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    木村和久のおやじゴルフニュース「新庄剛志的生き方がゴルフ界を救う!」

    ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・かざま鋭二のイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。

    配信日時:2021年12月21日 03時00分

    • ゴルフライフ
    目次 / index
    • イラスト・かざま鋭二
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    パフォーマンスで存在価値を高める

    松山英樹選手と渋野日向子選手の活躍はめざましいですね。やっぱりメジャーチャンプは持ってるものが違うと感心していたら、思わぬ伏兵が現れて唖然とさせられました。プロ野球界から、とんでもないニュースが飛び込んで来たのです。新庄剛志氏が日本ハムの監督に就任しました。話を聞けば、トライアウトに挑戦したのはマジな気持ちがある半面、話題作りも兼ねてのことで、本命は監督就任だったというのだからたまげます。


    予選会突破直後に撮影!渋野が出場権獲得でテンション爆上がり!

    新庄新監督は一流選手でしたが、大谷翔平や松井秀喜、イチローのように超一流選手ではありません。そこで派手なパフォーマンスや美容整形などをしてイメチェンしビッグボスと呼ばせ、存在価値を高めることをやったのです。セールスプロモーションとしては超一流である。そういうことです。我々は松山&シブコに憧れつつも、新庄剛志的なものを目指すほうが賢明で実利的ではないか。というわけでプロとアマ、男女などのパターンに分け、新庄的パフォーマンスをゴルフにどう生かすか考えてみます。

    1)女子プロもどき編
    最近、BSのゴルフ番組は、ゴルフのうまい若いお姉さんがテレビに出まくって、とんでもない人気となっています。まだツアーで1勝もしていない自称プロやトップアマ育ちが、その番組ではスター扱いで賞金を何百万円と稼ぎ、CMなんかにも出ているし。言ってみれば「地味プロより派手アマの時代」、そういう下克上が成立する時代になりました。女子プロはトーナメントに出なくても、BSのゴルフ番組に出てれば十分食えるのです。

    美人女子プロと称してメディアに露出していると、ゴルフのイベントや小さなプロアマなどに引っ張りだこで、月の半分は営業が入ってる。そんな人が知り合いでも結構いますからね。なかなか会えないトッププロより、一緒にラウンドしてくれる「なんちゃってプロ」のほうが親しみやすく需要も高いのです。

    そんなことを書いてたら、マジで某ゴルフサイトで「ゴルフ女子9ホール帯同プラン」というのを、ラウンドフィにプラス7000円でやってました。契約プロ帯同プランは11000円アップ。これは値段の高いプロよりも、素人娘と回った方が楽しいのか? おじさんは凄く悩んじゃうなあ。
    イラスト・かざま鋭二

    イラスト・かざま鋭二

    2)男子プロは問題山積み
    今シーズン終盤に石川遼選手がコロナの米国帰国の際の自主隔離期間の問題行動で謝罪に追い込まれ、試合をキャンセルしました。松山英樹のほうがわがままで、ボスキャラだったのに、今や石川遼の方がダーティヒーローになりつつあります。立場逆転ですか? 小室圭さんもちょんまげを切ったのだから、石川遼もそろそろロンゲを切るときかなと思います。

    てなわけで男子プロは全体のイメージが地味で、商品価値が下がっています。魅力的なキャラクターがいないのは壊滅的です。つまり誰が勝とうがどうでもいい感じです。ゴルフ界じゃニュースになるんだけど、ゴルフをやらない人にまで、伝わるニュースがないんですよね。

    例えばデシャンボー選手みたいに、同じ長さのクラブを使う選手がいるとかね。それじゃ真似になるので、クラブ10本のみを使い優勝したら話題になるでしょう。いやいや、今年のミズノオープンでタイのJ・パグンサンがクラブ11本でラウンドして優勝してましたね。こうなれば裸足でラウンドすればいいか、なんてプロゴルファー猿かよ〜。昔、マラソンのアベベ選手は裸足で走って優勝しました。ありえなくもないか。

    とにかく変なことをして勝たないと。二刀流の大谷翔平が存在するなら、スイング二刀流で、右と左で打ち分けられるのもありですよ。7番アイアンとピッチングは右左2本づつ持っていて、いざというときはレフティになるとかね。強くて、かつ面白いことをやったら人気は出ますよね。

