第43回『カートはどうして左ハンドル?』
ゴルフの秘密を多角的に探ってみましょう。
配信日時:2019年12月23日 06時00分
ゴルフを始めたときに、誰もが口にするのが「もっと早く始めれば良かった」というセリフです。ゴルフをしない人にとって、酸いも甘いも知り尽くした偉い人までゴルフに夢中になっているのは不思議なもので、ゴルフをしている人も夢中になりすぎて、ゴルフの魅力を説明できないという奇妙な現実もあります。ゴルフの秘密を探ってみましょう。
今回は、カートはどうして左ハンドル? というお話です。
21世紀になって、日本のゴルフシーンでは乗用カートに乗ってセルフプレーするというのが当たり前になりました。乗用カートの運転は、自動車の運転免許を所有している人がすることが奨励されていますが、乗用カートは、ブレーキとアクセルの二つのペダルとハンドルで操作できます。それは、ゴーカートのように簡単に誰でも扱えるようにするという思想で製造されて、今日まで運用されてきた歴史の証明です。
初級者は、ゴルフよりも先にカートの運転が一人前になる、ということも、当たり前になりつつあります。
さて、慣れてくると、日本でゴルフをする人なら誰でも、一度は疑問に思うことがあるのです。
「どうしてカートは左ハンドルなんだろうか?」
あるオールドゴルファーは答えました。
「元々アメリカで乗用カートのゴルフは広まったので左ハンドルなんだよ。そのうち日本仕様で右ハンドルの乗用カートも出てくるはずだよ」
別のゴルファーは言います。
「基本設計を左ハンドルにして広まったので、いまさら右ハンドルを一から作るのは無理。コストを考えれば永遠に左ハンドルだよ」
コース関係者は囁きました。
「カート道路を作ったときに左ハンドルのカートでの乗り降りを考慮して道路を設計したので、右ハンドルのカートがあっても絶対に採用できない」
今回は、カートはどうして左ハンドル? というお話です。
21世紀になって、日本のゴルフシーンでは乗用カートに乗ってセルフプレーするというのが当たり前になりました。乗用カートの運転は、自動車の運転免許を所有している人がすることが奨励されていますが、乗用カートは、ブレーキとアクセルの二つのペダルとハンドルで操作できます。それは、ゴーカートのように簡単に誰でも扱えるようにするという思想で製造されて、今日まで運用されてきた歴史の証明です。
初級者は、ゴルフよりも先にカートの運転が一人前になる、ということも、当たり前になりつつあります。
さて、慣れてくると、日本でゴルフをする人なら誰でも、一度は疑問に思うことがあるのです。
「どうしてカートは左ハンドルなんだろうか?」
あるオールドゴルファーは答えました。
「元々アメリカで乗用カートのゴルフは広まったので左ハンドルなんだよ。そのうち日本仕様で右ハンドルの乗用カートも出てくるはずだよ」
別のゴルファーは言います。
「基本設計を左ハンドルにして広まったので、いまさら右ハンドルを一から作るのは無理。コストを考えれば永遠に左ハンドルだよ」
コース関係者は囁きました。
「カート道路を作ったときに左ハンドルのカートでの乗り降りを考慮して道路を設計したので、右ハンドルのカートがあっても絶対に採用できない」
色々な説や意見があるのです。乗用カートのハンドル問題でもゴルフ談義ができるのは、ゴルフの魅力の一つです。
専門家は回答しました。
「左ハンドルのエリアでカートが広まったのが始まりですが、カートを作っているメーカーは日立やヤマハ他、日本のメーカーですので、右ハンドルに慣れている日本で期待があることは承知しています。ただし、安全面で左ハンドルならブレーキが踏みやすい外側に位置することも大きいのです。右ハンドルにすると、ブレーキが内側のペダルになって、緊急時のシミュレーションをすると左ハンドルのほうが安全なのです」
どうして、カートは左ハンドルなのか? コストの関係や運用するコースの要望などの説も、説得力がありますが、どうやら、安全面で左ハンドルが優位ということが最大の理由のようです。
ゴルフコース内でのカートの事故は、あちこちで起きています。死亡事故もあります。飲酒運転での操作ミスや、高齢ドライバーの操作ミスなど、実社会での自動車事故と原因は同じようです。
カートを使いこなすのは、安全が最優先で、速度やテクニックなどはどうでも良いのです。安全に楽しんでこそゴルフです。それを確認する意味でも、カートの左ハンドルについて考えてみるのもゴルフの内なのです。
さて、コース内乗り入れ可と不可では何が違うの? という話も面白いのですが…… それはまた、別のお話。
文・篠原嗣典/画像・GettyImages
専門家は回答しました。
「左ハンドルのエリアでカートが広まったのが始まりですが、カートを作っているメーカーは日立やヤマハ他、日本のメーカーですので、右ハンドルに慣れている日本で期待があることは承知しています。ただし、安全面で左ハンドルならブレーキが踏みやすい外側に位置することも大きいのです。右ハンドルにすると、ブレーキが内側のペダルになって、緊急時のシミュレーションをすると左ハンドルのほうが安全なのです」
どうして、カートは左ハンドルなのか? コストの関係や運用するコースの要望などの説も、説得力がありますが、どうやら、安全面で左ハンドルが優位ということが最大の理由のようです。
ゴルフコース内でのカートの事故は、あちこちで起きています。死亡事故もあります。飲酒運転での操作ミスや、高齢ドライバーの操作ミスなど、実社会での自動車事故と原因は同じようです。
カートを使いこなすのは、安全が最優先で、速度やテクニックなどはどうでも良いのです。安全に楽しんでこそゴルフです。それを確認する意味でも、カートの左ハンドルについて考えてみるのもゴルフの内なのです。
さて、コース内乗り入れ可と不可では何が違うの? という話も面白いのですが…… それはまた、別のお話。
文・篠原嗣典/画像・GettyImages