第4回 大渋滞の原因はスコアカードとのにらめっこ!? 「ハーフ2時間15分」で回るためにやるべきこと【小田美奈のキャディ目線】
かつては専属キャディとして宮里藍を支え、現在は二児の母として家庭を支え、ハウスキャディとして一般ゴルファーも支える小田美奈さんが、ツアーの裏側やゴルフに役立つ情報をお届け!
配信日時:2022年3月2日 03時30分
ダウンジャケットを脱げる暖かい日が増えて、いよいよ本格ゴルフシーズン到来!ということで、コースを訪れるゴルファーが増えてきた。そうなると気になるのはラウンドスピード。楽しくスムーズに回りたいのに、毎ホール詰まっていて乗用カートが大渋滞なんてことも。よくゴルフ場が呼びかけている「ハーフ2時間15分」という啓蒙活動に対して、「それは無理でしょ」と感じる人もいるはず。宮里藍の専属キャディを経て、現在某ゴルフ場でハウスキャディとして働いている小田美奈さんに、楽しく早く回るコツを教えてもらおう。
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プロキャディのメモが細かすぎる!【写真】
ハウスキャディにとって、お客様を焦らせず、いかに時間内でラウンドを終わらせるかは腕の見せ所。しかし、前が詰まっていてはそれも無理な話です。セルフプレーが増えた昨今、ラウンドスピードについて悩めるゴルフ場も少なくありません。そこで、明日からでも使えるような、プレーファーストに繋がるちょっとした気遣いやコツを紹介したいと思います。
・ティショットを打つ順番は用意をできた人から
ティイングエリアで時間がかかってしまう一番の原因は、スコアカードとの睨めっこ。打つ順番を確認するのもそうですが、スコアや点数の計算に夢中になっている人、いませんか?ティイングエリアでの準備は、既に前のホールから始まっています。前のホールで先にホールアウトした人が次の打順を確認。ティーグランドについたら、オナーの人はすぐに打つ準備。計算は、その待っている間です。
打順が気にならないようであれば、用意ができた人からとか、飛ばない人からといったように決めてしまうのも良いですね。私がキャディ仲間とラウンドする時は、「やる気がある人から」ということで、早い者勝ちです。
打球がどこに行ったかを、確認し合うことも忘れずに。カート道方向の人は運転係。逆方向に曲げてしまった人は、林から出すためのクラブとおおよその残り距離用のクラブなど3、4本持って準備しておけば時間短縮になります。移動はカートに乗った方が早い場合もあるので、その辺は状況に応じて動けたら良いですね。
ただし、前の組との距離をしっかりとることだけは忘れないようにしましょう。そこは、焦ってはいけないところです。思わぬナイスショットとフォローの風で前の組に打ち込んでしまったりすれば、思わぬ事故に繋がってしまいます。自分は打ち終わったからと、他の人を待たずに前方に出ることも、非常に危険です。
ティイングエリアがひとりだけ前だからと、前方に出るのも危険。どうしても前に出なければならないような場合は、カートに乗って移動して、後ろのティで打つ人に歩いてきてもらうようにした方が安全で、効率的です。
・一番にグリーンを終えた人が、先に全員分のクラブを拾う
誰よりも先にグリーン周辺まで行った人は、カートを運ぶ係です。ただし、全員がクラブを替える必要がなくなったことを確認することを忘れずに。グリーンに戻る時は、全員分のパターを持つことも忘れてはいけません。カートを運ばないプレーヤーは、使わないとしてもサンドウェッジは保険だと思って必ず持つようにしましょう。
グリーンに乗ったら、使わないクラブはグリーン周りに置きますが、カートのある方向に置くようにすれば、終わった後の移動がスムーズです。一番にパットをしなければならない人は、ファーストパットを終えてから、次のパットを待っている間にクラブを移動します。
一番にグリーンを終えた人が全員分のクラブを拾い、先にカートに戻って片づけてしまえば、そのホールを終えた後にカートの後方でバタバタすることも無くなり、かなりの時間短縮になります。バンカーならしも、お互いに協力できると良いですね。ピンの一番近くについている人が、助けにいくようにすると、とてもスムーズです。
