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メジャー「KPMG全米女子プロ」開幕直前! 渋野・畑岡・河本の勝算は?
樋口久子が1977年に優勝、岡本綾子と畑岡奈紗が2位タイに入るなど、日本人選手と相性のいいメジャー。日本勢は畑岡奈紗・渋野日向子・河本結・野村敏京が挑戦する。 文/武川玲子 写真/Getty Images
配信日時:2020年10月4日 02時30分
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10月8日(木)開幕! 今季メジャー第3戦「KPMG全米女子プロ選手権」
女子メジャー第3戦、「KPMG全米女子プロ選手権」がまもなく開幕する。今年の舞台はペンシルベニア州フィラデルフィア郊外のアロニミンクGC(6577ヤード・パー70)。1926年に名匠ドナルド・ロスが設計した、米国内でも歴史的なコースの一つに挙げられる。
昨年、渋野日向子がAIG全英女子オープンで42年ぶりのメジャー制覇を達成するまで、この“全米女子プロ選手権”は日本人にとって最も相性の良いメジャーだった。1977年6月、サウスカロライナ州マートルビーチでの同大会で、樋口久子が2位に3打差をつける圧勝でメジャー初制覇、以来42年間も日本勢は2勝目を追い続けることになる。
昨年、渋野日向子がAIG全英女子オープンで42年ぶりのメジャー制覇を達成するまで、この“全米女子プロ選手権”は日本人にとって最も相性の良いメジャーだった。1977年6月、サウスカロライナ州マートルビーチでの同大会で、樋口久子が2位に3打差をつける圧勝でメジャー初制覇、以来42年間も日本勢は2勝目を追い続けることになる。
しかし記録に並びそうなったことは実は何度かある。宮里藍が06年、10年大会で3位、これは宮里にとっての09年全英女子オープンと並び自身のメジャー最高位だった。直近では18年、イリノイ州のケンパーレイクGCでの戦い、畑岡奈紗が最終日を9打差23位からスタート、強風の中2イーグルを奪う勢いで64をマーク、パク・ソンヒョン、ユ・ソヨンのトップ韓国勢と並びプレーオフへともつれ込んだのは記憶に新しい。1ホール目で力尽き2位で終えたが、メジャーがまさに手の届く目の前にあることを大きく実感した瞬間でもあった。
<WOWOW放送予定>
第1日 10/08(木) 深夜2:00〜[WOWOWプライム]※無料放送
第2日 10/09(金) 深夜2:00〜[WOWOWプライム]
第3日 10/10(土) 深夜0:00〜[WOWOWライブ]
最終日 10/11(日) よる11:00〜[WOWOWライブ]
「畑岡・渋野 出場! メジャー KPMG全米女子プロゴルフ選手権」
<WOWOW放送予定>
第1日 10/08(木) 深夜2:00〜[WOWOWプライム]※無料放送
第2日 10/09(金) 深夜2:00〜[WOWOWプライム]
第3日 10/10(土) 深夜0:00〜[WOWOWライブ]
最終日 10/11(日) よる11:00〜[WOWOWライブ]
「畑岡・渋野 出場! メジャー KPMG全米女子プロゴルフ選手権」
畑岡奈紗は2018年の雪辱を果たすか
その畑岡がさらに成長、日本のエースとしてメジャー初制覇に臨む。
現在世界ランキング8位、畑岡の武器はそのショット力にある。パーオン率は74.64%でツアー4位、アイアンショットの精度は女子プロの中でも抜きんでている。高い球筋でグリーンを狙えるから硬いグリーンでもボールを止めることができる。
河本結のスイングコーチを務める目澤秀憲氏は「アメリカの芝への対応など多彩な技術を持っているし、ドライバーからパットまで穴がなく、スコアを出してくる能力、爆発力がある」と絶賛する。
さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響でツアーが中断した半年近い間に鍛えた体で、ツアー再開後は飛距離が伸びた。「アイアンで10ヤード、1クラブくらい」と畑岡。先のメジャー、7位に這い合ったANAインスピレーションでは最終日の18番パー5は池越えの残り207ヤードを、5番アイアンで2オンと威力を見せている。
拠点を持つフロリダ州では松山英樹、小平智らと練習をともにするなどアメリカ生活で心身ともに充実、「ショットの調子はとても良い。これまで苦手だったこともだいぶ克服できている」とメジャーに向けて準備万端に整え一回り成長した21歳の戦いは「日本勢優勝争いの筆頭」(目澤コーチ)と期待される。
現在世界ランキング8位、畑岡の武器はそのショット力にある。パーオン率は74.64%でツアー4位、アイアンショットの精度は女子プロの中でも抜きんでている。高い球筋でグリーンを狙えるから硬いグリーンでもボールを止めることができる。
河本結のスイングコーチを務める目澤秀憲氏は「アメリカの芝への対応など多彩な技術を持っているし、ドライバーからパットまで穴がなく、スコアを出してくる能力、爆発力がある」と絶賛する。
さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響でツアーが中断した半年近い間に鍛えた体で、ツアー再開後は飛距離が伸びた。「アイアンで10ヤード、1クラブくらい」と畑岡。先のメジャー、7位に這い合ったANAインスピレーションでは最終日の18番パー5は池越えの残り207ヤードを、5番アイアンで2オンと威力を見せている。
拠点を持つフロリダ州では松山英樹、小平智らと練習をともにするなどアメリカ生活で心身ともに充実、「ショットの調子はとても良い。これまで苦手だったこともだいぶ克服できている」とメジャーに向けて準備万端に整え一回り成長した21歳の戦いは「日本勢優勝争いの筆頭」(目澤コーチ)と期待される。
渋野日向子は復調!
