地面の押し方がわかればもっと飛ばせる!
体幹の大きな筋肉がスイングの主動力ならば、地面を踏んで得られる反発力はいわば第2エンジン。地面の踏み方、蹴り方を覚えて第2エンジンに点火しよう。
配信日時:2021年5月18日 02時30分
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歩行やランニングの足の動きには、スイング時の足裏の体重移動のヒントになる点が多いと話してくれたのは、季美の森整形外科リハビリテーション科主任である大堀航輔さん。プロテスト前から吉田優利をサポートし、現在はツアーにも帯同中。シューフィッターの資格も持ち、足の機能回復やパフォーマンス向上を含めたトータルコンディショニングでさまざまな競技のアスリートを支えている。
まずウォーキングで踏み方・蹴り方を覚える
「歩行やランニングの正しい足の動きは、まずカカトから地面に接地し、スネの筋肉を使ってブレーキをかけ、カカトの骨の丸みとアーチのクッションで衝撃を緩衝しながら、ゆっくり体重を前に持っていきます。前に体重を移していきながら踏み込み、母指球から先を使って地面を蹴り出す。この一連の動きが、スイングでの足裏の体重移動の感覚をつかむヒントになります。動作の順序を確認するには、歩きのほうが向いているので、無理して走る必要はありません」。
「まずはウオーキングで正しい動きを覚えていきましょう。吉田優利は元々、足裏全体でペタッと着地する歩き方、走り方でした。そのため最初は足の動きに順序をつけていくのが苦手でした。オフトレのランニングで、カカトから着地し、足音を立てないイメージをアドバイスして、かなり改善が見えてきました。硬いものを踏んだときの反発力=床反力の効率アップが、吉田優利のショット向上につながることを期待したいですね」
カカトの接地から蹴り出しまでの順番を意識しよう
カカトの接地から蹴り出しまでの順番を意識しよう
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1)カカトで着地/スネの筋肉でツマ先を持ち上げてカカトから接地
最初は順番を意識して歩くだけで、スネやつま先にかなり負担がかかるはず。足裏全体で着地していた人は、足裏の力を使えていないことに気づくはずだ。
地面の押し方を身につけるトレーニング
地面を強く踏む感覚をつかむ
まず足首の角度を変えずにテニスボールを踏み、どう踏むと力が入るかを確認する。漫然と、意識せずに踏んでいるときとは力の出かたが違うことがわかる。テニスボールを踏んで力が入るのは母指球のやや下。土踏まずだとテニスボールには乗っかりやすいが力は伝わりにくい。地面を押すときも同様だ。
まず足首の角度を変えずにテニスボールを踏み、どう踏むと力が入るかを確認する。漫然と、意識せずに踏んでいるときとは力の出かたが違うことがわかる。テニスボールを踏んで力が入るのは母指球のやや下。土踏まずだとテニスボールには乗っかりやすいが力は伝わりにくい。地面を押すときも同様だ。
テニスボールを踏んだまま回旋運動やシャドースイングを10回やってみよう。スネの筋力の強化にもなり、地面に効率よく力を伝えられるようになる。バックスイングで、右腰が引けないように足首をロックしておく。ヒザの悪い前後動が減り、上下のスイングバランスが整う。
力が逃げない踏み方を覚える
まずアドレス姿勢でゴムボールを踏む。体重配分は左右5:5。強く踏むことよりも、踏む
力を分散させない感覚を意識しよう。足首の角度を変えずにボールの真ん中を踏む。強く踏もうという気持ちばかりが先走ると、足がボールの上から外れてしまう。ボールの芯をしっかりと踏むことが大切だ。
力が逃げない踏み方を覚える
まずアドレス姿勢でゴムボールを踏む。体重配分は左右5:5。強く踏むことよりも、踏む
力を分散させない感覚を意識しよう。足首の角度を変えずにボールの真ん中を踏む。強く踏もうという気持ちばかりが先走ると、足がボールの上から外れてしまう。ボールの芯をしっかりと踏むことが大切だ。
そのままシャドーでハーフスイングしてみよう。回旋運動が入ると、ボールの芯を踏む難度がアップする。バックスイングとフォロー時にもしっかり踏み続けられるようにしたい。
構成・文/田中 彰 写真/高橋淳司 撮影協力/季美の森整形外科
ALBA 819号より加筆転載
構成・文/田中 彰 写真/高橋淳司 撮影協力/季美の森整形外科
ALBA 819号より加筆転載