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    おやじゴルフニュース「船頭多くてコンペ進まず」

    ゴルフはそこそこそのキャリアを積んでいくと、マンネリや金欠、はたまた体の痛みなどさまざまな問題を抱えながら続けてゆくこととなります。そのとき感じているのは、ゴルフ道を極めようとガムシャラに目指していた目標を失う虚無感。ここらでひと息入れてみませんか。コラムニスト木村和久が、エンジョイゴルフの本質と核心、そしてこれからどうやってゴルフ生活を楽しんでいけばいいのかを提案し、マンガ家・かざま鋭二のイラストと共に旬なゴルフ情報をお届けします。

    配信日時:2022年4月19日 03時00分

    • ゴルフライフ
    イラスト・かざま鋭二
    イラスト・かざま鋭二
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    ■コロナも一段落 コンペでもやってみませんか■

    ようやくコロナ第6波も収束に向かい、季節は春真っ只中。ゴルフシーズン到来となりました。そうなると、過去2年間我慢していたコンペも、復活してもよいのではという機運になります。今回は2年ぶりにコンペをやると仮定し、その時、どんなことが起こるのか? シミュレートしてみます。

    もしもコンペに原英莉花が来てくれたらこんな感じ?

    まず名簿の確認ですが、コロナ禍でいろいろあり所在不明の方もいます。田舎に帰ったとか、仕事を変えたとか、さまざまな人間模様があるわけです。今はメールがありますから、住所が変わってもコンタクトは取れます。けど「今回はパスさせてください」とか「すまん、遠いところに引っ越しました」と、辞退するケースも。結果的に、メンバーの入れ替えを多少することになります。

    2年間ほどのコロナ生活で、ゴルフをやる頻度が減っています。若者ゴルファーは増加していますが、月イチゴルファーのオヤジ達は、コロナにびびってラウンド数が減ったでしょう。特に今年の冬場は寒かったですから、今年まだラウンドしてない方もいると思います。

    個人的には冬でも月1回程度ラウンドしていましたが、やはり体が固くてゴルフにならなかったです。だから現在は、練習場通いをして体をほぐしています。皆さんもコンペの前に2〜3回練習して、体調を整えてから参加してください。同じお金を払ってプレーするなら、楽しくラウンドしたいじゃないですか。ちょっと練習場しただけでも、だいぶ違ってきますよ。

    ■注文の多いコンペ参加者たちへの対応は■

    コンペにはいろんな方が参加します。だからリクエストもさまざま。オヤジ系で多いのは飛距離が落ちたから、短い距離で打ちたいとかね。けどコンペの場合は、たいがいレギュラーティで打つと相場が決まっています。代えようがありません。そこで折衷案として「スルーザグリーン・オール6インチリプレース」を採用する手はあります。まだ芝が生え揃ってなく、ライが悪い状態のコースもあります。6インチリプレースをやれば、多くの人は納得するでしょう。スコアでいえば、トータル2〜3打得すると思います。

    そして1ホールで大叩きする問題もなんとかしないと。バンカーにはまって、1ホール15打ぐらい叩くと、泣きたくなります。俗にいわれているギブアップは、パーの3倍といわれています。だからパー4なら12打で許してくれるというもの。けどパー5だったら15でしょう。これは辛いなあ。

    ここはR&Aの新ルールを採用し、最高打数を決めることをお勧めします。コンペが始まる前に幹事が「最高打数はダブルパーカットをする」といえばいいのです。その理由ですが、R&Aの新ルール採用と説明しても構いませんが、よく理解できない人もいると思います。ゴルフはありのままに、正直申告すべきという原理原則者は多く、根強い支持があるからです。

    そこで新ペリアの計算の時に「ダブルパーカットで計算します」といってから、ついでに「スコアもダブルパーカット」と足せば、スムースに話しが進みます。新ペリアの集計時にスコアをダブルパーカットするのは、大叩きした人が優勝するのを防ぐためです。1ホールで15とか20出した人が、隠しホールにはまって優勝する。それを防ぐためです。

    以前130ぐらいで優勝した人を見たことがありますが、どうだかな〜って感じです。一生懸命80台を目指した自分の心意気は、まったく評価されないってことですもん。

    そうやっていろんな準備をしてコンペをやるのですが、組み合わせ表を発表した段階で、またひと悶着が起きます。「あいつだけとは組みたくない」という人が現れるのです。そんなことあるのかと思いますが、実際は結構あります。何を隠そう、この私もありました。以前、相手の不誠実で仕事がなくなったことがあり、この人だけには生涯関わりたくないと思ってました。別に喧嘩してはないですけど、ゴルフは一緒にしたくない。そいつの顔を1日見てると、腹が立って来ます。