そして英米遠征の集大成を迎えるのが渋野日向子。英国では思ったプレーができなかったが、米本土に入ると俄然その調子を取り戻した。全英覇者というプレッシャーからも解放されるとのびのびとクラブを振る姿が復活、ANAインスピレーションでは「ようやく今シーズンが始まった。今年一番のプレーができた」と何度も繰り返した。目澤コーチは「もともと飛距離も出るのが、今年見るとさらに飛んでいる。最近ではアメリカのコースにも対応してきている」とその成長ぶりを評価する。
鍵となるのはパッティングで、米国に入ってからの2戦は従来の順手のグリップを“クロスハンド”に変えて戦い結果を得た。がもともとクロスハンドは一時的なものと考え「いつかは戻そう」と思っていたという。クロスハンドにしたことで「(順手の)悪い癖もよく分かった」と3大会目のショップライト・クラシックで順手に戻して戦った。
開催コースは名匠ドナルド・ロスの設計、代表作のパインハーストNO.2のような砲台グリーンが待ち構える。「最低限4日間戦うことが大事。良い状態で臨みたい」と渋野。果たしてこの順手に戻したパッティングが全米女子プロ選手権ではどう生きるか、シブコスマイルが見られる鍵になりそうだ。
鍵となるのはパッティングで、米国に入ってからの2戦は従来の順手のグリップを“クロスハンド”に変えて戦い結果を得た。がもともとクロスハンドは一時的なものと考え「いつかは戻そう」と思っていたという。クロスハンドにしたことで「(順手の)悪い癖もよく分かった」と3大会目のショップライト・クラシックで順手に戻して戦った。
開催コースは名匠ドナルド・ロスの設計、代表作のパインハーストNO.2のような砲台グリーンが待ち構える。「最低限4日間戦うことが大事。良い状態で臨みたい」と渋野。果たしてこの順手に戻したパッティングが全米女子プロ選手権ではどう生きるか、シブコスマイルが見られる鍵になりそうだ。
河本結はコーチ合流で期待大
ダークホースとなりそうなのは河本結、メジャー挑戦3大会目となる。
「もともとの良さは思い切りのいいプレー。ピンが厳しいところに振られても、アグレッシブに攻めていける。パワーが必要なので女子にはなかなかコントロールできないフェード、ドローがアイアンで打てるのはアメリカでも十分に通用するストロングポイント」と目澤コーチ。渡米してからは送ってもらった動画をチェックしていて「調子は悪くない」と言う。
しかしその一方で河本自身は「調子が悪くないのに、結果につながらない」というジレンマに陥っている。全米女子プロ選手権には目澤コーチが渡米、「今まで一人で戦っていたので、やっぱりなにかずれているのだと思う。そこはコーチに頼って見てもらいたい」と、目澤コーチとしっかり調整をしてから臨むという。
「たぶん良くなります。楽しみにしています」と語るだけに、復調すれば優勝争いは十分期待できそうだ。
「もともとの良さは思い切りのいいプレー。ピンが厳しいところに振られても、アグレッシブに攻めていける。パワーが必要なので女子にはなかなかコントロールできないフェード、ドローがアイアンで打てるのはアメリカでも十分に通用するストロングポイント」と目澤コーチ。渡米してからは送ってもらった動画をチェックしていて「調子は悪くない」と言う。
しかしその一方で河本自身は「調子が悪くないのに、結果につながらない」というジレンマに陥っている。全米女子プロ選手権には目澤コーチが渡米、「今まで一人で戦っていたので、やっぱりなにかずれているのだと思う。そこはコーチに頼って見てもらいたい」と、目澤コーチとしっかり調整をしてから臨むという。
「たぶん良くなります。楽しみにしています」と語るだけに、復調すれば優勝争いは十分期待できそうだ。
待ち受ける世界トップランカーは?
