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第25回『キャディーさんって何するの?』

第25回『キャディーさんって何するの?』

ゴルフの秘密を多角的に探ってみましょう。

配信日時:2019年8月19日 06時00分

ゴルフを始めたときに、誰もが口にするのが「もっと早く始めれば良かった」というセリフです。ゴルフをしない人にとって、酸いも甘いも知り尽くした偉い人までゴルフに夢中になっているのは不思議なもので、ゴルフをしている人も夢中になりすぎて、ゴルフの魅力を説明できないという奇妙な現実もあります。ゴルフの秘密を探ってみましょう。

今回は、キャディーさんって何するの? というお話です。

21世紀になってからゴルフを始めたゴルファーの多くは、キャディー付きのゴルフを未経験だというデータがあります。昭和の時代には、ほぼ全てのコースでキャディー付きのプレーが強制されていました。現在とは逆に、セルフプレーを未経験だというゴルファーのほうが多かったのです。変われば変わるものです。

プレー中、キャディーは、ゴルファーの唯一の味方です。クラブを渡してくれたり、ボールを拭いてくれたり、一緒に距離やラインを確認したりもします。キャディー付きのほうがスコアが良いというデータもあるほどです。レベルが高くなればなるほど、ゴルファーとキャディーは二人三脚でプレーするようになるのです。

とはいえ、一般的なゴルフでは、キャディーは飛行機に乗ったときのCAさんのような存在です。お互いの立場を尊重しながら、旅の間だけ助けてもらうイメージです。奴隷や召使いではなく、パートナーだと考えて接することが正解なのです。
現在でも、ごく一部ですが、キャディー付きのプレーが強制されるコースもあります。セルフプレーのみのコースも増えましたが、どちらかを選択できるコースもまだたくさんあります。機会があったら経験してみることをオススメします。費用はかかりますが、ゴルフにおいて全ての経験はプラスになるものだからです。

欧米では、現在の日本のようにセルフプレーが基本です。キャディーは、コースが割り振るものではなく、プレーヤーと個別の契約になることもあります。費用は日本より高額になりますが、理由は簡単で、一人のプレーヤーに一人のキャディーが付くケースが多いからです。日本は、一組に一人の共用キャディーという制度が浸透しているので、自分だけのキャディーが付くというのは滅多に経験できません。

ちなみに、欧米のゴルファーが日本のキャディーを見て驚くことがあります。女性が圧倒的に多いからです。欧米では肉体労働であるキャディー業務を女性にさせるという考え方がそもそもないようで、常識を疑うと不愉快に感じる人すらいます。アジア諸国に女性キャディーが多いのは、日本のゴルフ文化が浸透した結果なのだそうです。

かつての日本のゴルフシーンでは、キャディーをいち早く自分の味方にできることは、尊敬される上級ゴルファーとしてのテクニックの一つでした。セルフでも、キャディー付きでも、ゴルフは楽しいのです。自分に合ったプレースタイルを知ることで、ゴルフは何倍も面白くなることも知っておきたいものです。

さて、キャディーってフランス語なの? という話も面白いのですが…… それはまた、別のお話。



文・篠原嗣典/画像・GettyImages

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