    あるコンペで、その人と、何の予告もなしに組み合わせになったのです。スタート前に幹事にクレームを出しました。「出来たら変更お願いします」といったら、なんとか穏便に変えていただきました。あと同伴メンバーから、嫌なことをされたこともあります。知らないおじさんと組まされて、そのオヤジが叩き出したら、昼休みに「まあまあ一杯飲んで」と強い酒を勧めてくるのです。

    自分が叩いたから相手にも叩いてもらう作戦って、いつの時代やねん。田舎の結婚式じゃあるまいし、酒を無理矢理勧めるか〜、実に昭和してました。しかも、そのおやじとニギってないし、まったく関係ないんだけど。死なばもろともですか、いいとばっちりでした。ほかトップアマがくそ生意気に挨拶もせずに、子分らしき人と独自の世界を築いて、勝手にラウンドを進めているし。けどあるホールで、みんなが叩いてこっちがパーでオナーに。けどそのトップアマが、当たり前のように先に打とうとしたから「オナー俺なんだけど」といったら、顔面紅潮してむくれてやがんの。

    でもトップアマだからルール&マナーを無視できない。しぶしぶ「すいませんでした。どうぞ」っていってきたからね。あれ相当ムカついてただろうなあ。そのときは、ゴーンイングマイウエイのトップアマに怒ってたわけでなくて、なんでその人と組み合わせたのかと幹事に怒ってました。プレーをする前に、幹事がやって来て紹介しあうとかね、打ち解けるひと手間の工夫が欲しかったのです。

    というわけで、コンペの組み合わせでは、納得をしてない人が、結構多いと思います。あと面白いのが服装です。コンペというのは、その組数が貸し切り状態になり、変な格好で来ても、クラブ側はなかなか文句をいえません。しかも来てしまったからしょうがない。そういう仕組みを見抜いてか、ラウンドの時も、一応ポロシャツを着ているんだけど、着物みたいな服を着てプレーする人がいました。それでゴルフできるのか?防寒着なのか? 謎のまま、プレーが進行したことがあります。

    ■一番多いトラブルは「遅刻」■

    そして一番多いトラブルは時間の問題です。つまり朝、誰かが遅刻をするとかね。これは最終組に順番を変えるしかないです。事故渋滞は仕方ないですが、朝寝坊もあります。ひどいと3ホール目から参加なんてね。まあ仲間内ですから、その話をネタに突っ込まれれば、パーティで盛り上がりますけど。

    問題はドタキャンです。多分仮病だと思うけど、朝起きたら熱があってとね。そういう人は、次回から呼ばれません。夜熱出るのは分かるけど、朝の熱はどうなんでしょう。多分嘘でしょうね。

    時間で問題が起きるのは、表彰式までの空き時間です。つまり組数が多いと、最初の組が時間をモテ余します。どこぞの大きなコンペで、ほぼ貸し切りでやったら、トップスタートの偉いおじいちゃんが、表彰式を延々待たされて、ぶんむくれて帰ったとか。その大コンペ、その後どうしたと思います。ショットガン方式にして、各方面からスタートさせて待ち時間を減らしたのです。貸し切りだから出来る裏技ですけどね。

    一般のコンペでは、6〜7組あたりが境目かなあ。7組だと8分間隔スタートと計算して48分の差。そこらへんが調整どきかな。あとはコンペをするコースとの調整ですね。懇意でないと、アウト、イン同時間スタートに分けてもらうのは難しいかなあ。

    そんなこうなで不満と満足が入り交じるコンペ、これはアマチュアゴルファーとしての存在証明の場でもあると思います。今年もまた元気で参加できてますよ〜と。コンペを休むと悪口をいわれているような気がしてね。だから出来るだけ長くコンペに出続けましょうか。それが長生きの秘訣だと思います。
    木村和久
    きむら・かずひさ/1959年生まれ、宮城県出身。世の中のトレンドを追求し、ゴルフや恋愛に関するコラムを多数執筆するほか、マンガ原作も手がける。隔週刊ゴルフ誌「ALBA」ほか、連載多数。

    かざま鋭二
    かざま・えいじ/1947年生まれ、東京都出身。多くのゴルフマンガを執筆。代表作「風の大地」(原作・坂田信弘)では小学館漫画賞を受賞。現在、エイジシュートに挑戦中。
    連載

    木村和久のおやじが気になる旬なゴルフ情報

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