さてそんな日本勢が待ち受けるのは今季好調のトップランカーたち。世界ランキング1位のコ・ジンヨン(韓国)はツアー再開後未だ欠場が続き、今大会でも復帰せず。しかし同ランク2位のネリー・コルダ(米国)、3位のダニエル・カン(米国)、4位のブルック・ヘンダーソン(カナダ)、5位のミンジ・リー(オーストラリア)らが迎え打つ。
コルダとヘンダーソンはANAインスピレーションでは最終日を首位タイで迎え最後まで優勝争い、結果は三つ巴のプレーオフでイ・ミリム(韓国)に敗れただけにその雪辱に燃えている。
一方7月のツアー再開後のLPGAドライブオン選手権、翌週のマラソンクラシックと2週連続で勝利したのがカン。ANAインスピレーションでも11位と好調は持続、この全米女子プロ選手権は17年大会を制したメジャーチャンピオンゆえにその経験は大きく役立つかも知れない。同ランク5位のミンジ・リーはAIG全英女子オープン3位、ANAインスピレーションは7位と大舞台での活躍が目立つ。
ツアー再開も2ヶ月が過ぎ、いよいよ選手たちも本調子となってきた。ここに日本勢が交わり目の離せない展開となる予感、そんな戦いがまもなく始まる。
コルダとヘンダーソンはANAインスピレーションでは最終日を首位タイで迎え最後まで優勝争い、結果は三つ巴のプレーオフでイ・ミリム(韓国)に敗れただけにその雪辱に燃えている。
一方7月のツアー再開後のLPGAドライブオン選手権、翌週のマラソンクラシックと2週連続で勝利したのがカン。ANAインスピレーションでも11位と好調は持続、この全米女子プロ選手権は17年大会を制したメジャーチャンピオンゆえにその経験は大きく役立つかも知れない。同ランク5位のミンジ・リーはAIG全英女子オープン3位、ANAインスピレーションは7位と大舞台での活躍が目立つ。
ツアー再開も2ヶ月が過ぎ、いよいよ選手たちも本調子となってきた。ここに日本勢が交わり目の離せない展開となる予感、そんな戦いがまもなく始まる。
WOWOW放送予定
「畑岡・渋野 出場! メジャー KPMG全米女子プロゴルフ選手権」
第1日 10/08(木) 深夜2:00〜[WOWOWプライム]※無料放送
第2日 10/09(金) 深夜2:00〜[WOWOWプライム]
第3日 10/10(土) 深夜0:00〜[WOWOWライブ]
最終日 10/11(日) よる11:00〜[WOWOWライブ]
※全日生中継
※WOWOWメンバーズオンデマンドにて「畑岡・渋野 専用カメラ」ライブ配信を実施(第1日無料配信)
<出演>
解説:平瀬真由美、諸見里しのぶ
実況:吉本靖
ラウンド解説:片平光紀
<出場予定日本選手>
畑岡奈紗、渋野日向子、河本結、野村敏京
<畑岡・渋野 専用カメラ 出演者>
解説:東尾理子、石井忍(第3日・最終日のみ)
実況:林正浩
第1日 10/08(木) 深夜2:00〜[WOWOWプライム]※無料放送
第2日 10/09(金) 深夜2:00〜[WOWOWプライム]
第3日 10/10(土) 深夜0:00〜[WOWOWライブ]
最終日 10/11(日) よる11:00〜[WOWOWライブ]
※全日生中継
※WOWOWメンバーズオンデマンドにて「畑岡・渋野 専用カメラ」ライブ配信を実施(第1日無料配信)
<出演>
解説:平瀬真由美、諸見里しのぶ
実況:吉本靖
ラウンド解説:片平光紀
<出場予定日本選手>
畑岡奈紗、渋野日向子、河本結、野村敏京
<畑岡・渋野 専用カメラ 出演者>
解説:東尾理子、石井忍(第3日・最終日のみ)
実況:林正浩
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