第44回『ヘッドカバーは必要ですか?』
ゴルフの秘密を多角的に探ってみましょう。
配信日時:2019年12月30日 06時00分
ゴルフを始めたときに、誰もが口にするのが「もっと早く始めれば良かった」というセリフです。ゴルフをしない人にとって、酸いも甘いも知り尽くした偉い人までゴルフに夢中になっているのは不思議なもので、ゴルフをしている人も夢中になりすぎて、ゴルフの魅力を説明できないという奇妙な現実もあります。ゴルフの秘密を探ってみましょう。
今回は、ヘッドカバーは必要ですか? というお話です。
ヘッドカバーは、ゴルフ用具として面白いアイテムです。機能的な意味では、ゴルファーを助けていないように思えるのに、ヘッドカバーをしていないゴルファーは皆無です。ドライバー、フェアウェイウッドなどのウッド系のクラブは、原則としてヘッドカバーをする代表的なクラブです。最近では、パターもヘッドカバーをするのが普通になってきています。
ヘッドカバーは、クラブを傷つけないようにするアイテムです。ウッド系のクラブには、構えたときにゴルファーが見るクラウンと呼ばれる部分があります。クラブヘッドを家に例えると、ソールは床で、クラウンは天井や屋根です。このクラウンは、美しく塗装されています。自動車のボディーのように繊細な構造の塗装です。
この塗装は、硬いものが当たったり、凸凹があるものがこすれたりすると、傷つきます。構えるたびに、傷を目にするのを気にしないゴルファーもいますが、多くのゴルファーは傷が付いたクラウンを見ると残念に思うのです。
主に移動中にクラブが動いて、当たり傷ができるものなので、ヘッドカバーで保護するわけです。よって、プレー中は面倒だから外したままにするという人もいます。アイアンを取り出すときに、ウッドのクラウンに当たらないように注意すれば、大きな傷はできないからです。とはいっても、傷が付く可能性は0%にはならないので、使用するときだけ外して、ヘッドカバーは常にしているゴルファーもいます。
ゴルフは他者の迷惑にならなければ、基本的には何事も自由に選択することができます。ヘッドカバーも、同様です。
今回は、ヘッドカバーは必要ですか? というお話です。
ヘッドカバーは、ゴルフ用具として面白いアイテムです。機能的な意味では、ゴルファーを助けていないように思えるのに、ヘッドカバーをしていないゴルファーは皆無です。ドライバー、フェアウェイウッドなどのウッド系のクラブは、原則としてヘッドカバーをする代表的なクラブです。最近では、パターもヘッドカバーをするのが普通になってきています。
ヘッドカバーは、クラブを傷つけないようにするアイテムです。ウッド系のクラブには、構えたときにゴルファーが見るクラウンと呼ばれる部分があります。クラブヘッドを家に例えると、ソールは床で、クラウンは天井や屋根です。このクラウンは、美しく塗装されています。自動車のボディーのように繊細な構造の塗装です。
この塗装は、硬いものが当たったり、凸凹があるものがこすれたりすると、傷つきます。構えるたびに、傷を目にするのを気にしないゴルファーもいますが、多くのゴルファーは傷が付いたクラウンを見ると残念に思うのです。
主に移動中にクラブが動いて、当たり傷ができるものなので、ヘッドカバーで保護するわけです。よって、プレー中は面倒だから外したままにするという人もいます。アイアンを取り出すときに、ウッドのクラウンに当たらないように注意すれば、大きな傷はできないからです。とはいっても、傷が付く可能性は0%にはならないので、使用するときだけ外して、ヘッドカバーは常にしているゴルファーもいます。
ゴルフは他者の迷惑にならなければ、基本的には何事も自由に選択することができます。ヘッドカバーも、同様です。
あまり注目されませんが、最近、増えているトラブルがあります。
