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    episode 8 【スクランブルで始めよう・その1】

    社内ゴルフコンペ参加者の平均年齢が50歳を超えたことに気が付いた役員から「若い参加者を増やせ!ただし、コンプライアンスには十分に注意せよ」という特命を帯びた上司A。一切の強要なしに若い部下たちをグリーンに誘うことは可能なのか? 上司Aの挑戦は始まった……

    配信日時:2020年8月13日 06時00分

    • ゴルフライフ
    目次 / index
    上司Aは、感心しながら今日の幹事である社員Eの競技説明を聞いていた。
    4組、16名のゴルフコンペは、スクランブル方式で開催されるストローク戦だ。

    上司Aは、大学ゴルフ部のリーグ戦でマッチプレーの団体戦は経験していたが、スクランブル競技は初めてだった。噂は聞いたことがあったが、方法を聞いている内に、スクランブルがアメリカで初心者にゴルフの面白さを体験されるために生まれたという話を思いだして、なかなか良くできていると感心したのだ。

    もう一つ。幹事慣れしている社員Eにも感心したし、彼の同期社員の強者で編成された30代Aチームと30代Bチームの8人のゴルフ慣れしている様子にも感心した。スタート前の高揚感は伝わったが、変に緊張することもなければ、ウェアの着こなしや、練習グリーンでの練習風景でも、何十回もゴルフコースで過ごし慣れた雰囲気を出していた。上司Aは、彼らのゴルフ歴が浅いことを聞いていたので、もっと初級者っぽいのでは、とイメージしていたのだ。

    社員Bが率いる40代チームの4人は、上司Aも知っている顔だった。その内の1人は、ゴルフをしていないのかと思い込んでいたので、少し驚かされたが、一昨年から始めたばかりだと聞いて、仕事で上司Aと絡んでいた頃はゴルフは始めていなかったのだとわかった。4人とも朝から気合いが入っていて、「絶対に優勝します!」と半分は冗談で、半分は真剣に宣言していた。

    上司Aのチームは、女子社員Cは頼りになるゴルフ経験者だが、社員Bと契約社員Fは、この日がゴルフコースデビューなのだ。朝早めに3人でコースに来て、クラブハウスの利用方法を学び、グリーンでパットの練習などをたっぷりとやったのだという。朝、練習グリーン脇で、上司Aは3人に、おはよう、と挨拶をしたが、3人共に思いっ切り笑顔だったことに刺激されて、楽しい1日になるように頑張ろうと気合いを入れ直した。

    晴天、微風のゴルフ日和。スクランブル競技の説明は以下のように行われた。

    ◆使用するティーは男性は白。女性は赤。打順はチーム内で決めて良い
    ◆チームの第1打目の中から1人のボールを選びマーク。他のボールは拾い、マークの所からチームで2打目を打つ。同じことをホールアウトまで続ける。選択し続けたボールの打数がそのホールのチームスコアになる
    ◆マークから打つときに、マークよりホールに近づかず、使用クラブ半径の半円内にボールをリリースする
    ◆グリーン上では、マークよりホールに近づかず、パターヘッド1個分の半径の半円内にボールをリリースする
    ◆バンカー内のボールをマークした場合、打つたびにバンカーを均すことができる
    ◆ハーフ9ホールのストローク戦。グロススコアで順位を決める。タイスコアはカウントバック方式を採用
    ◆前半のハーフで優勝したチームは、後半のハーフは最終スコアに2打を追加するハンディが課される
    ◆各ハーフで、第1打目がチーム内で最低1回は選択されなければならない縛りがある
    ◆OBやペナルティーエリアのボールを選択した場合は、処置後にインプレーにするボールを選択する
    ◆アトラクションのドラコンとニアピンは、各自のボールで選択されなくとも有効になり、表彰はご相伴システムになる


    ベストなボールを選ぶから、プロ並みのスコアが出ることもあるというスクランブル競技を上司Aは、おおよそ理解した。コースデビューの二人は、イマイチわかっていない様子だったが、「やっている内にわかるから、心配しないで良いよ」と伝えた。
    ゴルフは基本的には、百聞は一見にしかず、なのだ。考えるよりも、まずは実行である。

    スタート順は、幹事がいる30代Aチームが最終組で、1組目は30代Bチーム、2組目が40代チーム、3組目が上司Aチームとなっていた。

    30代Aチームは、4人の内2名がまあまあのドライバー打って、スタートしていった。2組目の40代チームも全員男性なので、白ティーでのプレーする様子を見ながら、女子社員Cが、社員Dと契約社員Fに、色々と教えていた。

    2つのティーを結んだ線をはみ出て、ティーアップはできない。本来は、次のホールからは前のホール成績順で打つ。素振りはあまりたくさんすると、カッコ悪いし、プレーが遅くなるから、軽めに1回で。後方から方向を確認して、スポットを見つけて、それに合わせてアドレスすると良い。

