第21話 「いいなと思ってたコースが募集を始めた!! これって買いですか?」
補充に新規。会員募集にもいろいろあるとS水氏。さらに最近は債権が残らないプレー権だけの“無額面”が急増、主流になりつつあるという。どこにどんなメリット・デメリットがあるのか。将来まで見据えた会員権選びに入口正、大いに悩む!! <br><br> 取材・文/清水 晃(メディアサンライツ) イラスト/野村タケオ
配信日時:2021年12月15日 01時00分
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補充募集はどこが違う?
入口正(以下・入口) S水さん! ついに見つけましたよ、これは!?と思える会員権を。
M治ゴルフS水さん(以下・S水) やりましたね。どこですか?
入口 ○△×カントリーなんですけど、以前まわったことがあって好印象だったコースです。そこが今、手が届く価格で募集してるんですよ。どうです? 買いだと思いませんか?
M治ゴルフS水さん(以下・S水) ○△×カントリーさん、確かに今、補充会員を募集していますね。
入口 補充って、普通の会員権とどこか違ったりするんでしょうか? 入ったあとの待遇が違うとか……。
S水 そんなことありませんよ(笑)。れっきとしたメンバーさんです。
会員の高齢化に伴い、アクティブ会員を増やすといった理由で会員を補充したい時に既存のゴルフ場やグループ会社が行うもので、追加募集とも言います。ご存じのとおり、会員権売買の一般的な方法である名義書換は売り手と買い手によって行われますが、補充会員はゴルフ場やグループ会社が期間と口数を決めて広く募集します。
ちなみに、ゴルフ場が新たにオープンする時に新規で募集するのは新規募集。ただ、ゴルフ場によってはその辺がちょっと曖昧で、補充募集を新規と呼んでいる場合もありますけどね。
入口 なるほど。気をつけることはありますか?
S水 知っておいたほうがいいことはありますね。補充募集をするゴルフ場は名義書換をいったん停止するのが通例です。理由はカンタン、市場ではなく補充募集のほうで買ってもらいたいからです。相場が動いていたら、市場価格と募集価格にギャップが生じてしまいますからね。
だから募集期間中はいつ買っても価格が一定している。これは補充募集のメリットのひとつだと思います。ただ……。
入口 ただ?
S水 基本的に、市場に出回っている額よりも募集金額が高めに設定されることが多いんですよ。
入口 !!!
S水 それと、この○△×カントリーさんが補充募集をかけている会員権は“無額面”です。それも踏まえたうえで決められたほうがいいですね。
近頃増えてる“無額面”ってナニ?
入口 ムガクメン、ですか?
S水 預託金のない、プレー権だけの会員権のことで、会員には無額面の証券が発行されます。つまり全額が入会金ということですね。今では主流といっていいスタイルです。
というのも、昔はゴルフ場をオープンする際、会員を新規募集してお金を集めていましたよね。100万円とか200万円とか、時には1億円とか。それが証券に書いてあったわけです。預託金○○万円、入会金○○万円、というように。
例えば預託金が500万円で入会金が100万円のゴルフ場は、「100万円は戻ってきませんけど500万円はお預かり金として10年後にお返します」といったカタチで募集をしていました。ところが、それを返せなくなるゴルフ場が相次いだ。そこで、額面金額のない会員権を発行するケースが増えていったんです。募集要項には『募集金額:○○万円(預託金なしのプレー権)』とか、『募集会員:個人正会員(プレー権会員・無額面)』などと書かれているのでチェックしてみてください。
入口 プレー目的で入会するのなら、無額面でも問題ないですよね?
S水 ただ……。
入口 またまた何か?
S水 額面の入った昔の会員権が市場にまだ出まわっていることがあるんですよ。額面の入った会員権と無額面の証券、両方が発行されているんです。確かに、プレーする分には両者に違いはありませんが、差がつくのは手放したくなった時です。
どちらを選ぶかとなったら、私は額面がゼロよりも残っているほうをオススメしますね。たとえそれが少し高値であっても、債権が幾らかでも残っていれば名義書換料に充当したり、あるいは退会申請をして返金してもらう、といったことも可能になりますから。一方、プレー権だけの会員権は債権が残っていないので実質、売りづらい。もちろん売れることもありますが。
入口 安けりゃいいというものでもないと……。
S水 ですね。会員権を買う時って、売ることまで考えていない方が多いんです。でも将来、何があるか分からないですからね。だから私は「少しでも資産が残るほうを選んだほうがいいですよ」とアドバイスするようにしているんです。
大事な買い物ですから、会員募集にも様々な方法があること、最近は債権が残らないプレー権だけのものが増えていることを踏まえて、比較検討していただけるといいですね。
S水 預託金のない、プレー権だけの会員権のことで、会員には無額面の証券が発行されます。つまり全額が入会金ということですね。今では主流といっていいスタイルです。
というのも、昔はゴルフ場をオープンする際、会員を新規募集してお金を集めていましたよね。100万円とか200万円とか、時には1億円とか。それが証券に書いてあったわけです。預託金○○万円、入会金○○万円、というように。
例えば預託金が500万円で入会金が100万円のゴルフ場は、「100万円は戻ってきませんけど500万円はお預かり金として10年後にお返します」といったカタチで募集をしていました。ところが、それを返せなくなるゴルフ場が相次いだ。そこで、額面金額のない会員権を発行するケースが増えていったんです。募集要項には『募集金額:○○万円(預託金なしのプレー権)』とか、『募集会員:個人正会員(プレー権会員・無額面)』などと書かれているのでチェックしてみてください。
入口 プレー目的で入会するのなら、無額面でも問題ないですよね?
S水 ただ……。
入口 またまた何か?
S水 額面の入った昔の会員権が市場にまだ出まわっていることがあるんですよ。額面の入った会員権と無額面の証券、両方が発行されているんです。確かに、プレーする分には両者に違いはありませんが、差がつくのは手放したくなった時です。
どちらを選ぶかとなったら、私は額面がゼロよりも残っているほうをオススメしますね。たとえそれが少し高値であっても、債権が幾らかでも残っていれば名義書換料に充当したり、あるいは退会申請をして返金してもらう、といったことも可能になりますから。一方、プレー権だけの会員権は債権が残っていないので実質、売りづらい。もちろん売れることもありますが。
入口 安けりゃいいというものでもないと……。
S水 ですね。会員権を買う時って、売ることまで考えていない方が多いんです。でも将来、何があるか分からないですからね。だから私は「少しでも資産が残るほうを選んだほうがいいですよ」とアドバイスするようにしているんです。
大事な買い物ですから、会員募集にも様々な方法があること、最近は債権が残らないプレー権だけのものが増えていることを踏まえて、比較検討していただけるといいですね。
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令和時代のゴルフ会員権 購入への道