を乱しますし、それ以上に打球のコントロールが格段に難しくなるのでしょう。
     
    アマチュアの場合、風を意識したらそこでゴルフは終わりです。どうしても風と戦ってしまうからです。どういうことかというと、例えば左から風が吹いているときに「フェアウェイ左端を狙って打とう」くらいのポイントは、たいていの人が実行できると思います。
     
    しかし、風と戦おうとすると「左バンカーからフェードをかけ、風に乗せて花道に落とす」「持ち球のドローで風とケンカさせてフェアウェイセンターに落とす」というように、プロが打つような球筋をイメージしがちです。
     
    教科書的には間違いといえないのでしょうが、確率的に見れば身の丈以上の願望にすぎません。普段練習場でさえドロー、フェードの打ち分けができない人に、プロでも難しい、その時々の風に適したボールを打ち分けることなどできっこありません。無理に実行して失敗するのは明らかですし、モチベーションは低下し、焦って自律神経のバランスを崩しプレーも落ち着かなくなります。
     
    ■身の丈以上のことをしないほうが安定する
     
    このような悪循環に陥らないためには、たとえ朝から強風が吹いていても「今日は風なんかない」と、自分で自分に言い聞かせて行動することが大切です。頭の中の風という意
    識にフタをして考えない。つまり無視するのです。
     
    そうするとティイングエリアで芝をちぎり、風向きや強さを調べる必要はなくなります。ジャンパーの袖やパンツの裾が少々はためいても気にしませんから、仕切り直すこと
    もなくなります。
     
    それより何より、球筋をコントロールして打球を風に乗せたり、風とケンカさせるイメージをする必要もありません。できないことをしないから不安がなく、自分のショットに自信を持って伸び伸び打てるのです。
     
    いつものリズムでゴルフを楽しむことで交感神経は抑えられて副交感神経もキープでき、かえってミスはずっと少なくなるでしょう。
     
    風がない(と思う)なら、アゲンストだろうとフォローだろうと、いつものように70%のショットが打てれば成功です。飛ばす必要もありません。ドライバーもアイアンもクラブを短く持って、いつものスイングを心がけましょう。
     
    短く持つぶんコンパクトに振りますので芯に当たるはずです。風を無視することによって、自律神経もフェース面もコントロールできます。(文・小林弘幸 構成・野上雅子)
     
    ●小林弘幸/順天堂大学医学部教授 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
    1960年生まれ、埼玉県出身。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手やアーティストのパフォーマンス向上指導にかかわる。自律神経のバランスを意識的にコントロールすることにより心身の潜在能力を最大限発揮できることを提案し、テレビ番組等で解説している。著書も多数あり、2022年12月『ゴルフが上達する自律神経72の整え方』(法研)を刊行。

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