クリスマスを前に欲しいものが買えない!? ゴルフ量販店でも起きている品不足の理由
コロナによる生産の遅れや物流の混乱によるモノ不足が問題となっている。この影響がゴルフライフにも出てきている。
配信日時:2021年12月16日 08時00分
12月に入り、大切な人への贈り物やゴルフ仲間へのちょっとした気遣い、ボーナスでの自分へのご褒美などを考えている人も多いことだろう。ゴルフ好きなら、ここはゴルフグッズで迷いなし。でも、ちょっと待て。コロナ禍とゴルフ人気が相まって、市場が少しややこしいことになっているからだ。
老舗ゴルフショップ二木ゴルフアメ横本店の山本直樹店長が言う。「確かにグリップやパーツ関連の欠品は多いです。特注クラブや新製品などでパーツがないということがあります。グリップは注文すらできないものもあるし、グローブは天然皮革を供給できないと聞いています。お客様にはご不便をかけて、こだわりのある方には寂しい思いをさせてしまっています」。
手に入るものでプレゼントするのではなく、クラブへのこだわりがある場合、待つしかない状況は続いているようだ。ゴルフ部品の大手問屋の担当者は「去年、最初の緊急事態宣言明けくらいから部品関連は不足傾向にあります。コロナで工場の稼働が止まったことや、需要が落ちるとメーカーが踏んでいたのがはじまりでしょう。その需要が急回復したんです」と、解説する。コロナ禍で一度は人々の動きが大きく鈍ったが、その後、屋外でソーシャルディスタンスの取れるゴルフの人気が一気に高まった。これを予想できなかったことが大きかったというのだ。
「今年の初めから全体的な不足になって、そのことをわかってらっしゃるゴルファーのみなさんも多い。ものによっては数カ月待たなくてはいけないものもあります。手の打ちようがないんです。メーカーさんに供給不足を訴えて生産計画を立ててもらうしかないですね」。需要に供給が追いつかない。ゴルフ業界にとってはある意味、うれしい悲鳴ではあるが、ユーザー側は待たされる羽目になっている。
こだわりの強いゴルファーを顧客に多く抱えるゴルフ工房スパイグラスの玉嵜秀人氏からも現場の声が聞こえてくる。「グリップ、軽量スチールシャフトが全然足りない。それぞれのパーツが歯抜けになっていて、アイアンセットの1本だけシャフトがない、というようなことが起きています。流通の問題のようですが、マニアックなお客さんはどこに行ってもモノがない事情をよくわかってくださっているので待ってくれています」。
供給そのものの問題に加えてコンテナ不足、輸送の優先順位など流通の問題が加わった。復活ゴルファー増加もこれに拍車をかけている。「久しぶりにゴルフをしようという方が古いクラブを持ち出して、とりあえずグリップだけ交換しよう、というような需要も増えています」(同前)。
”モノ不足“ が起きているのはまぎれもない事実だった。細かいパーツが足りず、不足は一部キャディバッグやシューズにも及んでいるという。
クラブを買うときにシャフトを選べる対応をメーカーがするのはごく当たり前になり、こだわりゴルファーはそれを求める。メーカー各社の新製品発表も相次ぐシーズンを迎える中、これが早々に解決することが求められている。
一方、購入するゴルファーサイドとしては、こだわるのなら ”待つ時間“ を徹底的に楽しむことをお勧めする。自分へのご褒美なら、パーツがそろう日を指折り数えて待つ。クリスマス前に、クリスマスにちなんだカレンダーを毎日、ひとつずつ開けて楽しむ ”アドベント” という期間があるが、クリスマスが過ぎても、そんなふうに納入予定日を待つ。プレゼントなら ”目録” や “予約券“ を渡して、一緒にその時間を楽しむのもいい。