パターのヘッドカバーです。カートの多くは、同伴者のパターを一カ所に集めて利用するようになっています。その際に、パターカバーをしない人がいることがあります。剥き出しのパターが1本だけなら、他の人がカバーをしていれば、傷をつける心配はないからと考えがちなのですが、盲点があるのです。大型ヘッドのパターカバーは、ネックがカバーされずに剥き出しなのが普通です。このネックと剥き出しのパターがぶつかると、パターネックの表面の塗装がハゲてしまうのです。
ネックの塗装が少しぐらい傷ついても、と考えるには、パターは繊細過ぎる用具のようで、多くの人が、それを理由にパターを新品にしているそうです。そして、思うのです。「あの裸のパター野郎とは、二度と一緒にプレーするのは嫌だね」
どうしても、パターカバーをするのが面倒ならば、自分のバックにパターを戻して、他の人と一緒にならないようにすれば解決します。ほんの少しの心遣いで、みんなが幸せです。自分の知らないところで、嫌われてしまうのは避けたいものです。
ヘッドカバーは多弁です。その使い方でも、どんなものを使っているかでも、そのゴルファーのキャラクターが出るからです。隠せないのであれば、使い方も上手くなって、納得のいくものを使うようにして、ゴルファーとして恥ずかしくないようにするのが正しい道です。スコアアップよりも簡単にワンランク上にグレードアップできます。
最後になりますが、ヘッドカバーを発明したのは日本人のゴルファーです。大正時代に、日本にクラブを輸入する際にヘッドを傷つけないように工夫したことがきっかけになって、毛糸で編んだヘッドカバーを作ったところ、それを見た人たちからリクエストが殺到して、一気に世界中に広まったのです。
たかが、ヘッドカバー。されど、ヘッドカバー。ヘッドカバーの起源を知ると、不思議と胸を張って使ってみようと思えるから不思議です。
さて、キャディーバッグのカバーはどうする? という話も面白いのですが…… それはまた、別のお話。
文・篠原嗣典/画像・GettyImages
パターのヘッドカバーです。カートの多くは、同伴者のパターを一カ所に集めて利用するようになっています。その際に、パターカバーをしない人がいることがあります。剥き出しのパターが1本だけなら、他の人がカバーをしていれば、傷をつける心配はないからと考えがちなのですが、盲点があるのです。大型ヘッドのパターカバーは、ネックがカバーされずに剥き出しなのが普通です。このネックと剥き出しのパターがぶつかると、パターネックの表面の塗装がハゲてしまうのです。
ネックの塗装が少しぐらい傷ついても、と考えるには、パターは繊細過ぎる用具のようで、多くの人が、それを理由にパターを新品にしているそうです。そして、思うのです。「あの裸のパター野郎とは、二度と一緒にプレーするのは嫌だね」
どうしても、パターカバーをするのが面倒ならば、自分のバックにパターを戻して、他の人と一緒にならないようにすれば解決します。ほんの少しの心遣いで、みんなが幸せです。自分の知らないところで、嫌われてしまうのは避けたいものです。
ヘッドカバーは多弁です。その使い方でも、どんなものを使っているかでも、そのゴルファーのキャラクターが出るからです。隠せないのであれば、使い方も上手くなって、納得のいくものを使うようにして、ゴルファーとして恥ずかしくないようにするのが正しい道です。スコアアップよりも簡単にワンランク上にグレードアップできます。
最後になりますが、ヘッドカバーを発明したのは日本人のゴルファーです。大正時代に、日本にクラブを輸入する際にヘッドを傷つけないように工夫したことがきっかけになって、毛糸で編んだヘッドカバーを作ったところ、それを見た人たちからリクエストが殺到して、一気に世界中に広まったのです。
たかが、ヘッドカバー。されど、ヘッドカバー。ヘッドカバーの起源を知ると、不思議と胸を張って使ってみようと思えるから不思議です。
さて、キャディーバッグのカバーはどうする? という話も面白いのですが…… それはまた、別のお話。
文・篠原嗣典/画像・GettyImages