購入するゴルフ場が決まった。しかし、その後はどんな手続きがあり、どのタイミングでお金を支払うのか、など会員権購入に関しては知らないことが意外と多い。そこで、実際に正式な会員となるまでの具体的な段取りをじっくり紹介していく。

入口正（以下・入口）　ところで、購入が決まった後、お金の支払いはどのタイミングでするのでしょうか？　実際にメンバーとしてゴルフ場に行けるようになるまでの詳しいプロセスを教えて頂けますか？

M治ゴルフS水さん（以下・S水）　購入したいゴルフ場が決まったら、まず会員権業者は入口さんに「見積書」を出します。そして、希望ゴルフ場の入会条件などを説明させて頂きます。ここで、入口さんは「買います！」、もしくは「もう少し安くならないの？」ということになると思います。

入口　確かに、できれば少しでも安く購入できればうれしいですね。でも、値切り交渉なんてできるんですか？

S水　もともと定価のある商品ではないので、「値切る」という事とは少し異なります。ただ、売り希望の人と値段の交渉をすることは可能です。200万円で見積もりを出した会員権に対して、入口さんが「190万円にならないの？」と交渉することは可能です。その際、必ず「190万円であれば購入する意思がありますか？」と確認します。「190万円なら購入します」と「190万円なら購入を検討します」では相手に金額を交渉するうえで大きな違いがあるからです。

入口　では、もっと極端に「170万円なら買います」とちょっと極端な値段を相手に伝えて、そこから金額の折り合いを付けていくことも可能なんですか？

S水　もちろん可能です。ただ、限度はあります。余り極端な希望価格を出してしまうと、他の人に売られてしまったりするので、駆け引きは会員権業者にお任せ頂いた方がいいと思います。

入口　確かに、値切り交渉中に他の購入希望者がいれば、当然取られてしまいますよね。でも、だれも居なければ安く買えるということですよね。

S水　これは本当にタイミング次第としかいえません。確かに、絶妙のタイミングで交渉が上手くいき、最初の見積もりよりも安く購入できることもあります。しかし、購入価格に固執し過ぎてしまうとタイミングを逃してしまい、結果として高値で購入せざるを得なくなることもあります。お客様の要望を無碍にするつもりはありませんが、会員権業者にお任せ頂くのがベターだと思います。

入口　価格にこだわりすぎるのもよくないんですね。

S水　実際、購入頂いたお客様と後でお話すると、そのゴルフ場をいくらで購入したかなんて、意外に覚えていらっしゃらないものです。安い買い物ではないので、「少しでも安く」という気持ちも分かりますが、バランスを保ちながらの交渉がオススメです。

入口　では、ここからは購入が決まって、私がゴルフ場で実際にメンバーとしてプレーが出来るようになるまでの流れを教えてください。

S水　次の流れとしては「注文書」を作成、この書類の内容で売り主と折り合いがつけば交渉成立となります。その後は会員権業者が売り主から証券を仕入れてきてくれます。

入口　お金はまだ支払わないのですね。

S水　はい。会員権業者が売り主さんに金額を支払い、必要な書類を揃えてきます（印鑑証明やゴルフ場規定の用紙、売り主の押印が必要な書類など）。それらの書類をお渡しするのですが、さらに入口さんには印鑑証明や戸籍謄本、写真や他クラブの在籍証明書などを揃えて頂くことになります。揃った時点で名義書換が可能になるので、会員権業者はゴルフ場に手続きに行きます。このとき、入口さんは会員権業者に諸々の金額をお支払い頂くことになります。

入口　会員権の本体価格の他に、どんな料金が発生するのでしょうか？

S水　本体価格以外では、会員権業者への手数料、ゴルフ場年会費（月割り）、消費税などになります。

入口　名義書換料の支払いは、このタイミングではないのですか？

S水　会員権を購入後、ゴルフ場に提出する諸々の書類を揃えて頂いたらそれを会員権業者が持って行きます。ゴルフ場がそれらの書類をチェックし、問題がなければ入会希望者としてクラブハウス内などに掲示されます。おおよそ１か月の掲示が終わった後に、同伴プレーや面接などが行われる場合がほとんどです。最終的にゴルフ場の理事会にかけられ承認。承認通知と名義書換料の請求書が送られてくる、というのが大まかな流れになります。

入口　では、名義書換料はゴルフ場に直接支払うんですね。

S水　そうなります。名義書換料の入金を済ませれば、晴れてメンバーということになります。

ALBA TROSS-VIEW (アルバトロスビュー) 2020年 12月 24日号 / ALBA TROSS-VIEW編集部 【雑誌】