    上司Aは、強いて口出しせずに、3人の様子を見守っていた。初心者二人は、ドキドキしていることが、こちらにも伝わってきたが、ときには、女子社員Cに質問をしながら真面目に話を聞いていた。乗用カートだと、チームのエリアが確保できる利点があるのだと、上司Aは、変なところにも感心していた。

    あっという間に、自分たちの順番になった。社員Cが、打つ順番を決めるくじ引きの説明をしていたが、それが終わるのを待って上司Aは言った。

    「前の組が一番飛んだボールを選んだから、女子チームは打っても届かないから、先に女子チームが赤ティーから打って、カートに戻ってから、前の組が2打目を終えてから僕らが打つようにしよう」

    スロープレーにならないためのハウツーは色々あるが、飛ばない順に打つというハウツーは、できれば実行したいハウツーの代表的なものだ。上司Aは、やんわりと、速くプレーできることもゴルファーの腕前だと説明をした。

    1番ホールは、こんな感じだった。

    ◆女子社員Cが最初に打って、高弾道のストレートボールでフェアウェイの真ん中、残り150ヤードまで飛ばした
    ◆契約社員Fは、緊張してボールがティーに乗らずに、何度もティーアップをやり直して、急いで打ったがいわゆるチョロで50ヤード、ラフに止まった
    ◆飛ばない順だということで、上司Aが3番目に打って、きれいなフェードボールでフェアウェイ、残り110ヤード
    ◆最後に社員Dが強振した。ボールは大きく右に曲がって隣のホールのフェアウェイに。「フォー!」と上司Aが声を掛けたのにつられて、少し間があってから、社員Dも初めての「フォー」を発声した。
    ◆早めに第一打の縛りを消化する作戦で、女子社員Cのボールの選択した
    ◆2打目は、契約社員F、社員D、女子社員C、上司Aの順で打った。この打順を基本にすることにした
    ◆上司Aが7番アイアンで打ったボールが、ホールまで11ヤードに唯一乗ったので、それを選択
    ◆バーディーパットは、4人とも外して、社員Dの入りそうになった残り30センチを選択して、契約社員Fがタップインして「4」のパー発進になった
    ◆「初めてのホールで、パーパットを決められたことは凄いよ」とおだてられた契約社員Fは、ゴルフは楽しい、と早くもゴルフへの恋が芽生えた


    スクランブルは、同じ場所に集まってプレーを進めていくので、自然とチーム内でアドバイスができる利点があることを上司Aは知った。また、打数は少なくなるので、注意して行えば、スロープレーにもなりにくいことのも1ホールで理解できた。

    「スクランブルは面白いなぁ」と上司Aはスタートでしみじみと思った。

    今回の金言

    (写真・Getty Images)

    (写真・Getty Images)

    「おそらく最初のゴルファーは、自然との激しい戦いを愛する船乗りだったに違いない」
    (ロバート・ハンター)


    アメリカのコース設計家ローバート・ハンターが著書“The Links”(1926年出版)の中に書いた一文。
    コース設計の研究のためにスコットランドの海岸線にあるたくさんのリンクスを訪問した記録が本には書かれているが、高い木が生えていないうねった砂丘の草原に広がるリンクスコースを知れば知るほど、大洋で冒険のような航海をする船乗りでなければ、過酷なゲームに耐えられないはずだとロバートは想像したのである。

    日本には厳密な意味でリンクスコースは存在しない。
    実際のリンクスと比較すれば、何分の一、いや、何十分の一の厳しさに薄まった日本のゴルフコースでさえ、冒険という要素でゴルファーは十分に興奮し、打ちのめされてもいる。

    リンクスでゴルフが育ったことは間違いのない歴史であるが、ゴルフのDNAの中には、厳しさの記憶のようなものがあって、それは世界中に広まって、ゴルフを面白くしている。

    上司Aが率いる初心者二人の冒険は始まったばかりである。
    スタートホールでは、なかなか思うところにボールを打つことができなかった彼らにとって、フェアウェイは遙か遠い目標だ。
    ちなみに、フェアウェイは、船乗りの言葉がゴルフ用語に転用されたものであり、元々は、水先案内人が誘導する危険な海域内の安全な航路のことだが、語源とゴルフコースでのフェアウェイが絶妙にリンクするのである。

    上司Aは、とにかく、初心者の二人がゴルフが、楽しい、面白い、またやりたい、と感じてくれることだけを祈りながら、1番ホールを終えた。
    あと17ホールあるのか。もう17ホールしかないのか。ゴルフの神様だけが知っている。

    【著者紹介】四野 立直 (しの りいち)

    バブル入社組作家。ゴルフの歴史やうんちく好きで、スクラッチプレーヤーだったこともある腕前。東京都在住。

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