第17回『ボールを自分で用意するの?』
ゴルフの秘密を多角的に探ってみましょう。
配信日時:2019年6月24日 06時00分
ゴルフを始めたときに、誰もが口にするのが「もっと早く始めれば良かった」というセリフです。ゴルフをしない人にとって、酸いも甘いも知り尽くした偉い人までゴルフに夢中になっているのは不思議なもので、ゴルフをしている人も夢中になりすぎて、ゴルフの魅力を説明できないという奇妙な現実もあります。ゴルフの秘密を探ってみましょう。
今回は、ボールを自分で用意するの? というお話です。
「ゴルフボールは1個500円ぐらいするのに、1ダースは買わないとダメだなんて…… やはりブルジョアのお遊びなんですね」
と言った若者に会いました。半分本当で、半分は誤解です。
メジャーな球技では、サッカーでも、野球でも、テニスでも、ラグビーでも、ボールは個人の持ち物を使うのではなく、運営サイドが準備した規格通りの公式球を使います。しかし、ゴルフは、ボールという部分ではスペシャルなのです。ゴルフボールにもルールで決められた厳格な規格はありますが、市場には常に数十種類のボールがあって、自由にゴルファーが選んで、使用して良いのです。メジャーな球技で、プレーヤーが好きなボールを持参して、使用するのはゴルフだけです。
価格は高いものだと1個で千円ぐらいしますが、多くは1個で500円から300円です。たった1回打っただけで、なくなってしまうこともあるので、初めのうちは18ホールで1ダースぐらい持っていたほうが良いというわけです。耐久性能は高いので、18ホールを数回、1個のボールでプレーすることも可能です。初級者の頃は、ボールをなくしやすいので、中古のボールを含めて、もっと安いボールを選ぶことも可能です。だから、毎回ボール代だけで数千円も支払うという算段は、本人次第なのです。
ボールがなければゴルフはできません。だから、多めにボールの準備をしておくことが定石になっているのです。一般的な生活で、数百円のものを1回しか使わずに捨てることはあまりありませんから、ゴルフは富裕層の遊びだと断じるロジックはわかりますが…… 事情は複雑なのです。
今回は、ボールを自分で用意するの? というお話です。
「ゴルフボールは1個500円ぐらいするのに、1ダースは買わないとダメだなんて…… やはりブルジョアのお遊びなんですね」
と言った若者に会いました。半分本当で、半分は誤解です。
メジャーな球技では、サッカーでも、野球でも、テニスでも、ラグビーでも、ボールは個人の持ち物を使うのではなく、運営サイドが準備した規格通りの公式球を使います。しかし、ゴルフは、ボールという部分ではスペシャルなのです。ゴルフボールにもルールで決められた厳格な規格はありますが、市場には常に数十種類のボールがあって、自由にゴルファーが選んで、使用して良いのです。メジャーな球技で、プレーヤーが好きなボールを持参して、使用するのはゴルフだけです。
価格は高いものだと1個で千円ぐらいしますが、多くは1個で500円から300円です。たった1回打っただけで、なくなってしまうこともあるので、初めのうちは18ホールで1ダースぐらい持っていたほうが良いというわけです。耐久性能は高いので、18ホールを数回、1個のボールでプレーすることも可能です。初級者の頃は、ボールをなくしやすいので、中古のボールを含めて、もっと安いボールを選ぶことも可能です。だから、毎回ボール代だけで数千円も支払うという算段は、本人次第なのです。
ボールがなければゴルフはできません。だから、多めにボールの準備をしておくことが定石になっているのです。一般的な生活で、数百円のものを1回しか使わずに捨てることはあまりありませんから、ゴルフは富裕層の遊びだと断じるロジックはわかりますが…… 事情は複雑なのです。
ゴルフボールは、老若男女すべてのゴルファーに合うボールを選べるように作られているので種類が多く、科学技術を結集させた最先端のものは少しだけ金額が高いのです。
ゴルフのやり始めは、ボールの違いはわからないものですが、徐々に経験を積んでいくうちにボールの個性がわかるようになります。そうなると、値段ではなく、自分に合っているかどうかが優先するようになるのです。実際に、トッププロゴルファーでさえ、自分に合ったボールでなければ思い通りのゴルフをすることができないのです。
面白いことに、ゴルフを始めてある程度の時間が経つと「ボールが高い」とか、「ボールがもったいない」という感覚がなくなってしまうようで、不満として耳にすることはなくなります。あらゆる球技の中で、最も遠くまでボールを飛ばせるゴルフの魅力の何割かはゴルフボールの性能が支えています。100メートル以上も先にあるグリーンに狙い澄ませてボールを止める正確性も同様です。
それにプラスして、打ったときの手応えや打音の大小や高低などなど…… ゴルフボールにゴルファーが求める個性は無限大です。
ゴルフボールにこだわりがあるようになったら、ゴルフの底なしの面白さがわかってきた証拠です。ボールを打たなくとも、ボールのことを語り合えば、ゴルファーとしてその人のことがわかってしまうこともあるのも、ゴルフの偉大な魅力の一つなのです。
さて、ボールの大発明の一つは缶ビールがきっかけだった、という話も面白いのですが…… それはまた、別のお話。
文・篠原嗣典/画像・GettyImages
ゴルフのやり始めは、ボールの違いはわからないものですが、徐々に経験を積んでいくうちにボールの個性がわかるようになります。そうなると、値段ではなく、自分に合っているかどうかが優先するようになるのです。実際に、トッププロゴルファーでさえ、自分に合ったボールでなければ思い通りのゴルフをすることができないのです。
面白いことに、ゴルフを始めてある程度の時間が経つと「ボールが高い」とか、「ボールがもったいない」という感覚がなくなってしまうようで、不満として耳にすることはなくなります。あらゆる球技の中で、最も遠くまでボールを飛ばせるゴルフの魅力の何割かはゴルフボールの性能が支えています。100メートル以上も先にあるグリーンに狙い澄ませてボールを止める正確性も同様です。
それにプラスして、打ったときの手応えや打音の大小や高低などなど…… ゴルフボールにゴルファーが求める個性は無限大です。
ゴルフボールにこだわりがあるようになったら、ゴルフの底なしの面白さがわかってきた証拠です。ボールを打たなくとも、ボールのことを語り合えば、ゴルファーとしてその人のことがわかってしまうこともあるのも、ゴルフの偉大な魅力の一つなのです。
さて、ボールの大発明の一つは缶ビールがきっかけだった、という話も面白いのですが…… それはまた、別のお話。
文・篠原嗣典/画像・GettyImages