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JLPGA小林浩美会長 × 解説者小田美岐氏に聞く ステップ・アップ・ツアーの魅力
スカイAでは2020年から「全力ゴルフ宣言」を掲げ、女子ゴルフツアーのステップ・アップ・ツアーの放送・配信を行ってきた。若手の台頭著しい同ツアーの魅力について、日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長とプロゴルファーで解説者として活躍中の小田美岐さんに聞いた。(文中敬称略)
配信日時:2021年3月16日 01時00分
目次 / index
ステップ・アップ・ツアー全試合放送のスカイAを見逃すな!
―ステップ・アップ・ツアーの価値や存在意義についてどのようにとらえていますか?
小林 昨年、ステップ・アップ・ツアーは30周年を迎えました。選手の育成強化を軸に共催者様と一緒にツアーを運営してきました。また、地域の皆様に支えられた大会が多く、地域貢献も含めて、存在価値はすごく大きいです。若手の登竜門であり、次のJLPGAツアーを担う選手の宝庫ですし、選手の競争力が年々高まってきています。いろんな選手が切磋琢磨して、力をつけていくツアーとしてますます重要度が増していると感じています。
小田 ステップ・アップ・ツアーが始まった当初は、レギュラーツアーとかなりの差がありました。賞金を稼げなくなり、QTを失敗した選手がステップに出ていますが、少し前まではそういった選手が上位を占めていました。最近はレギュラーからステップに移行してきた選手が優勝できなくなっているほど、層の厚さ、若い選手の勢いが以前にも増している気がします。ステップで賞金ランキング1、2位はレギュラーツアー(前半戦)に出られるようになり、以前にも増して選手の意欲も高まっていると感じます。
―ステップ・アップ・ツアーに出ている選手へどのような期待を持っていますか?
小林 協会では2013年から「世界に勝つ」を目標に、選手の競争力を高め、個々の力をさらに発揮していただくために、さまざまなツアーの強化策に取り組んできました。以前は2日間大会で1回優勝すれば、レギュラーツアーに4試合出られる規定を設けていましたが、なかなか上位に入るのが難しいことが多かった。そこで2018年から総合力をつけていくために賞金ランキング制度に改革して、その1位と2位にレギュラーツアーの前半戦出場権を付与しました。さらに米欧の下部ツアーは世界ランキングの対象になっていたのですが、日本はそうでなかったので、その規定を満たすために3日間大会を10大会以上に増やし、2017年に達成。2011年に5大会だったステップ・アップ・ツアーは、2018年には21大会までになり、今年は14大会です。以前よりも賞金総額も増え、1000万円以上を稼ぐ選手も増えました。レギュラーツアーの選手に肉薄して脅かす存在になって欲しい。レギュラーツアーの選手たちのお尻に火をつけてほしいと思っています。
小田 ステップの上位の賞金も大きくなり、ある程度は稼げる場所なのですが、それに満足しないでほしいと思っています。何年もステップに出ている選手もいますが、そこで終わってしまう選手もいます。例えばステップに2〜3年連続して出るのは恥ずかしいから、もっとがんばらなきゃという思いを持ってほしいですし、レギュラーで賞金女王を目指すという意識を持ってもらいたいです。
―これからステップ・アップ・ツアーをどのように発展させていきたいでしょうか?
小林 日本のステップは当初、世界ランキング対象のツアーではありませんでした。2020年東京五輪の代表選考は世界ランキングからです。また、ポイントがあれば、自分の世界での順位が分かり、レギュラーツアーに出場しても継続したままポイントが加算されます。2018年のステップで渋野日向子選手が賞金ランキング10位に入り、577番目の世界ランキングが取れました。そのあとレギュラーツアーでも4勝し、全英女子オープンで優勝し、世界14位にジャンプアップした。ステップで「577番」という順位が取れていたので、そこから成績を上げるたびに順位を上げていったのです。このことは、3日間大会に賛同してくださった共催者様の深いご理解やご支援があったからこそ実現できました。ステップからレギュラーへと紐づけた強化策をこれからも続けていきたいです。
小田 ステップ・アップ・ツアーのひとつ、京都レディースオープンの立ち上げから参加していますが、2日間競技の大会共催各社さんもギリギリの金銭面をさらにご協力いただいて、協会の希望もあり3日間大会への開催にこぎつけました。でも「やっぱり3日間大会にして良かった」とスポンサーの方々からの声も聞こえてきています。3日間大会で活躍している選手は、レギュラーでも結果を残していますし、渋野日向子さんもステップを経て、レギュラーツアーで一気に花咲きました。ゴルフは何かがきっかけで、トップになれる競技です。自信や経験が積み重なったときに一気にジャンプアップする。そういう意味でもすごく意義があります。
―2020年は20歳前後の若手が優勝する大会もありましたが、次世代の選手に期待する事はありますか?