    3)レッスン界
    レッスンプロ及び、ひと息ついたトーナメントプロは、レッスン業界で仕事を展開することになります。従来のレッスンプロは練習場で教えたり、雑誌で指導するのが一般的でした。ところが最近はユーチューブが台頭し、そこで稼ぐレッスンプロをちらほらお見受けします。キャラが立っている有名レッスンプロは、固定客がいるので、そこでビュー数を稼ぎます。そしてユーチューブの視聴者は、繰り返し見る習性があります。

    そもそも雑誌でレッスン記事を読んでも、難解でなかなか要所をつかみ得なかった。これが動画だと非常に分かりやすい。けど細かいニュアンスがなかなか伝わらない。だから繰り返し、何度も再生するんですね。そうなるとキャラが立っている人のレッスンは、逆にうざいわけです。毎回つまらない冗談を繰り返し、見させられるわけですから。そういう意味で、単純明快なテクニックを簡潔に教えるほうが、有名無名を問わず重宝されています。

    新庄新監督を煽りながらキャラを立てないのも変ですが、「キャラを立てないキャラクター」、そういうのも戦略のひとつだと思います。ちなみに最近、サングラスとマスクをして、ほとんど顔を隠したままのレッスンプロ「てらゆー」さんが、結構な人気です。顔がまったく見えない。でもレッスンに男の顔は必要ないでしょ。キャラ隠しが大事ということの証明じゃないですか。

    プロの世界で上位に立てるのはひと握り。相撲取りが辞めたら、ちゃんこ屋をやるように、プロをリタイヤしたらレッスンプロと、トコロテン式にやってもなかなか稼げません。やはり何かひと工夫が必要ですね。

    4)アマチュア女子
    スタイルとか美貌とか書くと、いろいろ問題が起きそうで怖いですが、でも実際のところ、そういう美人ゴルファーが実在しているのも事実です。80台ぐらいのスコアで回り、インスタでラウンドレポートしたり、ゴルフファッションをアップして、小銭を稼いでいます。

    インスタでインフルエンサー女子ゴルファーになれば、そこそこ楽しいゴルフ人生が送れます。それにはまずフォロワー数を最低2〜3万人にしないと。日頃からマメにアップして、フォロワーのいいねに対してリアクションは大事です。地道な活動をしていると、ある日、どこからともなくゴルフの仕事が来ることがあります。

    さらに投げ銭システムのある、ライブアプリを使えば、ファンがおひねりをくれることも。すべてはチリツモの世界です。100円、200円のチップが、月何十万円になるのですから。狙いは孤独なジジイって俺かよ〜。月10万円以上、若い地下アイドルに投げ銭をしているジイさんがいるとのこと。それテレビでやっていました。どこの世界でも「太い客」を探すのは大事です。投げ銭は直接会うことがないので、身辺上も安全、ぜひトライしてみましょうって、ほんまかいな。

    5)我々アマチュア男子
    我々アマチュアのオヤジの新庄剛志的生き方は、いろいろあります。スコアアップはひとまず置いといて、いかに楽しむかを考えましょう。

    まずコンペですね。暇つぶしに自分でコンペをデカくするのも面白いでしょう。友人とつるんで8人ぐらいのミニコンペから始めて、年に4回ぐらい開催とかね。ノリで始めれば20人ぐらいの会なら1年ぐらいで達成できます。あとは幹事特権をどう利用するか? 幹事は組み合わせが自在にできます。それを社交に使うか、恋愛に使うか、ビジネスに使うか、いろいろ考えましょう。

    幹事特権ではカードのポイントなども貰い放題です。パーティ分は幹事がまとめて払うので、10万円以上分のポイントが入ってきます。その他、ゴルフ場の営業と交渉して景品なども出してもらってと盛り上げるのもいと楽しいでしょう。人脈は限りなく広がります。面白そうと思えば、みんな寄って来ますよ。

    そういう面倒臭いのが嫌なひとは、ゴルファーズサークルみたいなのに入って、全国の名門コース巡りをするのも楽しいです。勝手に名門ツアーを組んでくれるので、あとはスケジュールと予算と照らし合わせ、申し込めばいい。私はひとり予約マニアな、おじいさんに会ったことがあります。定年退職をして、格安のひとり予約ゴルフプランに年100回ぐらいエントリーしている。そういうじいさんも素敵だなと思います。

    我が道を往くことにおいては、新庄新監督がバリ島で気ままな生活を送ったのと、似ているかも知れません。何はともあれ、余生は楽しく新庄のように過ごしましょう。
    木村和久
    きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。

    かざま鋭二
    かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
    連載

    木村和久のおやじが気になる旬なゴルフ情報

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