どのクラブがいいのか本当はわかっていないのに「〇〇プロが使っているから」と ”ジャケ買い“ するよりも、ここは自分に合ったものを見つけるチャンスととらえよう。ショップのスタッフに相談することで、在庫のクラブで自分に合ったものが見つかるかもしれない。ちょっとしたプレゼントなら、ショップをゆっくり眺めるのもいい。ネットでも、目的のもの一直線ではないショッピングをしてみる機会にしよう。
モノ不足については今すぐにどうこうすることはできない。だが、これを自分の世界を広げるチャンスに変えてはどうだろう。
(文/ゴルフジャーナリスト 小川淳子)
手に入るものでプレゼントするのではなく、クラブへのこだわりがある場合、待つしかない状況は続いているようだ。ゴルフ部品の大手問屋の担当者は「去年、最初の緊急事態宣言明けくらいから部品関連は不足傾向にあります。コロナで工場の稼働が止まったことや、需要が落ちるとメーカーが踏んでいたのがはじまりでしょう。その需要が急回復したんです」と、解説する。コロナ禍で一度は人々の動きが大きく鈍ったが、その後、屋外でソーシャルディスタンスの取れるゴルフの人気が一気に高まった。これを予想できなかったことが大きかったというのだ。
「今年の初めから全体的な不足になって、そのことをわかってらっしゃるゴルファーのみなさんも多い。ものによっては数カ月待たなくてはいけないものもあります。手の打ちようがないんです。メーカーさんに供給不足を訴えて生産計画を立ててもらうしかないですね」。需要に供給が追いつかない。ゴルフ業界にとってはある意味、うれしい悲鳴ではあるが、ユーザー側は待たされる羽目になっている。
こだわりの強いゴルファーを顧客に多く抱えるゴルフ工房スパイグラスの玉嵜秀人氏からも現場の声が聞こえてくる。「グリップ、軽量スチールシャフトが全然足りない。それぞれのパーツが歯抜けになっていて、アイアンセットの1本だけシャフトがない、というようなことが起きています。流通の問題のようですが、マニアックなお客さんはどこに行ってもモノがない事情をよくわかってくださっているので待ってくれています」。
供給そのものの問題に加えてコンテナ不足、輸送の優先順位など流通の問題が加わった。復活ゴルファー増加もこれに拍車をかけている。「久しぶりにゴルフをしようという方が古いクラブを持ち出して、とりあえずグリップだけ交換しよう、というような需要も増えています」(同前)。
”モノ不足“ が起きているのはまぎれもない事実だった。細かいパーツが足りず、不足は一部キャディバッグやシューズにも及んでいるという。
クラブを買うときにシャフトを選べる対応をメーカーがするのはごく当たり前になり、こだわりゴルファーはそれを求める。メーカー各社の新製品発表も相次ぐシーズンを迎える中、これが早々に解決することが求められている。
一方、購入するゴルファーサイドとしては、こだわるのなら ”待つ時間“ を徹底的に楽しむことをお勧めする。自分へのご褒美なら、パーツがそろう日を指折り数えて待つ。クリスマス前に、クリスマスにちなんだカレンダーを毎日、ひとつずつ開けて楽しむ ”アドベント” という期間があるが、クリスマスが過ぎても、そんなふうに納入予定日を待つ。プレゼントなら ”目録” や “予約券“ を渡して、一緒にその時間を楽しむのもいい。
どのクラブがいいのか本当はわかっていないのに「〇〇プロが使っているから」と ”ジャケ買い“ するよりも、ここは自分に合ったものを見つけるチャンスととらえよう。ショップのスタッフに相談することで、在庫のクラブで自分に合ったものが見つかるかもしれない。ちょっとしたプレゼントなら、ショップをゆっくり眺めるのもいい。ネットでも、目的のもの一直線ではないショッピングをしてみる機会にしよう。
モノ不足については今すぐにどうこうすることはできない。だが、これを自分の世界を広げるチャンスに変えてはどうだろう。
(文/ゴルフジャーナリスト 小川淳子)
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