小林 レギュラーもステップも優勝者の若年化が進んでいて、若い選手の勢いをここ数年、すごく感じていています。ステップからは初優勝者もたくさん出ていますが、実力も肉薄していますので、とにかくすべての選手に期待しています。
小田 私が注目しているのは植竹希望選手(昨年のステップ賞金ランキング2位)です。彼女はレギュラーツアーに出たりもしていて、がんばって結果を残しています。昨シーズンの調子を持ってステップに参戦すれば、レギュラーツアーへのシードも取れるでしょう。
小林 昨年、ステップ・アップ・ツアーは30周年を迎えました。選手の育成強化を軸に共催者様と一緒にツアーを運営してきました。また、地域の皆様に支えられた大会が多く、地域貢献も含めて、存在価値はすごく大きいです。若手の登竜門であり、次のJLPGAツアーを担う選手の宝庫ですし、選手の競争力が年々高まってきています。いろんな選手が切磋琢磨して、力をつけていくツアーとしてますます重要度が増していると感じています。
小田 ステップ・アップ・ツアーが始まった当初は、レギュラーツアーとかなりの差がありました。賞金を稼げなくなり、QTを失敗した選手がステップに出ていますが、少し前まではそういった選手が上位を占めていました。最近はレギュラーからステップに移行してきた選手が優勝できなくなっているほど、層の厚さ、若い選手の勢いが以前にも増している気がします。ステップで賞金ランキング1、2位はレギュラーツアー(前半戦)に出られるようになり、以前にも増して選手の意欲も高まっていると感じます。
―ステップ・アップ・ツアーに出ている選手へどのような期待を持っていますか?
小林 協会では2013年から「世界に勝つ」を目標に、選手の競争力を高め、個々の力をさらに発揮していただくために、さまざまなツアーの強化策に取り組んできました。以前は2日間大会で1回優勝すれば、レギュラーツアーに4試合出られる規定を設けていましたが、なかなか上位に入るのが難しいことが多かった。そこで2018年から総合力をつけていくために賞金ランキング制度に改革して、その1位と2位にレギュラーツアーの前半戦出場権を付与しました。さらに米欧の下部ツアーは世界ランキングの対象になっていたのですが、日本はそうでなかったので、その規定を満たすために3日間大会を10大会以上に増やし、2017年に達成。2011年に5大会だったステップ・アップ・ツアーは、2018年には21大会までになり、今年は14大会です。以前よりも賞金総額も増え、1000万円以上を稼ぐ選手も増えました。レギュラーツアーの選手に肉薄して脅かす存在になって欲しい。レギュラーツアーの選手たちのお尻に火をつけてほしいと思っています。
小田 ステップの上位の賞金も大きくなり、ある程度は稼げる場所なのですが、それに満足しないでほしいと思っています。何年もステップに出ている選手もいますが、そこで終わってしまう選手もいます。例えばステップに2〜3年連続して出るのは恥ずかしいから、もっとがんばらなきゃという思いを持ってほしいですし、レギュラーで賞金女王を目指すという意識を持ってもらいたいです。
―これからステップ・アップ・ツアーをどのように発展させていきたいでしょうか?
小林 日本のステップは当初、世界ランキング対象のツアーではありませんでした。2020年東京五輪の代表選考は世界ランキングからです。また、ポイントがあれば、自分の世界での順位が分かり、レギュラーツアーに出場しても継続したままポイントが加算されます。2018年のステップで渋野日向子選手が賞金ランキング10位に入り、577番目の世界ランキングが取れました。そのあとレギュラーツアーでも4勝し、全英女子オープンで優勝し、世界14位にジャンプアップした。ステップで「577番」という順位が取れていたので、そこから成績を上げるたびに順位を上げていったのです。このことは、3日間大会に賛同してくださった共催者様の深いご理解やご支援があったからこそ実現できました。ステップからレギュラーへと紐づけた強化策をこれからも続けていきたいです。
小田 ステップ・アップ・ツアーのひとつ、京都レディースオープンの立ち上げから参加していますが、2日間競技の大会共催各社さんもギリギリの金銭面をさらにご協力いただいて、協会の希望もあり3日間大会への開催にこぎつけました。でも「やっぱり3日間大会にして良かった」とスポンサーの方々からの声も聞こえてきています。3日間大会で活躍している選手は、レギュラーでも結果を残していますし、渋野日向子さんもステップを経て、レギュラーツアーで一気に花咲きました。ゴルフは何かがきっかけで、トップになれる競技です。自信や経験が積み重なったときに一気にジャンプアップする。そういう意味でもすごく意義があります。
―2020年は20歳前後の若手が優勝する大会もありましたが、次世代の選手に期待する事はありますか?
小林 レギュラーもステップも優勝者の若年化が進んでいて、若い選手の勢いをここ数年、すごく感じていています。ステップからは初優勝者もたくさん出ていますが、実力も肉薄していますので、とにかくすべての選手に期待しています。
小田 私が注目しているのは植竹希望選手(昨年のステップ賞金ランキング2位)です。彼女はレギュラーツアーに出たりもしていて、がんばって結果を残しています。昨シーズンの調子を持ってステップに参戦すれば、レギュラーツアーへのシードも取れるでしょう。
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