サラリとカシミヤのセーターを着てプレーするのは、防寒ばかりが気にかかるゴルフスタイルの中で、さりげない贅沢。今回の目利きである、ヴィクトリアゴルフ新宿店の佐藤千春さんは、上質な風合いとは別のカシミヤの長所を教えてくれる。

「カシミヤの需要が下がることはありません。たとえば素材に敏感で、ウールが苦手という人が、カシミヤなら気にならないからと選んだり、ニットウエアによく用いられる、機能的なアクリル素材などよりも、カシミヤが明らかに暖かいことを知っていて、指名買いする人などによく出会います。もちろんギフトとしての選ぶ人も多いのですが」。

「ファストファッション系のリーズナブルなカシミヤが出てきたこともあって、以前よりも身近になってきたカシミヤのセーター。ですが、このセーターを含めて、ゴルフウエアとして店頭に並ぶカシミヤの多くは、ファストファッション系よりも生地感は厚く耐久性があり、しっかりと密に編まれています。お値段ははるのですが、その分、クオリティも高いというわけです」。

「暖かさはもちろん、ソフトで繊細さをもつ豊かな風合いがカシミヤの大きな魅力です。ですが、もうひとつ見落とせないのが機能性です。もちろん化繊の伸び伸びストレッチにはかないませんが、天然素材としては伸縮性に優れているのもカシミヤの長所。ただ伸びるだけならば、ほかの天然素材でも実感できますが、伸びたあとで縮んで、戻るという特性が、天然素材の中でカシミヤが優れているところです。贅沢なだけでなく、使える天然素材でもあるのです」。


カシミヤ100％　
￥30,000（パーリーゲイツ）

今日の目利き
佐藤千春
（ヴィクトリアゴルフ新宿店ゴルフウエア担当）

商品の企画、販売と10年近くゴルフウエアに携わる。商品企画として作り手側にいた経験から、商品にぶら下がっている機能を示すタグだけではわからない、隠れた機能や使い勝手のよさを見抜いていくエキスパート。