タイガー・ウッズが史上5人目のグランドスラムを達成した平成12年（2000年）【雑誌「ALBA（アルバ）」で振り返る平成のゴルフ】

【主なできごと】女子マラソンで高橋尚子さんが金メダルを獲得したシドニーオリンピックが開催。ベストセラーにJ・K・ローリング氏の「ハリー･ポッターと秘密の部屋」が選出。都営地下鉄大江戸線が全線開通。 【賞金王／女王】 国内男子：片山晋呉 国内女子：不動裕理 米国男子：タイガー・ウッズ 米国女子：カリー・ウェブ 【平成12年に発行された号】 307号（平成12年1月13日発行）〜330号（平成12年12月28日発行）

配信日時：2019年4月1日 10時00分

ゴルフライフ

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ついに「平成」が2019年4月30日を最後に幕を閉じる。
この31年間、ゴルフ界もさまざまな出来事があった。

そこでALBA.Netでは、平成の30年間を走り続けてきたALBA.Netの兄弟メディアである雑誌「ALBA-TrossView（アルバ-トロスビュー）」で、平成のゴルフを振り返る。

ALBA.Netが誕生する前年、平成18年（2006年）までを当時の記事とともに振り返ろう。

2000年（平成12年）のタイガー・ウッズがグランドスラムを達成した直後に発行された321号は、タイガーのレッスン大特集が組まれた。

尾崎直道と福嶋晃子が松坂大輔＆上原浩治と一緒に「’99年報知プロスポーツ大賞」に選出される ALBA308号

1999年に海外メジャーを含んだ賞金ランキングで1位、平均ストローク、平均パット数など5部門で1位に名を連ねた尾崎直道と、米国ツアーに進出した1年目で早々に2勝をあげた福嶋晃子が「’99年報知プロスポーツ大賞」を受賞した。

素晴らしい功績をあげた二人と一緒に受賞したのは、当時西武ライオンズに所属していた松坂大輔と読売ジャイアンツに所属していた上原浩治。直道が松坂に「今度ゴルフを教えようか？」というと、松坂が「お願いします！」と笑顔で返す、種目の垣根を越えた豪華な絡みが見られた。

トッププロたちの間でマレット型パターやクロスハンドグリップが増えた！ ALBA317号

活躍しているプロのパッティングはみな特徴的だということで、パターの型とグリップにフォーカスをあてたパッティング特集が組まれた。

田中秀道が優勝したときに「パットがしびれそうになっても、マレットはヘッドが重たいのでスムーズに振れた」と発言したことや、ジャンボ尾崎が惨敗したとき、もともと使っていたマレット型に戻すことを宣言したのがきっかけとなり、マレット型が当時脚光を浴びた。

全米ゴルフ協会（USGA）が飛び過ぎドライバー11本を不適合クラブと発表 ALBA318号

全米ゴルフ協会（USGA）が飛び過ぎを理由に使用禁止としたドライバー11本。禁止となったのは米国とメキシコのみで、日本では当時使用禁止とならなかった。これら飛び過ぎドライバーの最大の特長は、フェース面が肉薄であること。これがトランポリン効果となっているというのがUSGAの意見だった。

誌面では、禁止クラブとなった中からいくつかを抜粋し、5人のテスターが飛びを体感。各クラブともテスターたちが当時使用中のクラブより10ヤードから30ヤード飛ぶという驚きの結果となった。特に、抜群の飛びをテスターたちが実感したのがキャロウェイの「ERCフォージド・チタン」だった。

当時17歳の古閑美保が日本女子オープンでベストアマに選ばれる ALBA320号

当時の日本女子ツアー期待の新星として紹介されていたのは、このころ17歳の古閑美保。2000年（平成12年）の「日本女子オープン」でトータル9オーバーで9位タイに入り、ベストアマに輝いた。

当時の誌面では、高校卒業後にプロテストを受けてプロ入り、もしくはアメリカでの活躍も見据えて米国ツアーの予選会に出場するのでは、と紹介。結果、高校卒業後にプロテストを受けて平成13年（2001年）にプロ入りを果たした。

タイガー・ウッズが全英オープンを制して史上5人目のグランドスラム達成！ALBA322号

タイガー・ウッズが2000年（平成12年）の全英オープンで優勝したことで、史上5人目のグランドスラムを達成した。タイガーは当時24歳7カ月。それまでジャック・ニクラスの26歳6カ月が最年少記録だったが、2歳も若い年齢で更新してしまった。

さらに年齢だけでなく、プロ転向後3年11カ月での達成は最速となった。こちらは、ニクラスの4年7カ月を8カ月も早く更新した。

グランドスラム達成者は2000年のタイガー以降誰もいない。リーチがかかるローリー・マキロイ、ジョーダン・スピース、フィル・ミケルソンのグランドスラム達成に今年は期待したいところだ。

ジャック・ニクラウスが全米・全英オープンに別れを告げる ALBA322号

世界のビッグ3の一人、ジャック・ニクラウスが全米オープンと全英オープンに別れを告げたのは2000年（平成12年）。1月に当時60歳を迎えたニクラウスは翌年からの出場資格がなくなるため、二つのメジャーに別れを告げた。

ニクラウスは、同年の8月に最後の全米プロ選手権への出場を果たした。ちなみにマスターズは出場資格に年齢制限を設けておらず、歴代優勝者は生涯出場権を獲得できる。そのため、ニクラウスは60歳を過ぎてもマスターズには出場し続けたが、2005年（当時65歳）を最後に以降は出場を辞退している。

タイガー・ウッズとカーリー・ウェブの活躍で米国ゴルフ界に好景気 ALBA324号

2000年（平成12年）は、タイガー・ウッズとカーリー・ウェブの全盛期。米国では各スポーツのスーパースターを抑えて、この二人が特にアツイと注目を集めていた。

同年、タイガーはグランドスラム達成に加えて年間9勝。そんな大スター見たさにタイガーが出場する大会の前売り券は早々に完売、入場者数も急増。さらに、毎試合約3万人ものギャラリーがタイガーにつくという大人気ぶり。あまりのフィーバーに、米国ツアーはスポンサー希望が後を絶たなかった。

一方、女子ツアーの盛り上がりも負けていない。女版タイガーの異名をもち、同年に6勝をあげたカーリー・ウェブは、母国オーストラリアで開催されたシドニーオリンピックの聖火ランナーにグレッグ・ノーマンとともに選ばれた。ウェブの2000年（平成12年）の賞金金額は1876万853ドル。日本円に換算して約2億645万円を稼ぎ、年間最多賞金額を更新した。タイガーほどの強烈なイメージには及ばないが、史上最強女子プロとしてスポンサー契約などの争奪戦が激化するだろうと当時の本誌で紹介していた。