第2回『ゴルフボールって野いちごだったの?』
ゴルフの秘密を多角的に探ってみましょう。
配信日時:2019年3月11日 06時00分
ゴルフを始めたときに、誰もが口にするのが「もっと早く始めれば良かった」というセリフです。ゴルフをしない人にとって、酸いも甘いも知り尽くした偉い人までゴルフに夢中になっているのは不思議なもので、ゴルフをしている人も夢中になりすぎて、ゴルフの魅力を説明できないという奇妙な現実もあります。ゴルフの秘密を探ってみましょう。
今回は、ゴルフボールに凹みがある不思議についてのお話です。
ゴルフをしなくとも、ゴルフボールは多くの人が知っています。表面に凹みがたくさんついているボールは、まさにゴルフを象徴するものです。あの凸凹はどうしてあるのでしょう? 結論から書くと、あの凹みは300個〜400個ついていて、ボールを遠くまで飛ばすために機能します。中身は同じまま、表面をツルツルにしたボールは、凹みがあるものに比べて半分しか飛ばないのです。
初期のゴルフボールは、フェザーボールと呼ばれる職人技で作ったものでした。濡らした羽毛を動物の皮で作った表皮の中にギュウギュウに詰め込んで、野球の公式ボールのように縫い合わせたものです。このフェザーボールは、職人によってバラツキがあるもののボールとしてはかなり優秀でしたが、大量に作れなかったこともあって、フェザーボールは高価でした。大金持ちと貴族たちしかゴルフをしなかったのは、ボールが高かったという理由もあったようです。
今回は、ゴルフボールに凹みがある不思議についてのお話です。
ゴルフをしなくとも、ゴルフボールは多くの人が知っています。表面に凹みがたくさんついているボールは、まさにゴルフを象徴するものです。あの凸凹はどうしてあるのでしょう? 結論から書くと、あの凹みは300個〜400個ついていて、ボールを遠くまで飛ばすために機能します。中身は同じまま、表面をツルツルにしたボールは、凹みがあるものに比べて半分しか飛ばないのです。
初期のゴルフボールは、フェザーボールと呼ばれる職人技で作ったものでした。濡らした羽毛を動物の皮で作った表皮の中にギュウギュウに詰め込んで、野球の公式ボールのように縫い合わせたものです。このフェザーボールは、職人によってバラツキがあるもののボールとしてはかなり優秀でしたが、大量に作れなかったこともあって、フェザーボールは高価でした。大金持ちと貴族たちしかゴルフをしなかったのは、ボールが高かったという理由もあったようです。
19世紀になって、ボールは大きく進化します。東南アジアから送られてくる荷物を守る保護材で使われていたゴムは、荷物を開けた後には不要なものとして捨てていました。そのゴムにゴルファーたちが目をつけました。暖炉などで温めると形が自由に出来るゴムの特性を利用して、型を作ってボールを作り始めたのです。現在でいうと、たい焼きを焼く金型です。安価で簡単に作れるボールは、ガータパーチャと名付けられて(通称・ガがッティ)、一気に広がっていきました。
ガッティが広がっていくきっかけは『傷』でした。ゴムのボールは、打っていて傷めば、再び型に入れて温めれば新品に戻ります。それはプラスのはずでしたが、新しくしたボールより、傷だらけのボールのほうが飛ぶということにゴルファーたちは気がついたのです。
凸凹をつければ飛ぶのだとわかったゴルファーは、金型の内側に無数の凹みをつけました。出来上がったボールはたくさんの出っ張りがあるつぶつぶのボールになりました。形状が似ていることから「木イチゴ(ブランプル)」と呼ばれました。
その後、改良が加えられて、凹みのほうがより耐久性もあり、安定してボール飛ぶことから現在の凹み「ディンプル」につながっていきます。ちなみに、ディンプルは「えくぼ」という意味です。偶然の発見がゴルフボールを驚異的に飛ぶようにしたのです。
このディンプルの進化はもっと続くのですけど…… それはまた、別のお話。
文・篠原嗣典/画像・GettyImages
ガッティが広がっていくきっかけは『傷』でした。ゴムのボールは、打っていて傷めば、再び型に入れて温めれば新品に戻ります。それはプラスのはずでしたが、新しくしたボールより、傷だらけのボールのほうが飛ぶということにゴルファーたちは気がついたのです。
凸凹をつければ飛ぶのだとわかったゴルファーは、金型の内側に無数の凹みをつけました。出来上がったボールはたくさんの出っ張りがあるつぶつぶのボールになりました。形状が似ていることから「木イチゴ(ブランプル)」と呼ばれました。
その後、改良が加えられて、凹みのほうがより耐久性もあり、安定してボール飛ぶことから現在の凹み「ディンプル」につながっていきます。ちなみに、ディンプルは「えくぼ」という意味です。偶然の発見がゴルフボールを驚異的に飛ぶようにしたのです。
このディンプルの進化はもっと続くのですけど…… それはまた、別のお話。
文・篠原嗣典/画像・GettyImages