セルフプレーでプレー時間を短縮するために必要なのは、お互いに協力し合うこと。時間に余裕ができれば、焦ることも慌てることもなく、会話にもプレーにも余裕ができるというものです。
■小田美奈/おだみな 元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝に貢献。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。
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プロキャディのメモが細かすぎる!【写真】
ハウスキャディにとって、お客様を焦らせず、いかに時間内でラウンドを終わらせるかは腕の見せ所。しかし、前が詰まっていてはそれも無理な話です。セルフプレーが増えた昨今、ラウンドスピードについて悩めるゴルフ場も少なくありません。そこで、明日からでも使えるような、プレーファーストに繋がるちょっとした気遣いやコツを紹介したいと思います。
・ティショットを打つ順番は用意をできた人から
ティイングエリアで時間がかかってしまう一番の原因は、スコアカードとの睨めっこ。打つ順番を確認するのもそうですが、スコアや点数の計算に夢中になっている人、いませんか?ティイングエリアでの準備は、既に前のホールから始まっています。前のホールで先にホールアウトした人が次の打順を確認。ティーグランドについたら、オナーの人はすぐに打つ準備。計算は、その待っている間です。
打順が気にならないようであれば、用意ができた人からとか、飛ばない人からといったように決めてしまうのも良いですね。私がキャディ仲間とラウンドする時は、「やる気がある人から」ということで、早い者勝ちです。
打球がどこに行ったかを、確認し合うことも忘れずに。カート道方向の人は運転係。逆方向に曲げてしまった人は、林から出すためのクラブとおおよその残り距離用のクラブなど3、4本持って準備しておけば時間短縮になります。移動はカートに乗った方が早い場合もあるので、その辺は状況に応じて動けたら良いですね。
ただし、前の組との距離をしっかりとることだけは忘れないようにしましょう。そこは、焦ってはいけないところです。思わぬナイスショットとフォローの風で前の組に打ち込んでしまったりすれば、思わぬ事故に繋がってしまいます。自分は打ち終わったからと、他の人を待たずに前方に出ることも、非常に危険です。
ティイングエリアがひとりだけ前だからと、前方に出るのも危険。どうしても前に出なければならないような場合は、カートに乗って移動して、後ろのティで打つ人に歩いてきてもらうようにした方が安全で、効率的です。
・一番にグリーンを終えた人が、先に全員分のクラブを拾う
誰よりも先にグリーン周辺まで行った人は、カートを運ぶ係です。ただし、全員がクラブを替える必要がなくなったことを確認することを忘れずに。グリーンに戻る時は、全員分のパターを持つことも忘れてはいけません。カートを運ばないプレーヤーは、使わないとしてもサンドウェッジは保険だと思って必ず持つようにしましょう。
グリーンに乗ったら、使わないクラブはグリーン周りに置きますが、カートのある方向に置くようにすれば、終わった後の移動がスムーズです。一番にパットをしなければならない人は、ファーストパットを終えてから、次のパットを待っている間にクラブを移動します。
一番にグリーンを終えた人が全員分のクラブを拾い、先にカートに戻って片づけてしまえば、そのホールを終えた後にカートの後方でバタバタすることも無くなり、かなりの時間短縮になります。バンカーならしも、お互いに協力できると良いですね。ピンの一番近くについている人が、助けにいくようにすると、とてもスムーズです。
セルフプレーでプレー時間を短縮するために必要なのは、お互いに協力し合うこと。時間に余裕ができれば、焦ることも慌てることもなく、会話にもプレーにも余裕ができるというものです。
■小田美奈/おだみな 元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝に貢献。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。