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第29回『禁煙、禁酒、正解はあるの?』

第29回『禁煙、禁酒、正解はあるの?』

ゴルフの秘密を多角的に探ってみましょう。

配信日時:2019年9月16日 15時00分

ゴルフを始めたときに、誰もが口にするのが「もっと早く始めれば良かった」というセリフです。ゴルフをしない人にとって、酸いも甘いも知り尽くした偉い人までゴルフに夢中になっているのは不思議なもので、ゴルフをしている人も夢中になりすぎて、ゴルフの魅力を説明できないという奇妙な現実もあります。ゴルフの秘密を探ってみましょう。

今回は、禁煙、禁酒、正解はあるの? というお話です。

「ゴルフはスポーツじゃない」と目くじらを立てる人がいます。話を聞くと、よく出てくる理由が「煙草を吸いながらやるなんてけしからん」というものと、「アルコールを飲みながらプレーするのはふざけている」というものだったりします。そのような論点で語るのであれば、ゴルフはスポーツではないのだと思います。

ゴルフは、スポーツが定義される遙か昔からプレーされていました。ゴルフは競技という部分だけを切り取ると実に奇妙なのです。

18ホールをプレーするのに、普通は4時間はかかっていますが、1ストロークに1分かかったとして、100打の場合は100分です。4時間は240分ですから、半分以上の時間は打っていない時間です。こんな競技は、他にはありません。実に奇妙、というわけです。

ゴルフは原則として、スタートホールでボールを打ち始めて、最終ホールをホールアウトするまでがプレー中となります。打っていない時間は、マナーさえ守れば、プレーヤーの自由であることもゴルフの特徴なのです。
コースが定めた場所であれば、煙草を吸って落ち着くのも良いでしょうし、アルコールも周囲の迷惑にならないのであれば嗜みながらゴルフをするのも、それぞれのスタイルとして、ゴルフの内です。

ゴルフの常識も、プレーヤーたちの認識で変化するものです。昭和の時代、社用族がゴルフを支えていた頃は、朝、スタート前からレストランでビールをガンガン飲んで、ランチでも飲んで、プレー後も風呂を出て、もう一杯なんていうゴルファーが当たり前にいました。平成を経て、今では、そういう飲みっぱなしというゴルファーはほとんどいません。

煙草に関しても、あらゆる場所に灰皿があって、吸い放題だった時代は遙か昔のことで、現在では喫煙エリアのみというルールに従うようになりましたので、喫煙しながらプレーするなんてことはほぼなくなりました。

ゴルフは、突き詰めれば、メンタルのゲームです。単なる球打ちの遊びではないのです。同伴者やコースにいる人たちへの心遣いや心配りは、メンタルを試すテストのようなものでもあります。誰にも迷惑をかけずに、一服するのも、一献傾けるのも、ゴルフの内です。ゴルファーの数だけ、ゴルフの楽しさは用意されているのです。

さて、ゴルフコースのカレーはなぜ高いのか? という話も面白いのですが…… それはまた、別のお話。



文・篠原嗣典/画像・GettyImages

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