第50回『人はなぜゴルフをするの』
ゴルフの秘密を多角的に探ってみましょう。
配信日時:2020年2月10日 06時00分
ゴルフを始めたときに、誰もが口にするのが「もっと早く始めれば良かった」というセリフです。ゴルフをしない人にとって、酸いも甘いも知り尽くした偉い人までゴルフに夢中になっているのは不思議なもので、ゴルフをしている人も夢中になりすぎて、ゴルフの魅力を説明できないという奇妙な現実もあります。ゴルフの秘密を探ってみましょう。
今回は50回目で最終回です。
人はなぜゴルフをするの というお話です。
「ボールをぶっ飛ばすのが楽しいからだよ」
「1度のズレも、1ヤードの誤差も許されない極限のコントロールを達成する快感」
「難易度の高いショットを成功した達成感のために」
「読みづらいラインを読み切って、狙い通りにパットして、ボールがカップに入った至福の瞬間があるから」
「仲間と一緒に喜怒哀楽を楽しめるのが最高」
「上がってナンボ。スコアが良くなっていくのが面白い」
「自分だけの14本とボール。用具がどんなゲームより多様で、選択し、所有できて、使える喜びがあるから」
「東京ドームの何十倍も広い自然の中で遊べる至福の時間」
ゴルフをする理由をゴルファー同士が話し出したら、いつまでもゴルフ談義が続いてしまうものです。ゴルファーの数だけ、ゴルフは楽しさや面白さを用意しています。ゴルフをしていない人から見れば、お金を使って道具を揃えて、お金を払って、時間もかけてプレーして、単なる遊びに夢中になるなんて理解できない、と感じるのは当然です。ゴルフは、どんなに理屈をこねても、遊びなのです。
何の得にもならず、無駄ばかりして、遊んでいることは、一般の社会常識からすれば軽蔑の対象です。しかし、そういうことを全て咀嚼した上で、ゴルフはやめられない魅力に溢れているのです。逆から考えれば、何の得にもならず、無駄だとわかっているのに、夢中になれることって、凄いことだと思えてきます。ゴルフ以外で、ここまで人を魅了するゲームを人類は知らないのです。
「どうしてゴルフをしているのか」という質問をよく受けます。
思い浮かべるのはゴルフを始めた頃のことです。1970年代、日本の中学生でゴルフをしていた人口は、たぶん、千人未満だったと思われます。練習場に行くためにキャディバッグを持って電車に乗ったときに、車内は「子供がゴルフをするなんて」という白い目に溢れていました。ゾクゾクしました。電車賃が大人料金になった以上に、13歳の僕は、ゴルフに導かれて大人の世界に確実に足を踏み入れたのだと自覚をしたからです。
それから40年以上が過ぎました。未だに、ゴルフに導かれていると思うことばかりです。
「自分が思うような大人に近づきたいからゴルフをしているんです」
ロマン派ゴルフ作家としての模範解答を僕は気に入っています。
今回は50回目で最終回です。
人はなぜゴルフをするの というお話です。
「ボールをぶっ飛ばすのが楽しいからだよ」
「1度のズレも、1ヤードの誤差も許されない極限のコントロールを達成する快感」
「難易度の高いショットを成功した達成感のために」
「読みづらいラインを読み切って、狙い通りにパットして、ボールがカップに入った至福の瞬間があるから」
「仲間と一緒に喜怒哀楽を楽しめるのが最高」
「上がってナンボ。スコアが良くなっていくのが面白い」
「自分だけの14本とボール。用具がどんなゲームより多様で、選択し、所有できて、使える喜びがあるから」
「東京ドームの何十倍も広い自然の中で遊べる至福の時間」
ゴルフをする理由をゴルファー同士が話し出したら、いつまでもゴルフ談義が続いてしまうものです。ゴルファーの数だけ、ゴルフは楽しさや面白さを用意しています。ゴルフをしていない人から見れば、お金を使って道具を揃えて、お金を払って、時間もかけてプレーして、単なる遊びに夢中になるなんて理解できない、と感じるのは当然です。ゴルフは、どんなに理屈をこねても、遊びなのです。
何の得にもならず、無駄ばかりして、遊んでいることは、一般の社会常識からすれば軽蔑の対象です。しかし、そういうことを全て咀嚼した上で、ゴルフはやめられない魅力に溢れているのです。逆から考えれば、何の得にもならず、無駄だとわかっているのに、夢中になれることって、凄いことだと思えてきます。ゴルフ以外で、ここまで人を魅了するゲームを人類は知らないのです。
「どうしてゴルフをしているのか」という質問をよく受けます。
思い浮かべるのはゴルフを始めた頃のことです。1970年代、日本の中学生でゴルフをしていた人口は、たぶん、千人未満だったと思われます。練習場に行くためにキャディバッグを持って電車に乗ったときに、車内は「子供がゴルフをするなんて」という白い目に溢れていました。ゾクゾクしました。電車賃が大人料金になった以上に、13歳の僕は、ゴルフに導かれて大人の世界に確実に足を踏み入れたのだと自覚をしたからです。
それから40年以上が過ぎました。未だに、ゴルフに導かれていると思うことばかりです。
「自分が思うような大人に近づきたいからゴルフをしているんです」
ロマン派ゴルフ作家としての模範解答を僕は気に入っています。
人は、どうしてゴルフをしているのかというと、楽しいし、面白いからです。
クラブを使ってボールを打って、少ない打数で穴に入れるという単純なゲームは、先人たちの数百年に及ぶ創意工夫で魅力を増して現在のゴルフになりました。
世界中から尊敬される偉大な起業家は、手に入らないものは何もないと豪語していましたが、ゴルフの前だけでは一人の少年に戻ってしまう、と告白して笑いました。
自分だけのゴルフの楽しさや面白さを見つけるために人はゴルフを始めて、その魅力でやめられなくなってしまうのです。人はゴルフをして、初めて人になる、と僕は考えてしまいます。
さて、ゴルフの面白さの秘密は50個では書き切れませんでしたが、続きは、また、別の機会に。
文・篠原嗣典/画像・GettyImages