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    【中国編】新型コロナウイルスの影響を受ける中国ゴルフ事情

    3月に中国で開催予定だった「ブルーベイLPGA」をはじめ、新型コロナウイルスにより複数の米国女子ツアーが中止となった。ウイルス発症の地でもある中国のゴルフ界はどのような状況になっているのだろうか。アジアゴルフ紀行中国編を担当してもらっている日本プロゴルフ協会A級ティーチングプロ会員で中国在住の森田愁平さんに聞いた。

    配信日時:2020年2月13日 22時30分

    • ゴルフライフ
    目次 / index
    • 感染拡大後の地下鉄車内(森田さん提供)
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    中国全土でゴルフ場は営業停止

    上海を中心に中国の複数拠点でゴルフ関連事業を営んでおり、中国滞在歴も長い森田さんの眼を通しても、「ウイルスによる中国ゴルフ界における被害はかなり大きい」との見解を示す。

    今年の春節(1月23日ごろ)から、中国全土でゴルフ場が営業停止を余儀なくされ再開は未定。上海市が感染拡大を防ぐために人々が集まる場所、スポーツ施設/娯楽施設については営業しないよう喚起したのを受け、森田さんも屋内シミュレーションゴルフスタジオ全店で営業停止を決めた。特に、会社にも行けない外も出歩けない日本人利用客からは早い再開を待ち望む声が多数寄せられるが、状況の悪化や政府の方針を考え2月10日の再開を29日まで伸ばした。情報も錯そうしており、「日に日に緊迫感を増しており、今後どうなるかは不透明です」と不安をにじませる。

    ゴルフショップの営業は?

    感染拡大後の地下鉄車内(森田さん提供)

    感染拡大後の地下鉄車内(森田さん提供)

    連載1回目で取り上げたが、中間層がゴルフをはじめるなど中国のゴルフ市場は再形成されつつある。日本ほどではないがゴルフショップも当然あり、ゴルフショップに至っては営業できる店舗もある。というのも生活必需品を販売する店舗は現在、営業が認められていて、スーパーはその中に含まれる。大型ショッピングモールはスーパーとみなされ、その中の「専門店」として入居するゴルフショップは開くことが可能。ただし営業する、しないの判断も店舗側に委ねられているが……。

    少し脱線するが、中国では人々が街中に集まる光景をよく目にする。不要不急の外出や集会は控えるよう政府などから通達が出ている今、街はガラガラ。その代わり、ショッピングモールは人でいっぱい。買い物に行った際の感想を森田さんは、「店員や客が皆マスクをしているのは異様な光景」と振り返った。

    SNSを通じてメッセージを発信するプロも

    中国のプロや市民ゴルファーに目を向けてみよう。日本の国内ツアー2勝をあげているW・リャン(梁津萬)は中国のSNS「微博」を通じ、室内でできるゴルフトレーニング動画や応援メッセージhttps://www.weibo.com/liangwenchongを公開している。また、中国で呼吸器系やウイルス研究をする医師が配信した動画は閲覧数20万人を超えた。ゴルフという単語は出てこないが「家にいてマスクをしていても大変。きれいな空気の場所でボールを打てばマスクも必要なく、マスクの節約にもなる」といった内容が、多くのゴルフファンに受け拡散されているのだと言う。

    ウイルスの猛威は過去にも

    ウイルスによる猛威は初めてではなく、2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が中国を襲い、大陸での第一次ゴルフブームはちょうどその時期と重なる。富裕層向け雑誌が密室にいて感染のリスクを高めるより、ゴルフ場に行って新鮮な空気と適度な運動で感染を防ごうといった内容を掲載し、富裕層が一気にゴルフを始めるきっかけを作ったとされている。その数年後、各ゴルフメーカーが中国に進出し始めた。「不謹慎とは思うが、今回も同様のことが起きてくれたら……。そんなふうに思わないとここでは生活ができませんから」と、森田さんが努めて明るく締めくくった姿が事態の深刻さと、厳しい状況下でも生活していかなければいけないことを物語っている。一日も早いウイルスの収束を願ってやまない。(文・荒木世理子)
    連載

    アジアゴルフ紀行

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